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第5章 勇者一行
第20話 聖剣のありか
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俺たちは、ローズの案内で進んで行く。空の高いところをワイバーンが旋回して俺たちを見張っている。邪魔だがワイバーンの所まで届く攻撃方法がない。
ローズがみんなに言う。
「聖剣の所へ行ったら戦闘が始まると思うから覚悟しておいて。」「お姉様、疾風のアドラとはどんな魔族ですか。」
「ワイバーンを好んで使役するとしかわからないわ。」「では、疾風のアドラでない可能性もありますね。」
「そうね。私は他に思いつかないけど。」「他に情報はないのですか。」
「アニー、あなたはどうなの。」「疾風のアドラは、風を操ると文献に書いてありました。」
「他にはどお。」「人間との交戦記録がありませんでした。」
「アニーはどう思いますか。」「名を知られているということは人間に被害を与えているはずです。なのに記録がないのは、戦って生き残った人がいないためだと思います。」
「そうですね。情報がありません。カスパー様はどうですか。」「私の故郷の村では、疾風のアドラに会ったら地中へ潜れと言われていました。」
「どういうことですか。」「分かりません。村は子供の時に氷獄のエスエに滅ぼされていますから。」
俺はカスパーの言葉を考える。地中に潜れとは、疾風のアドラが地上にあるものすべてを滅ぼしてしまうからだろうか。考えてもイメージがわかない。
ローズは俺たちをラキ村に案内する。街に近い大きな村だ。村の中は、魔物の襲撃とは無縁のようなのんびりした雰囲気である。
ローズは墓地へ行く。その中に立派な墓がある。ローズが説明する。
「これは前の勇者一行のメンバーで、勇者の恋人だった人の墓よ。遺体は魔王の攻撃で消えてしまったから形だけの墓よ。」「それにしては大きいですね。」
「墓石を移動させれば分かるわ。」
アヒムとベント、ベルンが墓石をずらす。墓石の下には地下に降りる階段があった。俺はローズに聞く。
「この中に聖剣があるんですね。」「そうよ。」
ローズが答えると突然ワイバーンが襲って来る。エック、エマ、ヨーゼフがファイアーランスを撃ち込み、ワイバーンは地面に落下する。
さらに4匹ワイバーンが向かってくる。魔法士のファイアーランスの飽和子撃で4匹は燃えて灰になる。
「やるわね。私のかわいい子たちを殺してくれたわね。」
声のする方を見ると墓地の中に妖艶な女性が立っている。着ている空色の服は体に密着して美しいボディーラインを強調している。ナツキが反応する。
「お姉さんきれいだね。名前教えてよ。」「私はアドラよ。人は疾風のアドラと言うわ。」
「アドラちゃんか。付き合ってよ。」「生き残れたら考えてあげるわ。」
アドラの周りが風で渦を作りだす。渦は瞬く間に大きくなって天まで届く。
ローズがみんなに言う。
「聖剣の所へ行ったら戦闘が始まると思うから覚悟しておいて。」「お姉様、疾風のアドラとはどんな魔族ですか。」
「ワイバーンを好んで使役するとしかわからないわ。」「では、疾風のアドラでない可能性もありますね。」
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「アニー、あなたはどうなの。」「疾風のアドラは、風を操ると文献に書いてありました。」
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「アニーはどう思いますか。」「名を知られているということは人間に被害を与えているはずです。なのに記録がないのは、戦って生き残った人がいないためだと思います。」
「そうですね。情報がありません。カスパー様はどうですか。」「私の故郷の村では、疾風のアドラに会ったら地中へ潜れと言われていました。」
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俺はカスパーの言葉を考える。地中に潜れとは、疾風のアドラが地上にあるものすべてを滅ぼしてしまうからだろうか。考えてもイメージがわかない。
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「墓石を移動させれば分かるわ。」
アヒムとベント、ベルンが墓石をずらす。墓石の下には地下に降りる階段があった。俺はローズに聞く。
「この中に聖剣があるんですね。」「そうよ。」
ローズが答えると突然ワイバーンが襲って来る。エック、エマ、ヨーゼフがファイアーランスを撃ち込み、ワイバーンは地面に落下する。
さらに4匹ワイバーンが向かってくる。魔法士のファイアーランスの飽和子撃で4匹は燃えて灰になる。
「やるわね。私のかわいい子たちを殺してくれたわね。」
声のする方を見ると墓地の中に妖艶な女性が立っている。着ている空色の服は体に密着して美しいボディーラインを強調している。ナツキが反応する。
「お姉さんきれいだね。名前教えてよ。」「私はアドラよ。人は疾風のアドラと言うわ。」
「アドラちゃんか。付き合ってよ。」「生き残れたら考えてあげるわ。」
アドラの周りが風で渦を作りだす。渦は瞬く間に大きくなって天まで届く。
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