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58話 夏の部活、出発

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 大学が夏休みになり、7月13日の朝が来る。ハイキング部の活動に出かける日である。
 九郎が目覚めると玉枝が彼を抱き枕にするように抱き着いている。
 これまでは、腕に抱き着く程度だったが、今朝は九郎にとって色欲を抑えるのにかなり努力を必要とする。
 九郎は、抜け出ようとするが玉枝はしっかり抱き着いている。彼は玉枝を起こすことにする。
 「玉枝さん起きてください。」「目覚めのキスがないわ。」
 「起きているじゃないですか、離してください。」「うれしいくせに、たまには正直になったら。」
玉枝の柔らかい肌が当たって気持ちいいが、相手は怨霊である。
 九郎は、「これは怨霊」「これは怨霊」・・・と唱えて色欲を退散させる。
 彼は強引に起き上がる。玉枝はベットの上に、仰向けになって言う。
 「九郎ちゃん、そんな乱暴しないで。」「誤解されるようなこと言わないだください。」
 「でも下半身は正直よ。」「生理現象です。」
九郎は赤くなって言う。玉枝はからかい終えて満足したのか、起きてきて言う。
 「朝食作るわね。」「お願いします。」
玉枝は朝食を作るとテーブルに並べる。
 フレンチトーストとオムレツ、サラダである。
 九郎は「いただきます」をして食べ始める。玉枝が料理の出来を聞く。
 「お味はどお。」「おいしいよ。」
九郎は朝食を食べ終えると着替える。玉枝もネグリジェから服を変える。
 白色Tシャツにデニムのショートパンツである。
 九郎と玉枝は、あやめの家に向かう。玄関のインターフォンを鳴らすと一久が出てくる。
 「おはようございます。」「おはよう、九郎君、玉枝さん、今日はあやめを頼むよ。」
 「分かりました。」「昨日は、あやめが・・・」
話の途中で一久は中に引きずり込まれる。代わりにあやめが出てくる。
 「おはよう、行きましょう。」「お父さん大丈夫。」「何のこと?」
あやめは隠し通すつもりでいる。
 「お父さんより、部活楽しみね。」「そうだね。」
九郎は玄関で倒れる一久が気になるがそのままにしておくことにする。
 3人はバス停からバスに乗り駅に向かう。
 駅に着くと駅前のロータリーには、すでにつよしと美琴、部長が来ている。部長が玉枝に言う。
 「玉枝さん、きれいです。」「ありがとう。」
玉枝の周りに男子部員も集まりだす。まるで玉枝の色香に誘われているようだ。つよしが九郎に言う。
 「玉枝さん、お色気がすごいな。」「そうだな。」
九郎は、玉枝がどんな姿になっても色っぽくなるのであきらめている。
 しばらくするとマイクロバスが1台やってくる。ゴールデンウィークには、バスは2台だったが参加部員が減り、1台になっている。
 マイクロバスには、先輩が2人乗っている。みんなバスに乗り込むが玉枝の隣の席は部長が座る。
 バスは宿泊地のロッジに向けて走り出す。
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