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157話 九郎、眠り込む

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 今回の夕食で一久は酒を飲み過ぎることはなかった。夕食が終わると九郎たち3人はアパートへ帰って行く。
 アパートに帰ると九郎は風呂に入る。すると玉枝とあやめが風呂に入ってきてじゃんけんでどちらが九郎の体を洗うか決める。
 今回はあやめが権利を勝ち取る。彼女は恥ずかしいのか赤くなりながら九郎の体を洗う。九郎はあやめに言う。
 「あやめ、玉枝さんに張り合って無理していない。」「無理なんてしていないわ。九郎のそばにいたいだけだよ。」
 「ならいいのだけど。」「九郎こそ、玉枝さんと2人きりになりたいんでしょ。」
 「そんなことないよ。」
九郎にとってあやめの存在はありがたかった。玉枝と2人きりになれば気まずい雰囲気になるかもしれない。
 それでも好きな女性2人と一緒に生活するのは、九郎にとって気疲れを引き起こしている。
 彼は、風呂から出ると疲れが出てベットに入り寝る。玉枝が添い寝をするとあやめも添い寝する。
 九郎は、昨夜2人の色香に耐えるため寝付けられなかったためか、すぐに眠りに落ちる。
 玉枝は、九郎をいとおし気に見る。あやめは昨夜に続いて今夜も相手をしてくれないので少し気分が良くない。
 あやめは九郎に抱き着くが、彼は目を覚まさない。玉枝があやめに言う。
 「あやめちゃん、九郎ちゃんは疲れているから、今夜は寝させてあげて。」「玉枝さんは九郎のこと知り尽くしているようなこと言うんですね。」
 「私は九郎ちゃんのこと考えているだけよ。」「私も九郎のこと考えています。」
 「だったら、九郎ちゃんが疲れて寝ていること分かるでしょ。」「分かっているわよ。でも九郎、添い寝しているのに触ってもくれないのよ。」
あやめは泣き出す。玉枝は困った顔をして言う。
 「今夜は2人きりにしてあげるから鳴くのはやめて。」「玉枝さんはどうするの。」
 「散歩でもしてくるわ。」「玉枝さん、ごめんね。」
玉枝はアパートを出て夜の散歩を始める。
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