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第186話 マリア・メルル

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 アピルがアウレールとクリスタを街へ連れ出したことをきっかけに2人は街に出かけるようになる。最初のうちはスクルドが面倒を見ていたが慣れてくると2人で出かけるようになる。
 アウレールとクリスタは主に飲食店と目的にして出かけ、街にある店を見ながら過ごす。2人はすっかりこの街を気に入っている。
 クリスタはアウレールとデートをしていると考えているが、アウレールは楽しむだけでそこまで考えが至らない。ある日、がらの悪い5人組の男たちにからまれる。
 「かわいい子連れているねー、俺たちも混ぜてよ。」
アウレールとクリスタは、この街でもこのような連中はいるんだと思う。クリスタが男たちに言う。
 「あなたたちタイプじゃないから、あっちに行って。」「なにー、優しく誘ってやればつけあがりやがって。」
 「さっさと済ませましょう。ここは人目があるからそこの小道の中でどうですか。」「お兄ちゃんは話がわかるな。」
アウレールは裏通りに入って行く。男たちは2人を取り囲む。
 「まずは財布を出しな。それから1枚づつ服を脱げ。」
アウレールとクリスタは男たちの言葉を無視して立っている。いや、魔力をコントロールして魔弾を5人に撃ち込もうとしていた。
 「そこまでだ動くな!」
男たちはびっくりして声をした方を見る。そこには赤毛の美少女がいる。アウレールとクリスタは攻撃準備をやめない。
 「私は、お前たちに言っているんだ。魔法攻撃をやめろ!」
男たちは飛び込んできた美少女を捕まえようとする。その瞬間、姿が消え、5人の男が地面に倒れる。彼女はアクセルと言う剣技を使って男たちに当て身を加えてのだ。
 少女は電話で騎士団に連絡する。彼女は2人に言う。
 「私は近衛艦隊司令官マリア・メルルだ。今、魔弾で男たちを殺そうとしましたね。」「襲われていたのは俺たちですよ。殺して何が悪い。」
 「騎士は一般人を何があっても殺してはならないのは常識でしょ。」「俺たち騎士ではないし、この国の人間じゃありません。」
 「そうか君たちがアウレルとクリスですね。」「アウレール・へリングとクリスタ・ランセルです。」
 「失礼、アウレール君とクリスタさん。」「今のは何ですか。ドニィーシャさんにも見せてもらっていない技です。」
 「ドニィーシャは母です。あの技はアクセルと言って母が完成させた剣技です。」「あんなに早く動けるものですか。」
 「見えたのかな。」「少しだけです。」
騎士団が駆け付けるとマリアは説明して、男たちは連行される。マリアは2人に言う
 「また会えると思うからよろしくね。」「はい。」
アリアは去って行く。アウレールが思わず口に出す。
 「マリアか。きれいな娘だな。」「アウレール、それ浮気よ。」
 「俺たち結婚していないだろ。」「それでも浮気なの。」
アウレールはクリスタの機嫌をとることに苦労する。
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