上 下
259 / 347

第259話 ヘルヘイム発進

しおりを挟む
 機動要塞ヘルヘイムは、内部がいまだ未完成部分がある。しかし、兵器の装備が完了し、エンジンも出来上がっている。
 宙域防衛艦も11番艦から16番艦が完成してドックに配備されている。60機のフレームシリーズも搭載済みである。
 カール司令官はヘルヘイムを木星宙域に向けて発進することにする。
 まだ未完の部分は航行中に建設を進めればいい。宙域防衛艦の残り4隻も後から合流すればよい。
 ヘルヘイムは、月基地の管制に発進許可を求める
 「こちら、月管制、発進を許可します。」「ヘルヘイム、了解。」
カール司令官は指揮する。
 「ヘルヘイム微速前進。」「微速前進了解。」
ヘルヘイムは静かに動き出すカール司令官は無事動き出したことに安心する。
 「各部異常が無いかチェックしろ。」「了解。」
フレイムランドでこれだけ大きい宇宙船を建造したことがない。カール司令官は慎重にヘルヘイムを動かす。
 ユグドラシルはヘルヘイムより大きいがフレイムランドで建造したものではなく、発掘したものである。
 「各部異常がないことを確認。」「いけるな。」「はい、いけます。」
彼は通常航行に移行することに決める。
 「30秒後、通常加速開始。」「了解。」
 「通常加速、開始します。」
ヘルヘイムは木星に向けて加速する。
 「二交代制に移行する。」「了解。」
ヘルヘイムは巨体のため航行速度は遅く木星までは半月を要する。
しおりを挟む

処理中です...