戦場で死ぬはずだった俺が、女騎士に拾われて王に祭り上げられる（改訂版）

第208話 ダバオ湾の戦い７

　エヌルタの傷は回復していく、気配の大きさも変わらない。だが、彼は逃げに転じている。
　彼は決して不利な状況に陥ってわけではない。俺は違和感を感じ、心の中で警報が鳴る。
　スノウビューティーでの追跡をやめる、その瞬間、目の前が真っ白に光る。エヌルタは力をコントロールして収束砲を撃ったのだ。彼は逃走を演じ、射撃ポイントに俺を誘い出している。
　しかし、俺が急に追跡をやめたため、収束砲は外れたのだ。俺はエヌルタが俺と同じように力をコントロールできることを知り、冷や汗がにじむ。
　エヌルタは気配を大きくさせ両手に力の剣を作り出す。俺はスノウビューティーの刀を抜き、刀に力を乗せる。
　エヌルタは俺に急接近して右手の刀を振るう。俺は刀で受け止め、魔力を乗せた盾を彼にぶつける。
　エヌルタはシールドを張り、ダメージを防ぐ。俺はエヌルタを倒す決定打を欠く。

　フレームシリーズと神族の戦いは、終盤に差し掛かっている。フレームシリーズで戦っている機体は２５機と半減している。
　神族も２０人ほどが残っているのみである。ここでサイーシャとティグラトが戦士を率いて参戦する。
　サイーシャは疲弊した神族を魔力の剣で切り裂いていく。サイーシャの後ろはティグラトがカバーし剣で神族を倒す。
　戦士の参戦で神族は全滅する。あとは俺とエヌルタの戦闘だけである。