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139話 恐怖

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 九郎がクラブ棟に着くと、クラブ棟からは霊とは違う妖のようなものが湧き出してきている。
 それを水鏡と2人の陰陽師が式の鬼を使って退治している。九郎が水鏡に声をかける。
 「これは何ですか。」「魍魎だ。元凶を断ちたいがここで防ぐだけで手いっぱいだ。手を貸してくれ。」
 「分かりました。玉枝さんお願いします。」「九郎ちゃんのお願いならお安い御用よ。」
玉枝は9つの燐火を作りだすとクラブ棟から出てくる魍魎を燐火で燃やし尽くす。
 その隙に水鏡たちはクラブ棟に突入する。クラブ棟の中は倒れた人がおり、パニック状態であった。
 水鏡たちは魍魎を退治しながら3階を目指す。
 クラブ棟の外は、玉枝が燐火で魍魎を退治して落ち着く。九郎が玉枝に言う。
 「僕たちも3階のオカルト同好会へ行こう。」「九郎ちゃんやめた方がいいわ。任せておきましょ。」
 「きっと中は大変なことになっているよ。ほっとけないよ。」「いつから首を突っ込むようになったの。らしくないわよ。」
 「でも。」「落ち着いて。」
 「分かったよ。」「ここで待ちましょ。」
九郎はいつも危ないことは避けてきた。しかし、今日は進んで渦中に入ろうとしてしまった。
 玉枝がいるから気が大きくなっていたのだろうか。彼女がいるから・・・
 水鏡たちは、3階に近づくにつれ魍魎が多くなっていることに気づく。
 そして、3階に上がると異様な気配に気づく、水鏡は、腹の底が冷たくなるのを感じる。彼は自分が恐怖を感じていることに気づく。
 陰陽師の1人が言う。
 「これを相手にするのか。」
彼の手が震えている。もう1人も険しい表情をしている。そして、覚悟を決めたように言う。
 「ここで私たちが止めないと大変なことになるぞ。」「分かっている。命がけだな。」
 3人は魍魎を退治しながらオカルト同好会の部室に向かう。
 魍魎の数が多いが3人は退治しながら着実に近づいていく。彼らはここまで来るまでにかなりの精神力を削っている。
 そして、部屋にたどり着く、すると開け放たれた扉から黒い雲かスライムのようなものが湧き出してくる。これにはうつろな目がいくつもあり3人を見る。
 3人は、とっさに九字を切る。
 「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・前・行」
湧き出したものがはじける。しかしそれは一部でしかない。部室はそれで満たされている。
 水鏡が言う。
 「これ呪いですよね。物質化していますよ。」「この中に呪物があるぞ。」
3人は、紙の札を飛ばし鬼を作りだすと呪いの中に突っ込ませる。目標は呪物である。
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