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91話 老人の依頼

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 一久は老人に用件を聞く。
 「どうされましたか。」「突然の訪問、失礼します。蛇抜じゃぬきと申します。相談があって来ました。」
 「どのような話ですか。」「私の村の蛇神様についてです。」
 「分かりました。拝殿でお話を伺います。」「お願いします。」
蛇抜と名乗る老人は拝殿に向かう。一久は一旦居間へ戻る。彼は九郎と玉枝に言う。
 「依頼人が来たんだけど、一緒に話を聞いてくれないか。」「分かりました。」「私も一緒に行くわ。」
あやめが話に加わる。
 「あやめ、どうしたの。」「今日は九郎と一緒にいる日でしょ。」
 「そうだった。ごめん。」「悪いのは、お父さんだからいいのよ。」
あやめも一緒に拝殿へ行くことになる。九郎たちが拝殿へ行くと蛇抜が待っている。一久は蛇抜に言う。
 「お待たせしました。蛇神様のお話でしたね。」「はい、私は月ヶ瀬つきがせ村からきました。月ヶ瀬という沼には蛇神様がいるのですが異変が起きているのです。」
 「何が起きているのですか。」「沼が干上がってから体調を崩す村人が多く出ています。」
 「医者に見せたのですか。」「医者は原因不明だというのです。」
そこへ玉枝が発言する。
 「瘴気のようなものを感じませんか。」「村人の中には、悪寒がするという者がいます。」
 「五郎丸ごろうまるという鬼の言い伝えはありませんか。」「なんで五郎丸のことを知っているのですか。」
 「月ヶ瀬村には訪れたことがあります。」「そうですか、五郎丸は蛇神様に封印されたと言われています。」
 「五郎丸の封印が弱まっているのかもしれません。」「蛇神様はどうされたのでしょう。」
 「行って調べるしかありません。」
一久が玉枝に言う。
 「この話、手に負えるのかな。」「厄介ですが何とかなります。」「本当ですか。村の者は助かるのですね。」
 「分かりました。明日、月ヶ瀬村へ行きます。」「お願いします。」
一久は依頼を受けることにする。蛇抜は村へ戻って行く。一久は玉枝に言う。
 「玉枝さんは、今回のこと分かっているんだね。」「おそらく、蛇神様に力が弱まって、五郎丸が復活しようとしています。」
彼女は昔あったことについて話し始める。九郎は今回の依頼は嫌な予感がしている。しかし、心の中で玉枝がついているので大丈夫だと言い聞かせる。
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