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76話 霊能力者

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 焼肉屋へ行った翌日、両親は、あやめを買い物に誘う。典子があやめに言う。
 「社本さん、急だったから服無いでしょ。買いに生きましょ。」「着替えありますから。」
 「そんなこと言わないの。私たちに買わせてちょうだい。」「いいのですか。」
 「男の子だと張り合いないのよ。遠慮しないでね。」「ありがとうございます。」
九郎たち4人はショッピングモールへ行く。義郎は本当に1週間仕事を休むつもりのようだ。
 あやめと典子は、婦人服売り場へ行く。九郎は義郎と通路のベンチに座っている。義郎が九郎に言う。
 「おまえが本当に彼女を連れてくるとは思わなかったよ。」「僕もあやめと付き合えたのは奇跡のようだよ。」
 「将来、結婚するのか。」「まだ先の話だよ。」
 「向こうのお父さんはそんなに待ってくれないぞ。」「なんていっていたの。」
 「九郎のことを、あやめさんのお婿さんだって町内に言っているらしい。」「ああ、祭りの時、氏子の人たちが言っていたよ。」
 「これは結婚するしかないな。」「あやめの意見もあるし、まだ早いよ。」
 「まあ、九郎たちが決めることだがな。」
2人が話していると少し離れたところから30代前半の男が九郎の方を見ている。
 玉枝が九郎にだけ聞こえるように言う。
 「あの男、霊能力者よ。」「玉枝さんに気づいているかな。」
 「ええ、気づいているわ。」「何かしてくるのかな。」
 「分からないわ。」
九郎が小声で話していると義郎が九郎に言う。
 「さっきから、何ぶつぶつ言っているんだい。」「僕何か言っていた?」
九郎はとぼける。男が近寄ってくる。そして、九郎たちに話しかける。
 「失礼します。最近、変わったことはありませんでしたか。」
義郎が男に答える。
 「よく、分かりましたね。息子に彼女が出来たんです。」「それは美人さんですか。」
 「はい、そこの店の中で買い物をしています。」「そうでしたか。見間違えのようでした。失礼します。」
男は九郎の方を見ると去って行く。義郎が九郎に言う。
 「何かのセールスだったのかな。」「霊感商法とかじゃないの。」
九郎が義郎に答える。玉枝が九郎に言う。
 「あの霊能力者、私を見たわ。」「でも、行っちゃったよ。」
 「そうね。まあ。私にはかなわないわよ。」
九郎は、トラブルにならなければいいと考える。
 あやめは3セット服を買ってもらう。彼女は家に帰ってからお披露目会が待っていることを知らない。
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