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第50話 武器供与の情報

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 ロアとカイは乗務員に無断で3機のクリスに手を加える。クリスは色がグレーから真紅に変わる。クリスタの機体は魔術回路とのシンクロ率のリミッターが外されている。
 さらに3機ともモーターがチューンアップされてパワーが通常のクリスより大きくなっている。
 2週間のシミュレーション訓練でパイロットは6人の候補の中からクリスタ・ランセルを筆頭にレオン・ギルベルト、デニス・ハイドリヒが選ばれる。残った3人は予備のパイロットになる。
 この間に、他の団員は空中戦闘艦セレーネの持ち場が決められそれぞれ乗員に操作を教えられる。
 そして、乗員は、空中輸送艦の乗り込むと台北へ帰って行く。
 ブルーノとクルトは、ハンティング・ウルブズの軍備が増強したことについて相談する。彼らは、自分たちの立場について考える。
 空中戦闘艦を所有して、4機も人型兵器があることは、フィクサー並みの軍備を持つことになる。
 当然彼らに目を付けられる可能性が高い。敵対しないという立場を示すためにタウンズビル軍基地のアルミン司令官と良好な関係を持つことにする。
 ブルーノは、空中戦闘艦を入手した経緯についてアルミンに連絡することにする。彼らはアルミン司令官なら理解が得られると思ったのだ。
 そして、セレーネの運用訓練のため、タウンズビルのエリア外で訓練することに決める。そこでは、ワルカとクリスの模擬戦を行うことにする。

 エリア29を発った空中輸送艦が台北に到着して、情報がレーガに報告される。
 「奴らはうまく使えるでしょうな。」「すでにパイロット1名がクリスを実戦レベルで動かせるらしい。」
 「それはすごいですな。ワルカのパイロットと言い、人材に恵まれているようだ。」「ハンティング・ウルブズは、フィクサーとどんな関係になるでしょうな。」
 「フィクサーは面白くないでしょう。」「小競り合いで、ハンティング・ウルブズにフィクサーが負けると面白くなりそうですな。」
 「ハンティング・ウルブズが勝ちすぎるのも良くない。」「バランスが重要ですか。」

 アルミン司令官はブルーノから手紙で武器供与の件の連絡を受け、タウンズビルの市長に面会する。アルミンは市長に言う。
 「ハンティング・ウルブズと言う傭兵団が空中戦闘艦を手に入れました。」「その件は知っているよ。」
 「どこからの情報ですか。」「それは言えないな。彼らは我々のために動いてくれるだろう。軍の面目が立たないかもしれないが大目に見てやってくれ。」
 「彼らのことは理解しているつもりです。彼らはどこから武器を手に入れたのですか。」「それは、君が知らなくていいことだよ。」
アルミンは市長にレーガの影を見る。アルミンはカルフォルニア基地に情報を送る。情報はフィクサーのも伝わる。
 ナンバー8のケヴィン・クラッセンがナンバー7のアレクシス・ハイゼに言う。
 「タウンズビルの自警団、空中戦闘艦を手に入れたらしいぞ。」「連中は今、傭兵団だ。」
 「放っておいていいのか。このままでは手に負えなくなるぞ。」「傭兵団は、フィクサーの管轄ではない。」
 「今のうちにつぶしておいた方が良いと思うんだが。」「理由もないだろ。我々はこの件では動けないぞ。」
ケヴィンは不機嫌になる。彼はまだ、タウンズビル基地でワルカに負けたことを根に持っている。
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