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第7章 王都への帰還

第8話 リヒャルト王の怒り

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 カロリーネは軍を引き連れて王都の近くの丘に陣を張る。彼女の軍は、ボドリヤール伯爵の軍とバレーヌ伯領の軍が前衛を固め、右翼にモンレルラン伯爵の軍、左翼にルマール男爵の軍が固めている。俺とアニタ、アネット、ローズ、ポールは遊兵としてカロリーネの近くに控える。ナツキは男に囲まれてやる気をなくしている。
 カロリーネは文を持たせた使者を王都へ送り出す。使者は馬で門の前まで行くと大声で言う。
 「我はカロリーネ様の文を持ってきた。リヒャルト王にお渡し願いたい。」
門を守る兵が使者から文を受け取る。文はリヒャルトの元に届けられる。リヒャルトは文を読むと震えだす。
 「王にあっては、直ちに退位し王位を譲られたい。」
 「王都の門を開いて直ちに囚われの民を開放せよ。」
 「集めた軍勢にあっては、ただちに解散すべし。」
 「要求をのめば、人身売買の罪を問うだけであとは不問にしよう。」
すでに戦いに勝ったような内容にリヒャルトは怒る。彼はサヴォア伯爵以下の貴族を呼び出し、直ちにカロリーネの軍を攻めるように言う。サヴォア伯爵はリヒャルトの怒りを抑えようとする。
 「リヒャルト様、籠城の予定ではありませんでしたか。これは罠です。」「我が娘だが、許せん。せめて首を取ってくるのだ。」
 「負けたら我々は破滅ですぞ。」「チョチョリクンのことは考えてある。今は攻めるのだ。」
サヴォア伯爵はリヒャルトをチョチョリクンの首領としては優秀だったが、戦の采配はなっていないと考える。しかし、王の命令であるので動くしかない。
 サヴォア伯爵は仲間のヴォーデモン男爵と作戦を立てる。彼らは士爵の軍の軍を前面に出し、士爵の軍が敵の前衛とつぶし合った後、自分たちの軍で本陣を攻める作戦を立てる。
 右翼にはバスラー男爵の軍、左翼には国王配下の騎士たちを配置する。
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