再生の星のアウレール

第234話 フレイムランド侵攻の決議

　クロード市長は積極的にアースランドの会議に参加していた。その中で輸送艇の建造技術の提供などをして浮島の技術力の高さをアピールするとともに発言力を高めていった。
　彼はデニス団長に会う。
　「順調にアースランドの会議の発言力を高めています。」「我々の技術を提供しているそうだな。」
　「浮島の技術力の高さを教えるためです。」「技術は我々の財産だ。慎重に扱ってくれ。」
　「はい、もちろんです。そろそろよろしいかと思います。」「あれを提案するのか。」
　「はい、技術力と言う撒き餌も効いてくる頃です。」「いいだろう。失敗は許されんぞ。」
クロード市長は、アースランドの会議に提案を提出する。
　「クロード市長、フレイムランドを戦って敗北させるとあるが何を考えているのかね。」「我々の傭兵団がフレイムランドの軍に戦いを仕掛けて勝つのです。」
　「我々に領土的野心は無いぞ。」「分かっています。しかし、フレイムランドの生活は豊かです。」
　「我々が貧しいというのか。」「フレイムランドの富を少しばかり分けてもらうのです。」
　「勝てるのか。」「フレイムランドの軍は戦闘艦が４隻しかありません。」
　「たった４隻だと。信じられん。」「フレイムランドは１００年以上戦争をしたことがありません。そんな国の軍がまともに戦えると思いますか。」
　「平和ボケでもしているというのか。」「その通りです。」
　「要求はわずかな富の分配だな。」「そうです。皆さんどうでしょう。もう少し豊かな生活をしたいと思いませんか。」
　「分かった採決を取る。」
結果は６対４で採用されることになる。デニスは結果を聞き歓喜する。そして独り言を言う。
　「私はフレイムランドに勝つぞ。ヴェルフ・オーマンのシャドウズが出来なかったことを私が成功させるのだ。」
クロード市長がデニス団長に会いに来る。
　「危うかったです。４割も反対されるとは・・・」「採用されたのだから問題ない。」
　「しかし、どうやって異世界に攻め込むか説明しなかったのですが、誰も疑問を持たないとは。」「実感がわかないのだよ」
　「後はデニス団長の腕次第ですね。」「成功させるさ。」
ここまでデニスの思い通りに事が進んでいる。戦いもフレイムランドの軍の数倍の戦力で戦うのだ。それも傭兵団は腕利きが揃っている。勝利は約束されていた。