再生の星のアウレール

第147話 クリスタの戦い

　戦闘開始から３０秒でオシリスが沈み、アウグストのマグニの信号が消えたことは、フィクサーの軍を震撼させる。
　特にナンバーズは、マグニの最高のパイロットであるアウグストがわずか３０秒でやられたことに動揺する。指揮を任されたバルトロメウスが指示を出す。
　「１機で敵機に当たるな。連携をとってからめとれ。」「了解。」
彼は指示を出したが相手のクリスのパイロットは戦い慣れている。数機で当たっても勝つことは難しいと考える。
　クリスタは攻撃開始と同時にライフルで撃ち、ガントを１機蒸発させ、ユニオンの上部甲板を被弾させている。
　彼女は今、ナンバー７のアレクシス・ハイゼのマグニとナンバー８のケヴィン・クラッセンのマグニ、ガント３機を相手している。
　アレクシスのマグニがクリスタのクリスの前に出るとケヴィンのマグニが後ろを執ろうとする。クリスタは急上昇してケヴィンに後ろを取らせない。
　そして追ってきたガントをライフルで狙い撃つ。ガントは直撃を受けて爆発する。ケヴィンがアレクシスに言う。
　「こいつもかなりの腕前だぞ。」「ああ、こいつも化け物と考えたほうがよさそうだ。」
クリスタのクリスが逃げ出す。２機のガントが後を追い始める。アレクシスが止める。
　「追うな。罠だ。」
クリスタは旋回してガントの後ろを取るとライフルで２機のガントを撃ち、直撃させる。アレクシスは次は俺たちの番だと覚悟する。
　ケヴィンがアレクシスに言う。
　「アレクシス、逃げるぞ。」「逃がしてくれるかな。」
　「それぞれ、別の方向に逃げよう。」「運の悪い方が犠牲になるのか。」
　「そうだ行くぞ。」
アレクシスのマグニとケヴィンのマグニが動き出す。それぞれがクリスタのクリスに向かって行く。
　「何やっている。ケヴィン。」「お前こそ。」
クリスタは２機のマグニをかわしてケヴィンのマグニをライフルで撃つ。マグニは右足の付け根を撃たれ、右足を無くしてバランスを崩し墜落していく。
　アレクシスが駆け付けて、右手のライフルを捨てるとケヴィンに言う。
　「その機体はダメだ。右手に飛び移れ。」「どこまでお人よしなんだ。」
ケヴィンは文句を言いながらマグニの右手に飛び移る。そして、アレクシスのマグニはクリスタのクリスから逃げる。
　「あーゆうのは撃ちづらいよね。」
クリスタは独り言を言い、アレクシスを見逃す。