戦場で死ぬはずだった俺が、女騎士に拾われて王に祭り上げられる（改訂版）

第138話 サイーシャと剣の訓練

　午後はアピルの講義とサイーシャの魔術戦の訓練を続けている。俺はドニィーシャから勝ちをとったことに実感がもてず、講義に集中できない。
　「ほむら、やる気がないのか。」
アピルが怒って言う
　「アピル様、午前中の練習でドニィーシャに勝ったのですが実感がもてなくて・・・」「そうか、ドニィーシャに勝ったか、夢のようじゃのう。」
　「そうでしょ。」「それで講義に身が入らないか。」
　「すみません。」「ならばサイーシャと剣の訓練をしてみてはどうかな。」
　「サイーシャとですか。」「サイーシャは腕が立つぞ、早速、準備じゃな。」
アピルは勝手に話を進めていく。俺はサイーシャと剣の訓練をすることになる。
　もちろん真剣を使っている。サイーシャは剣を両手に持っている、二刀流らしい。
　俺はゆっくりと近づき間合いに入ると突きを繰り出す。彼女は剣で突きをそらし、もう片方の剣で切りつけてくる。
　俺は最小限の動きでかわすとそらされた剣を切り上げる。彼女は大きく飛び後ろに下がる。サイーシャは言う。
　「随分、腕を上げていますね。」
俺には実感がない、サイーシャと剣を交えるのは初めてなのだ。今度はサイーシャが切りつけてくる。俺は体をさばいてギリギリでかわし、二撃目の剣を剣で撃ち落とす。
　彼女から剣が落ちる
　「陛下、私の負けです。」
サイーシャは跪く。どうも俺は剣の腕が上がったらしい。
　しかし次のサイーシャの魔術戦の訓練はいつもより厳しい。サイーシャは俺に言う。
　「陛下、強くなったんだから、これくらい大丈夫でしょう。」
俺はサイーシャの攻撃に逃げ回ることになる。俺の魔術戦の腕はまだまだである。