再生の星のアウレール

第249話 カゲツの突入

　カゲツの艦橋で戦況を見ていたマリアは指示を出す。
　「カゲツをグランエアに向けて最大船速で前進、ほかの者は遅れるなよ。」「カゲツ、最大船速で前進。」
近衛騎士団のワルカのパイロットが会話を始める。
　「忙しくなるぞ。」「マリア指令は徹底的にやるつもりだな。」「遅れるなよ。敵を墜とすのは早い者勝ちだからな。」
カゲツの動きに気づいたアーシャが指示を出す。
　「カゲツに先を越されるぞ。カンゲツ、最大船速前進。ワルカとエレクはカンゲツの護衛に付け。」「カンゲツ、前進最大船速。」
グランエアの艦橋ではオペレーターが慌てる。
　「フレイムランドの戦闘艦２隻、急速前進。突っ込んできます。」「目的はこのグランエアだ。隣の船を盾にして後退。全砲門前方の戦闘艦を狙え。」
　「了解。射程内に入り次第発砲します。」
グランエアは味方の戦闘艦の中に紛れ込む。前方の戦闘艦には近衛騎士団のワルカが攻撃を始める。傭兵団のフレームシリーズが対抗しようとするが歯が立たない。
　ワルカは魔力を乗せてライフルを撃つ。魔力で増幅されたエネルギーは、戦闘艦の防御スクリーンを貫き船体に穴を開ける。戦闘艦は防御スクリーンを失うと弱い。
　魔力によって増幅されたエネルギーが船体を貫き、爆発を引き起こす。前線の傭兵団の戦闘艦が数を減らしていく。そこへカゲツが突っ込んでくる。
　カゲツは全砲門を展開して撃ちまくる。カゲツは傭兵団の戦列の中に食い込んだので傭兵団の戦闘艦は同士討ちになることを避けてカゲツに攻撃できない。
　グランエアは射程ぎりぎりの距離からカゲツを撃つ。カゲツは船首に防御スクリーンを展開しているため砲撃ははじかれる。
　カゲツが突入したことで、傭兵団の艦隊は混乱する。慌てて方向転換してカゲツを追う戦闘艦が出るが。接近してきているカンゲツの的になる。横っ腹を砲撃されて行動不能になる。
　傭兵団の艦隊は１５隻まで数を減らしている。それに比べてフレイムランド軍は目立った被害は出ていない。