戦場で死ぬはずだった俺が、女騎士に拾われて王に祭り上げられる（改訂版）

第262話 調査員の最期

　調査に向かった騎士の死の報告より、幹部会が招集される。アサドは主張する
　「直ちにほかの２名を帰還させるべきです。」「まだ、何も情報を得られていません。」
ドニィーシャが言う。
　「フェンリルを使いましょう。」
ティグラトが提案する。
　「とにかく、調査員が危険にさらされています。引き揚げましょう。」
アマルが主張する。
　アピルとサイーシャが賛成して、調査員を引き揚げることにする。しかし、その決定は意味をなさない。
　カミルとレオンは一定の間隔をあけて移動している。どちらかが襲われればすぐにわかるからだ。
　レオンが突然衝撃を受けて、倉庫の壁を突き破り中に落ちる。彼はミスをしていない。
　たた、相手がはるかに上手なのである。彼は何も察することが出来ず攻撃を受ける。
　できることはカミルが駆け付ける時間を稼ぐことである。２人ならあるいはかなうかもしれない。
　レオンが起き上がると黒い影に頭を掴まれ、地面にたたきつけられる。彼の意識が遠のく。彼は時間を稼ぐことさえ許されない。
　カミルが駆け付けると倉庫の壁に大穴が開いている。レオンの気配がない。すでにレオンはやられてしまつたのかもしれない。
　彼は気配を探るが何もない。ただ、体が危険信号を発する。
　カミルは立っていた場所から飛び下がる。彼の目の前を黒い影が通り過ぎる。
　彼は間一髪で攻撃をかわすことができた。だが、二度目はない。
　カミルは構える間もなく蹴り上げられる。彼は地面に落ちる前に顔を掴まれ後頭部を地面にたたきつけられる。
　黒い影はカミルの死亡を確かめると立ち去る。
　数時間後、フレイムランドに調査員の全員の死亡が伝えられる。幹部会には衝撃が走る。
　カミル、レオン、ユリアは騎士の中では腕の立つ方である。その３人がわずかの時間で敵の情報も残さず殺されてしまった。
　これは、かなりの強敵が東京にいることになる。