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第119話 2人の行く末

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 フロンと加古直美が同棲を始めて数日後、フロンは回復して力を取り戻す。
 「まだ、神って信じてくれないのか。」「神様でいいよ、フロンはフロンだから。」
 「証拠を見せるよ、空の散歩に行こう。」
フロンは直美を外に連れ出すと抱きかかえ空中へ飛び上がる。
 「ええぇぇぇ~」
突然のことに直美が叫ぶ。
 「大丈夫だから。」
フロンは直美を落ち着かせると飛び始める。直美に風が当たらないようにシールドも張る。空を見上げている者がいれば、驚きの光景が目に入るだろう。
 「どお、神って信じた。」「フロンが飛べること知っていたよ。」
直美はフロンが空から降りてきて道路に倒れるのを見ていた。そして、その時の彼に惚れてしまっている。
 「じゃあ、街を潰したら信じてくれる。」「冗談でもやめて。」
 「あなた、神族って言われている人でしょ。」「知っていて、怖くないの。」
 「怖くないよ、一目惚れだから。」「よくわからないな。」
 「一緒にいてくれればいいわ。」「どこ行きたい。」
 「南の島。」
フロンは南に向かって真っすぐに飛ぶ。2人は小笠原諸島まで飛んでいく。そして、一つの島に降り立つ、人の気配はない無人島のようだ。
 2人は夕方まで砂浜で海を見て過ごす。フロンも直美もそれだけで幸せだった。

 直美は会社に勤めている。そして、休みにはフロンが彼女を抱えて飛び日本各地へ行き過ごすことが普通になる。
 時には国外にも行ったがトラブルを避けるため、行く場所は日本国内になる。
 段々、フロンは直美に惹かれていく。2年程で2人は恋人同士になる。
 2人は、直美が先に老いてゆき同じ時間を生きられないことを理解している。それでも2人は一緒にいる。
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