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第347話 地球国家成立

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 フレイムランドの経済の中心は、ゲートタウンになっている。浮島には王宮があり、政治の中心となっているが最低限の人々が暮らしているだけである。
 地球再生の進行は、浮島の状況を変えつつある。必要な資材の搬出のために浮島が重要な拠点となっている。
 このため、浮島に流通が戻り、人口が増えてきている。地球の開発が進むほど浮島は賑わいを増している。
 地球では各地に都市が作られ始めている。その資材や機械が浮島から運び出されているのだ。
 それに伴い、地球へ移住するものが増えている。幹部会では、いずれ地球に国家が成立すると仮定して軌道上にあるヘルヘイムと宙域防衛艦14隻の処遇について検討されることになる。
 ティグラトが提案する
 「地球に国家が成立するとヘルヘイムと宙域防衛艦の存在が問題になります。」「確かに強力な武器を装備していますから脅威になるでしょう。」
ドニィーシャが続ける。
 「新しい国家に譲りますか。」
アマルが聞く。
 「それでは、浮島の脅威になります。」
アサドが懸念を示す。
 「破壊してしまえばよいじゃろ。」
アピルが言う。
 「宇宙を新しい国家に渡すのですか。」
アーリィが聞く。
 「今のフレイムランドは、異世界が本体だから構わないでしょ。」
サイーシャが言う。俺はみんなに聞く。
 「ヘルヘイムと宙域防衛艦は、破壊することでいいかな。」
反対の意見が出ないのでヘルヘイムと宙域防衛艦は破壊することになる。
 70年ぶりに、スクルド、スコーネ、グローサが動き出す。スクルドの艦長はアデルから代わり4代目のアロイス・グートハイル艦長になる。
 今回はヘルヘイムと14隻の宙域防衛艦の爆破である。3隻は軌道上に出るとヘルヘイムと4隻の宙域防衛艦に作業員を送り込む。
 そして、ヘルヘイムと4隻の宙域防衛艦を起動させ、移動を開始する。ヘルヘイムと4隻の宙域防衛艦は小惑星帯の近くまで移動すると停止する。
 ヘルヘイムと14隻の宙域防衛艦の中枢と弾薬庫に爆薬が仕掛けられる。アーシャ艦長が、爆破を指示すると爆発で宙域防衛艦は2つに折れ誘爆を起こす。
 しかしヘルヘイムは装甲が2重構造で頑丈に作られており変化は見られない。アーシャ艦長は、スクルド、スコーネ、グローサにSPA砲の発射準備を指示する。
 スクルドにいるアンドロイドのスクルドが3隻をコントロールする。同調して発射された3発のSPA砲は、ヘルヘイムを消し去る。
 マリア艦長が独り言を言う
 「これがグローサの最期の仕事かもしれないな。」
マリアたちがムーラーと戦ったのは70年も前の話なのである。
 ヘルヘイムを破壊してから30年後、つまりムーラーとの戦闘が終わってから100年後になる。地球では、各地の都市から代表者が東京に集まり、国家の成立について話し合いが行われる。
 1か月近く話し合いが行われる。結果、都市の連合体としての国家が成立する。
 その国家はアースランドと名付けられる。俺はフレイムランドの王として、国家の成立を祝福する。
 フレイムランドとアースランドの国家間の条約等の調整は、サイーシャとアピルが行う。
 まず、不可侵条約が制定され地球側は浮島を省いてアースランドの統治となる。当然、宇宙についてもフレイムランドの船はアースランドの許可なくして行くことはできない。
 ドニィーシャは俺に言う
 「地球を手放してよかったんですか。」「もう一つ国があった方が変化が出て良いと思うよ。」
 「陛下がそういうのなら構いません。」「これからできる世界が、武器のいらない世界ならいいな。」
俺は、本心から言う。
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