戦場で死ぬはずだった俺が、女騎士に拾われて王に祭り上げられる（改訂版）

第264話 アルビーナたちの戦い

　アルビーナ、シャルロッテ、クラウスは、何人もの神族と遭遇し戦うが、彼らにかなうものはなく苦戦を強いられることもない。
　彼らはビルの上で佇む神族を発見する。神族は警戒している様子もなく、気配も小さい。３人は小物だと判断する。
　３人は、これまでどおり３方から攻撃を仕掛ける。アルビーナとシャルロッテは攻撃の寸前、頭の中に赤色信号がともる。２人はとっさに神族から距離を取る。
　クラウスはそのまま攻撃する。攻撃したはずだったが手にしている刀に手ごたえはない。神族は動かず佇んでいる。
　彼は刀を振りかぶり、神族を切り伏せようとする。神族の左手がゆっくりと上がる。
　これなら先に切れるとクラウスは考えるが彼の刀は動き始めたばかりである。彼の体は神族よりはるかに遅く動いている。
　神族は左手を上げると魔弾をクラウスに撃ち込む。クラウスは胸に大穴を開けられ倒れる。
　アルビーナとシャルロッテは、腹の底に冷たいものが流れるのを感じる。彼女らは、相手の圧倒的強さと恐怖を感じて、逃走を選ぶ。
　２人は分かれて逃走する。これなら、１人が助からなくても、もう１人が情報を伝えることが出来る。
　アルビーナは後ろに気配を感じる。すぐに方向転換をする。彼女はアクセルを使って逃げようとするが足の感覚がなくなる。
　神族に両足を切断されたのだ。彼女は何もできない無力さを感じながら屋根から路地へ落ちてゆく。
　シャルロッテは追われている気配を感じない。このまま仲間と合流すればいいと考える。
　次の瞬間、彼女の体が消し飛ぶ。神族は遠距離から魔弾を撃ったのだ。威力は大きく、周囲の建物ごと吹き飛ぶ。