上 下
133 / 175

133話 ドキドキは止まらない

しおりを挟む
 九郎たちは、大学を出て家路につく。九郎はスーパーまで来るとあやめ、つよし、美琴と別れる。
 彼はスーパーで玉枝が指示するまま食材をかごに入れて買う。そしてアパートに帰る。
 玉枝が夕食の支度を始める。九郎は口数が少ない玉枝に違和感を感じるが、自分も玉枝を妙に意識しているため声をかけられずにいる。
 彼女は料理ができるとテーブルに並べる。ぶりの照り焼きになめこの味噌汁である。
 九郎は「いただきます」をして食べ始める。彼は玉枝に言う。
 「このぶり、脂がのっておいしいよ。」「よさそうだったから、ぶりにしたのよ。」
 「玉枝さんの目利きはすごいよ。」「前の生活で鍛えたのよ。」
 「前に一緒に暮らしていた人に感謝しないといけないな。」「私への感謝も忘れないでね。」
九郎は、夕食が終わると風呂に入る。玉枝も入って来る。九郎は玉枝の姿に驚いて言う。
 「玉枝さん、なんでバスタオル巻いているの。」「おかしかったかしら。」
 「そんなことないけど、これまで全裸だったから。」「裸の方が良かった。」
 「バスタオルを巻いてくれた方がいいよ。」「なら、良かった。」
玉枝は九郎の体を丁寧に洗い始める。九郎はこれまで全裸だった玉枝がバスタオルを巻いているのでなんだか恥ずかしくなる。
 九郎が風呂から出ると、玉枝はネグリジェ姿になるはずだった。しかし、彼女はピンクのパジャマを着ている。
 九郎は玉枝に言う。
 「玉枝さん、何かあったの。」「あったとかいうか・・・何もないよ。」
 「どうしてパジャマ着ているの。」「脱げというの。」
 「そんなこと言っていません。」「なら、いいでしょ。」
 「急にパジャマ着たりして、僕が何かした?」「なにもないわよ。」
 「玉枝さん、変だよ。」「恥ずかしいのよ。」
玉枝は顔を赤らめる。九郎は顔を赤らめて恥ずかしがる玉枝をかわいいと思ってしまう。
 彼は固まる。「えっ」玉枝さんかわいいよ。かわいい女子と2人きり、どうしよう。これまで美人だったけど大丈夫だったよな。
 これまでどうしていたっけ。そうだ怨霊。彼女は怨霊、彼女は怨霊、彼女は怨霊・・・かわいい怨霊。違う、違う。
 九郎は何か気まずいので寝ることにする。彼がベットに入ると玉枝が入って来る。彼は限界を感じる。
 このままいつものように抱き着いてきたら耐えられそうにない。
 しかし、玉枝はベットに入っても抱き着いてこなかった。九郎に背中を向けて寝ている。
 九郎は玉枝の色香に耐える必要はなかった。それなのに彼のドキドキは止まらない。
 彼は朝まで一睡もできなかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

これ以上ヤったら●っちゃう!

ヘロディア
恋愛
彼氏が変態である主人公。 いつも自分の部屋に呼んで戯れていたが、とうとう彼の部屋に呼ばれてしまい…

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

社長の奴隷

星野しずく
恋愛
セクシー系の商品を販売するネットショップを経営する若手イケメン社長、茂手木寛成のもとで、大のイケメン好き藤巻美緒は仕事と称して、毎日エッチな人体実験をされていた。そんな二人だけの空間にある日、こちらもイケメン大学生である信楽誠之助がアルバイトとして入社する。ただでさえ異常な空間だった社内は、信楽が入ったことでさらに混乱を極めていくことに・・・。(途中、ごくごく軽いBL要素が入ります。念のため)

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

処理中です...