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第7章 王都への帰還

第7話 国王軍

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 王都ではリヒャルトがカロリーネの軍を待ち構える準備を進めていた。しかし、人身売買をしていたという事実にこれまで仕えていた臣下の一部が自分の屋敷に病気などを理由にして引きこもってしまっている。
 国政が滞りがちになっている中、使える者は全て使う姿勢で軍備を整えていく。その中でリヒャルトの招集に応じない騎士たちがいる。旧リッシュ子爵領の管理を任せた騎士たちだ。
 彼らはリヒャルトの連絡に応じず、相談をする。
 「このままカロリーネ様の所に向かうか。」「我らは少数だ。戦闘が始まってから国王軍の横っ腹に食いつこうではないか。」
 「国王軍の振りをして、近づき戦果を挙げるのだな。」「これならカロリーネ様に土産が出来るぞ。」
騎士たちの思惑を知らないリヒャルトは、騎士たちの動きの鈍さに腹を立てていた。
 リヒャルトの元には、サヴォア伯爵の軍、ヴォーデモン男爵の軍、バスラー男爵の軍の他、戦果を挙げて出世を狙う士爵の軍が集まって来た。リヒャルトは多くの貴族が動かないことに自分の名が地に落ちたことを悟る。
 だが、王位をまだ誰にも譲る気はない。ボドリヤール伯爵、バレーヌ伯領、モンレルラン伯爵、ルマール男爵がカロリーネの軍に加わっていることは知っている。
 しかし、カロリーネは自分の軍を持っていない。軍の数ではカロリーネの軍に勝っている。それに王都は城壁に囲まれた要塞都市である。
 リヒャルトはカロリーネに後れを取るとは考えていない。勝利すれば、自分は騙されて人身売買に加担していたとしてトカゲのしっぽ切をすればうまくいくと考える。
 彼は王都にある自分の軍と徴兵した者たちが自分のために戦うと信じていた。そのさなか旧リッシュ子爵領の管理を任せた騎士たちが王都へ帰って来る。
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