勇者がアレなので小悪党なおじさんが女に転生されられました

第5章 勇者一行

第5話 アネットの参加

　アネットは俺を見つけて驚く。
　「アニー、どうしているの。」「もちろん会いに来たのよ。」
　「あなたが用件は勇者がらみね。」「ええ、コルトバの調査は進んでいるの。」
　「生存者から聞き取りをしているわ。」「次、コルトバと戦うことになるわ。」
　「あれは魔法士には厄介な相手よ。」「どういうこと。」
　「おそらく強力な魔力を持っているでしょうけど、剣を使って戦うことを好むみたいだわ。」「アニタの出番ね。」
　「でもアニタは魔法を使えないから苦戦するわよ。」「剣と魔法を使うわけね。」
　「私はそう考えているわ。」「なら、勇者に前面に出てコルトバと戦ってもらうわ。」
　「あの勇者使えるの。」「剣はアニタと互角で、魔法は上級の及ばないけど使えるわ。」
　「心を入れ替えたのかしら、少しはましになったの。」「いいえ、女のためなら何でもするわよ。」
　「あ～あ、だめか。」
アネットはため息をつく。彼女は勇者と恋仲になる目標があったが、出てきた勇者がアレなので落ち込んでいるのである。
　「ネティー、勇者一行に加わってくださいね。」「他には誰をスカウトするの。カスパー様と「アニエス様をあがめ隊」です。」
　「「アニエス様をあがめ隊」は魔王に立ち向かえるの。」「彼らは勇者を鍛える時に自分たちも鍛えたから強くなっているわ。」
　「分かったわ。参加するわ。」「ありがとう。助かるわ。」「アニーの頼みは断れないものね。」
アネットは調査を中止して王都に帰ることになる。俺はアネットが二つ返事で加わってくれると考えていた。
　それでも俺はアネットが加わってくれてホッとする。強力な敵と戦う時にはアネットの協力は不可欠だからである。