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53話 告白

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 九郎は昨晩はなかなか眠ることが出来ずに寝過ごす。彼は呼吸が出来なくなり目を覚ます。顔の前に手をやると柔らくて弾力ある感触がある。
 玉枝が覆いかぶさり、二つの大きなふくらみが九郎の顔を覆っていた。九郎は玉枝に言う。
 「殺すつもりですか。」「九郎ちゃん、なかなか起きないからサービスしたのよ。」
美女の極上のサービスだが、九郎には有難みは薄い。テーブルの上には朝食が置かれている。
 カルボナーラとかぼちゃのスープである。
 九郎は、朝食を食べると急いで着替える。玉枝もネグリジェから服に変える。
 ゆったりとした白いシャツにデニムのスカートである。
 するとインターフォンが鳴る。ドアを開けるとあやめが立っている。
 「おはよう、九郎、玉枝さん。」「おはよう。」「あやめちゃん、おはよう。」
 「あやめ、話があるんだけど。」
九郎は真剣な顔で言う。あやめは九郎の家に入るとテーブルの前に座る。九郎はあやめに向かい合って座る。
 「話って何?」「その・・・」
 「どうしたの。」「僕たち、仲が良いと思うんだ。」
 「そうね。」「だから、付き合ってください。」
 「どこへ行くの。」「違うよ。好きだから、彼女になって欲しい。」
あやめは首をかしげる。九郎はかわいいと思う。
 「私たち、付き合っていなかったの。」「そういうわけじゃないんだ。」
あやめは上目遣いで言う。
 「今さら何を言うの。」「はっきりさせたいんだ。全力で幸せにするから、付き合ってください。」
 「はい。」「いいの。」「今更、遅いわよ。私は九郎の彼女のつもりだったんだから。」
 「本当、うれしいいよ。」「私もうれしいわ。」
 「大学遅れるわよ。」
玉枝が2人の甘い時を壊す。2人は慌ててアパートを出る。玉枝は気配を小さくして見えなくなる。
 九郎とあやめは、歩いて大学へ行く。遅くに着いたため、つよしと美琴は教室に入ったようだ。
 教室に行くとつよしと美琴がいる。九郎が座るとつよしが言う。
 「九郎、機嫌がよさそうだけど何か良いことあったか?」「あやめと付き合うことになった。」
 「おまえら、もう付き合っているだろ。」「今朝、告白したんだ。」
 「今更だろ。」「そうか。」
つよしは、九郎ののんびりした態度にあきれる。
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