再生の星のアウレール

第136話 台北軍基地

　セレーネとラングドックはステルススクリーンを展開したまま台北軍基地に接近する。そして、ワルカとクリスを発進させる。
　ワルカとクリスは軍の上空を制圧する。セレーネとラングドックはステルススクリーンを解除して姿を現す。
　台北軍は突然のことに混乱する。ブルーノは、基地に呼びかける。
　「武器を捨て我々の指示に従ってもらう。」「貴艦の目的を願う。」
　「指揮官の身柄の拘束だ。部下の命が惜しければ従え。」「しばらく回答を待て。」
　「待てないな。」
ブルーノがアウレールに指示を出す。
　「警告射撃だ。当てるなよ。」「分かった」
ワルカは軍の敷地をライフルで撃つ。撃たれた敷地は高熱で溶けくぼみを作る。
　「待て、私が司令官だ。今から外に出る。」「分かった。着陸するから空中戦闘艦に乗ってもらう。」
司令官が１人で建物から出てくる。基地の敷地にはセレーネとラングドック、ワルカとクリスが着陸する。セレーネの格納庫のハッチが開き、装甲車が１両出てきて司令官の前に止まる。
　装甲車に司令官が乗り込むと装甲車はセレーネに戻って行く。
　台北軍の兵たちは司令官が横領などしていないと信じている。しかし、台北市は横領をしたとして指揮官を解任した。これは兵たちにとっても屈辱である。
　今、司令官が１人で傭兵団に連れ去られようとしている。たかが傭兵団にである。兵たちは屈辱に震える。
　ブルーノがクルトに言う。
　「うまくいったな。」「はい、戦闘が起こらなくてよかったです。」
ブリュノが独り言のように言う。
　「司令官が罪に問われて解任され、傭兵団に連れ去られようとしている。兵の気持ちはどうでしょう。」
司令官がブルーノの所に来る。ブルーノは言う。
　「今から身柄を台北市に引き渡します。これで台北軍は終わりです。」「あんたは我々をなめているぞ。」
　「司令官のいない軍は烏合の衆ですよ。」「あんたらが無事に済むことを祈っているよ。」
司令官はブルーノを睨みつける。その時、セレーネに衝撃が起こる。