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第161話 モーリス教諭と魔眼1

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 ある夜、カスパルの町で事件が起こる。魔術学校の女学生の左目が奪われる。その目はただの目ではない魔眼だったのだ。
 騎士団が街の出入りを監視し、事実上町を封鎖する。モーリス・ヴィトン教諭は魔術学校の新しい学長カスパー・バルテンに呼び出される。
 「君は学園の汚職を暴いた実績がある、奪われた目を取り戻してはくれないだろうか。」「これは騎士団の仕事ではありませんか。」
 「しかし、騎士団は手薄だ、手遅れにならないうちに取り戻したいのだ。」「分かりました。」
モーリスは引き受けることにする。モーリスは研究室に戻るとグリゴリーとカロルに話す。カロルはモーリスに言う。
 「危険じゃありませんか。」
グリゴリーも言う。
 「人身売買に加えて魔術がらみだ何が出てくるか分からない。」
モーリスは、2人を危険に巻き込むことはないと考えて言う。
 「君たちは留守番でいいかな。」
2人はハモって言う。
 「やらないとは言ってません。」「何か足りないかな。」
モーリスが2人に聞く。
 「報酬はないんですか。」「それなりの礼は出るのですよね。」
2人は報酬を要求する。
 「分かった、夕食をおごろう。」
2人は手を打つことにする。
 3人は現場に行くと、グリゴリーが魔法陣を描き、過去の出来事を映像化する。
 そして、女学生が襲われるところが映像化される。男3人がかりで女学生を襲っている。酷いやり方にカロルの顔に怒りが浮かぶ。
 モーリスには、その中の1人に見覚えがある。ボニート・ヴェラニーチ、浮島にいる時、魔術具などを闇で扱っていた男だ。
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