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第5章 勇者一行

第9話 旅の初夜

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 アネットは、旅が始まって早々にナツキに文句を言う。
 「勇者様、あなた何を考えているの。」「もちろん君のことだよ。」
 「旅に出るのに町娘を夜を共にしたそうね。」「いや~、仲良くなっちゃって、一緒に寝たんだ。」
アネットは顔を赤くして言う。
 「不潔です。」「そんなことないよ。何なら今夜俺と寝る?」
 「絶対に嫌です。」「今夜誰と寝ようかな。」
俺は悪寒を覚える。
 「アニエスちゃん、今夜一緒に寝ない。」「寝ません。旅の女性メンバーにナツキと寝ようとするもの好きはいません。」
 「そんな、俺1人じゃ寝られないよ。」「安心しろ。俺が一緒に寝てやる。」
アヒムが快く申し出る。ナツキは急に黙り込み涙を流す。
 「そうか、泣くほどうれしいか。」
アヒムはうれしそうに言う。今回の旅は馬車ではなく歩きである。当然野宿の回数は増える。初日の夜が来る。
 俺たち女性陣は、ナツキ対策として固まって寝ることにする。俺はローズとアニタの間で寝る。これは俺にとってご褒美である。
 旅の間はナツキのおかげでアニタ、アネット、ローズに囲まれて寝ることが出来て幸せだ。
 そんな中、女神テイアが俺に聞いて来る。
 (勇者は使えるようになった?)(剣の腕は国内でもトップクラスです。魔法は私に及びませんが上級に近い腕前です。)
 (よくやりました。それで性格はどうです。)(最悪です。女の子としか考えていません。)
 (困りましたね魔王ミームは美少女ですよ。)(私たちで倒します。)
 (それはいけません。勇者が聖剣で魔王を倒すことが重要なのです。)(聖剣ですか。いらないのでは・・・)
 (勇者が聖剣を持つのは当たり前でしょ。持っていないのですか。)(あとでとりに行く予定です。)
 (今すぐ聖剣を取りに向かいなさい。)(できません。今、殺されそうな人々がいるのです。)
 (多少の犠牲は仕方ありません。聖剣を優先しなさい。)(できません。それでは勇者は動きませんよ。)
 (使えない導き手ですね。)(頼んでなった覚えはありません。)
 (いいでしょう。魔王と戦う前に聖剣を手に入れるのですよ。)(・・・・・)
聖剣は、前の勇者が使った、ただの業物の剣だ。なぜ、女神も王も聖剣にこだわるのだろう。
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