22 / 57
二章 -勝沼・流川・会津編ー
再会、すり替えられた刀
しおりを挟む
ザク……ザク……と音がして、一定の小さな揺れが私の意識を呼び戻した。薄っすらと目を開けたが、辺りは暗く何も見えない。ほんのりと心地の良い温度に包まれて、体は宙に浮いているような感覚だった。次第に意識がハッキリとしてきて、耳も鼻も感覚が戻ってきた。眼も暗闇に慣れたのか辺りの様子が見え始める。
(誰かに、担がれている……!)
敵の手に落ちたのかと体がビクリと跳ねた。私の反応が伝わったのか動きが止まった。私の足元に立派な刀が差してある。立ち止まり呼吸を整える息遣いから、その者は大きな男だと分かった。
(殺される……)
「気が、ついたか」
「……」
しかし、その低い声からは殺気は感じられない。体はとても重く、逃げる力はなさそうだ。返事をした方がよいのか、答えが出せないでいた。
「おい……」
「……」
「テツ」
「えっ」
私のことをテツと呼ぶのは一人しか知らない。まさか、どうして、なぜ、此処にっ。
「ふ、ふくちょ」
私は地面に降ろされて、すぐに真っ黒いものが私の体を覆った。抱きしめられていると、分かったのは暫くしてからだった。
「副長が、どうして私を」
「ばか野郎っ。無理はするなと、言っただろうが」
「そんなこと、言いましたか」
「口ごたえか……っ、上等だ」
「ふくっ」
私は強く体を引き寄せられて、隙間も無くなるほど土方の胸に押し付けられた。息を吸えば土方の汗と埃にまみれた匂いが私の鼻孔をついた。援軍を求めに行くと言ったときと同じ匂いがする。土方が行き倒れた私を見つけてくれたのだ。
「死んだのかと、思った。見つけたときお前は、虫の息だった。ここは戦場だ。助かる見込みのねえ奴は捨てなけりゃならねえ。けど、お前の体は、まだ」
「副長、ありがとうございます」
「お前はばかだ。俺は、もっとばか野郎だ」
「副長はばかではありません。副長は誰よりも考えて、誰よりも荷を背負って、いつも誰よりも辛い決断を」
「ちったあ、黙れ」
「はうっ」
喉元をやわく噛まれた。そして、生温い感触が首筋を辿った。冷えていた体に突然、火がついたような感覚が襲う。
「あ、あっ……ふくっ、副長ぉ」
詰めた釦はとうに外され、その隙間から土方は手を入れてきた。抵抗する体力はまだなく、されるがまま見ているしかなかった。すると、ふわっと胸元が楽になった。さらしが緩められたのだ。
「楽になったか」
「は、い」
随分と呼吸が楽になった。遅くやってきた成長期に心も体も戸惑っていた。今さら膨らみ始めた乳房は、時おり痛みを覚えた。そんな自分の体が嫌でたまらない。すると土方がいきなりコツンと額を合わせて、はぁとため息をついた。
「女、なんだよ……お前は。俺にとって、お前は女なんだ」
「嫌です。私は副長の小姓でいたいのです。女とバレないようにしますからっ。だから、置いて行かないでくださいっ」
動かぬ体に鞭を打って、私は腕を土方の首に絡ませた。突き放されないように必死だった。でもうまく力が入らず、組んだ指が離れていく。
「お役に……立ちたいのです。お願いですから私を女だなんて言わないで下さい」
だから、懇願するしかなかった。要らないと言わないでほしい、蹴飛ばされても何をされても着いていきたい。私は力の入らぬ体をとうとう土方の胸に預けた。こんなだから土方から女だと言われてしまうのに。
「もう忘れたのか。お前は俺のもんだと言ったのを。まだ、離しはしない」
「ふくちょ……ふくちょう」
その言葉がどれほど今の私の力になったのか土方は知らないだろう。私の縋るような声を聞いて、どう思っただろうか。
「今晩はこれ以上は進めない。ここで夜を明かす」
少し大きな木の側に移動して、風を避けるようにそこに腰を下ろした。土方は刀を抱えたまま休むようだ。そう、ここは戦場。いつ、どこから新政府軍の追っ手が現れるか分からないのだ。
「私が起きていますから、副長は休んでください」
「そんな力もまともに入らない体で、何ができると言うんだ。ガキはさっさと、寝ろ」
「が、ガキだなんて!」
土方はふんと鼻を鳴らし、大きな手で私の頭を押さえた。寝ていろと言っているのだ。私はおとなしくそれに従うことにした。でも、不測に反応できるよう刀を腰から抜いて抱えた。それを横目で見た土方が少しだけ笑う。ガキ扱いされている事が腹立たしくもあり、それが自分だけの特権のような気がして嬉しくもあった。
「飾緒か」
「はい。私の刀と沖田先生の刀はよく似ているので、間違えないようにと……あっ」
「どうした」
「沖田先生を、見失いました。申し訳ありませんっ、酷く体力を消耗していたのに。なのに、私は自分だけ逃れて。沖田先生は大丈夫でしょうか!」
私は土方に、覚えているだけのことを話した。敵の武器は鳥羽伏見と同じだったこと、数が圧倒的に多く、隊士たちの士気がもたなかったこと。そして撤退するときに、皆からはぐれたこと。
「沖田先生が、後方で敵と戦っていました。恐らく局長たちを逃がすために時間を稼いでいたと思われます。敵が木の影から鉄砲を構えたのに気がついて、私は無我夢中に走りました。私は沖田先生と、山を転がり落ちて、そして……そこから憶えていません」
土方は黙って私の話を聞いてくれた。そして、ぼそりと言葉を紡ぐ。
「俺がお前を見つけたとき、誰かに隠されたように倒れていた。恐らくそれをしたのは、総司だろう」
「沖田、先生が」
私は刀に結ばれた飾緒を握りしめた。倒れた私を運ぶことができずに、私を木陰に隠したのだろう。もしかしたら土方が通るはずだと予見していたのかもしれない。
「もう、寝ろ。明日また、聞く」
「はい」
土方に会えた喜びと沖田の行方を見失って、私の心はぐちゃぐちゃだった。
翌朝、朝露で濡れた草むらを歩いて日野を目指した。一晩が過ぎると私の体もだいぶ動くようになった。
「歩けるのか」
「なんとかなりそうです」
「無理はするな。痛むところはないのか」
「あちこち痛いですけど、折れてるとかはなさそうなので大丈夫です」
そう答えると、土方は私を頭からつま先まで目視確認をした。そして肩や背中、腰を土方は手で押して確認された。
「いっ......。そんなに強く、押さないでください。あっ、たたっ」
全身を打ち付けたから痛いのはかくせなかった。そんな私を見て土方は深くため息をついて「乗れ」と言って屈んだ。負ぶされといっているのだ。
「歩けますから」
「煩い、言うことを聞けないやつは置いていく」
「副長っ。……分かりました。重いですけど、すみまん」
土方の肩に手を掛けた時、腰に差した刀が揺れた。浅葱色の飾緒が朝日に栄える。
(浅葱色……。えっ、浅葱色!)
「沖田先生のっ」
「どうした」
「副長っ。これ、沖田先生の刀です!」
「お前、何を言って。おい、鉄之助っ」
「沖田先生が、ううっ……私の刀と、すり替えたんですっ……どうしてっ、そんなことをっ。うわぁぁ」
「テツ」
泣いた。泣かずにはいられなかった。愛刀をあの戦乱で手放すなんて、武士ならありえないことだ。それが沖田なら尚の事。新選組の為に、近藤の為に軋む体に鞭を打って挑んだこの戦。その手に刀が戻ったとき、あんなに愛おしそうに触れていたのに。
「どうして、手放したのですか。これは貴方の命そのものなのに」
土方は私の方を振り返って、その刀の柄を引いて鞘から出した。朝日に向けるようにかざして、加州清光の刀身を見上げた。
「間違いない。これは総司の刀だ」
何人もの人を斬り、血を吸ったそれは美しく日の光を反射させた。きらきらと眩しくて、思わず目を細めた。まるで沖田が悪戯に笑っているようだ。土方はひとしきり眺めると、ゆっくりとそれを私の腰にある鞘に戻した。
「お前に、託したのだろう」
「私に」
「俺はお前の腕を知らねえ。けど、総司が自ら刀を預けたのなら、お前は確かな腕の持ち主だと言うことさ」
「私には重すぎます。山口先生や永倉先生が持たれたほうがよっぽど」
「いや。お前じゃなきゃ駄目だったんだろ。これはお前が持っておけ。総司の命をお前が引き継ぐんだ」
「でも、でもまだ沖田先生は」
土方はあいつはまだ生きてるよ、そう簡単には逝きはしないと言った。拭いても拭いても涙は止まず、だんだん肌が痛くなってきた。土方は動かない私を強引に抱え上げた。
「うわっ」
「何もかもが終わったような顔をしやがって。泣きたいのは俺の方だ。援軍を連れて帰ってこれなかったんだぞ。情けないことだ」
「副長の、せいではありませんよ」
「ふんっ。分かったような口をきくんじゃねえよ」
「すみません」
ぎゅうっと力を込めて抱きしめられた。こんなことをされると、土方は私のことを好いているのかと勘違いしてしまう。
「行くぞ。ほら、背中に乗れ」
「はい」
私はその広い背中に体を預けた。硬くて厚いこの背にはたくさんの責任が乗っている。私も少しは背負えたならいいのにと、そんなことを思った。今の私には沖田の愛刀を預かるだけで精一杯なのに。
「ガキは寝てもいいんだぞ」
「っ、寝ませんっ」
太陽が眩しいのをいいことに、土方の肩に顔を埋めた。大人の、男の匂いが、した。
(誰かに、担がれている……!)
敵の手に落ちたのかと体がビクリと跳ねた。私の反応が伝わったのか動きが止まった。私の足元に立派な刀が差してある。立ち止まり呼吸を整える息遣いから、その者は大きな男だと分かった。
(殺される……)
「気が、ついたか」
「……」
しかし、その低い声からは殺気は感じられない。体はとても重く、逃げる力はなさそうだ。返事をした方がよいのか、答えが出せないでいた。
「おい……」
「……」
「テツ」
「えっ」
私のことをテツと呼ぶのは一人しか知らない。まさか、どうして、なぜ、此処にっ。
「ふ、ふくちょ」
私は地面に降ろされて、すぐに真っ黒いものが私の体を覆った。抱きしめられていると、分かったのは暫くしてからだった。
「副長が、どうして私を」
「ばか野郎っ。無理はするなと、言っただろうが」
「そんなこと、言いましたか」
「口ごたえか……っ、上等だ」
「ふくっ」
私は強く体を引き寄せられて、隙間も無くなるほど土方の胸に押し付けられた。息を吸えば土方の汗と埃にまみれた匂いが私の鼻孔をついた。援軍を求めに行くと言ったときと同じ匂いがする。土方が行き倒れた私を見つけてくれたのだ。
「死んだのかと、思った。見つけたときお前は、虫の息だった。ここは戦場だ。助かる見込みのねえ奴は捨てなけりゃならねえ。けど、お前の体は、まだ」
「副長、ありがとうございます」
「お前はばかだ。俺は、もっとばか野郎だ」
「副長はばかではありません。副長は誰よりも考えて、誰よりも荷を背負って、いつも誰よりも辛い決断を」
「ちったあ、黙れ」
「はうっ」
喉元をやわく噛まれた。そして、生温い感触が首筋を辿った。冷えていた体に突然、火がついたような感覚が襲う。
「あ、あっ……ふくっ、副長ぉ」
詰めた釦はとうに外され、その隙間から土方は手を入れてきた。抵抗する体力はまだなく、されるがまま見ているしかなかった。すると、ふわっと胸元が楽になった。さらしが緩められたのだ。
「楽になったか」
「は、い」
随分と呼吸が楽になった。遅くやってきた成長期に心も体も戸惑っていた。今さら膨らみ始めた乳房は、時おり痛みを覚えた。そんな自分の体が嫌でたまらない。すると土方がいきなりコツンと額を合わせて、はぁとため息をついた。
「女、なんだよ……お前は。俺にとって、お前は女なんだ」
「嫌です。私は副長の小姓でいたいのです。女とバレないようにしますからっ。だから、置いて行かないでくださいっ」
動かぬ体に鞭を打って、私は腕を土方の首に絡ませた。突き放されないように必死だった。でもうまく力が入らず、組んだ指が離れていく。
「お役に……立ちたいのです。お願いですから私を女だなんて言わないで下さい」
だから、懇願するしかなかった。要らないと言わないでほしい、蹴飛ばされても何をされても着いていきたい。私は力の入らぬ体をとうとう土方の胸に預けた。こんなだから土方から女だと言われてしまうのに。
「もう忘れたのか。お前は俺のもんだと言ったのを。まだ、離しはしない」
「ふくちょ……ふくちょう」
その言葉がどれほど今の私の力になったのか土方は知らないだろう。私の縋るような声を聞いて、どう思っただろうか。
「今晩はこれ以上は進めない。ここで夜を明かす」
少し大きな木の側に移動して、風を避けるようにそこに腰を下ろした。土方は刀を抱えたまま休むようだ。そう、ここは戦場。いつ、どこから新政府軍の追っ手が現れるか分からないのだ。
「私が起きていますから、副長は休んでください」
「そんな力もまともに入らない体で、何ができると言うんだ。ガキはさっさと、寝ろ」
「が、ガキだなんて!」
土方はふんと鼻を鳴らし、大きな手で私の頭を押さえた。寝ていろと言っているのだ。私はおとなしくそれに従うことにした。でも、不測に反応できるよう刀を腰から抜いて抱えた。それを横目で見た土方が少しだけ笑う。ガキ扱いされている事が腹立たしくもあり、それが自分だけの特権のような気がして嬉しくもあった。
「飾緒か」
「はい。私の刀と沖田先生の刀はよく似ているので、間違えないようにと……あっ」
「どうした」
「沖田先生を、見失いました。申し訳ありませんっ、酷く体力を消耗していたのに。なのに、私は自分だけ逃れて。沖田先生は大丈夫でしょうか!」
私は土方に、覚えているだけのことを話した。敵の武器は鳥羽伏見と同じだったこと、数が圧倒的に多く、隊士たちの士気がもたなかったこと。そして撤退するときに、皆からはぐれたこと。
「沖田先生が、後方で敵と戦っていました。恐らく局長たちを逃がすために時間を稼いでいたと思われます。敵が木の影から鉄砲を構えたのに気がついて、私は無我夢中に走りました。私は沖田先生と、山を転がり落ちて、そして……そこから憶えていません」
土方は黙って私の話を聞いてくれた。そして、ぼそりと言葉を紡ぐ。
「俺がお前を見つけたとき、誰かに隠されたように倒れていた。恐らくそれをしたのは、総司だろう」
「沖田、先生が」
私は刀に結ばれた飾緒を握りしめた。倒れた私を運ぶことができずに、私を木陰に隠したのだろう。もしかしたら土方が通るはずだと予見していたのかもしれない。
「もう、寝ろ。明日また、聞く」
「はい」
土方に会えた喜びと沖田の行方を見失って、私の心はぐちゃぐちゃだった。
翌朝、朝露で濡れた草むらを歩いて日野を目指した。一晩が過ぎると私の体もだいぶ動くようになった。
「歩けるのか」
「なんとかなりそうです」
「無理はするな。痛むところはないのか」
「あちこち痛いですけど、折れてるとかはなさそうなので大丈夫です」
そう答えると、土方は私を頭からつま先まで目視確認をした。そして肩や背中、腰を土方は手で押して確認された。
「いっ......。そんなに強く、押さないでください。あっ、たたっ」
全身を打ち付けたから痛いのはかくせなかった。そんな私を見て土方は深くため息をついて「乗れ」と言って屈んだ。負ぶされといっているのだ。
「歩けますから」
「煩い、言うことを聞けないやつは置いていく」
「副長っ。……分かりました。重いですけど、すみまん」
土方の肩に手を掛けた時、腰に差した刀が揺れた。浅葱色の飾緒が朝日に栄える。
(浅葱色……。えっ、浅葱色!)
「沖田先生のっ」
「どうした」
「副長っ。これ、沖田先生の刀です!」
「お前、何を言って。おい、鉄之助っ」
「沖田先生が、ううっ……私の刀と、すり替えたんですっ……どうしてっ、そんなことをっ。うわぁぁ」
「テツ」
泣いた。泣かずにはいられなかった。愛刀をあの戦乱で手放すなんて、武士ならありえないことだ。それが沖田なら尚の事。新選組の為に、近藤の為に軋む体に鞭を打って挑んだこの戦。その手に刀が戻ったとき、あんなに愛おしそうに触れていたのに。
「どうして、手放したのですか。これは貴方の命そのものなのに」
土方は私の方を振り返って、その刀の柄を引いて鞘から出した。朝日に向けるようにかざして、加州清光の刀身を見上げた。
「間違いない。これは総司の刀だ」
何人もの人を斬り、血を吸ったそれは美しく日の光を反射させた。きらきらと眩しくて、思わず目を細めた。まるで沖田が悪戯に笑っているようだ。土方はひとしきり眺めると、ゆっくりとそれを私の腰にある鞘に戻した。
「お前に、託したのだろう」
「私に」
「俺はお前の腕を知らねえ。けど、総司が自ら刀を預けたのなら、お前は確かな腕の持ち主だと言うことさ」
「私には重すぎます。山口先生や永倉先生が持たれたほうがよっぽど」
「いや。お前じゃなきゃ駄目だったんだろ。これはお前が持っておけ。総司の命をお前が引き継ぐんだ」
「でも、でもまだ沖田先生は」
土方はあいつはまだ生きてるよ、そう簡単には逝きはしないと言った。拭いても拭いても涙は止まず、だんだん肌が痛くなってきた。土方は動かない私を強引に抱え上げた。
「うわっ」
「何もかもが終わったような顔をしやがって。泣きたいのは俺の方だ。援軍を連れて帰ってこれなかったんだぞ。情けないことだ」
「副長の、せいではありませんよ」
「ふんっ。分かったような口をきくんじゃねえよ」
「すみません」
ぎゅうっと力を込めて抱きしめられた。こんなことをされると、土方は私のことを好いているのかと勘違いしてしまう。
「行くぞ。ほら、背中に乗れ」
「はい」
私はその広い背中に体を預けた。硬くて厚いこの背にはたくさんの責任が乗っている。私も少しは背負えたならいいのにと、そんなことを思った。今の私には沖田の愛刀を預かるだけで精一杯なのに。
「ガキは寝てもいいんだぞ」
「っ、寝ませんっ」
太陽が眩しいのをいいことに、土方の肩に顔を埋めた。大人の、男の匂いが、した。
0
お気に入りに追加
119
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
戦国三法師伝
kya
歴史・時代
歴史物だけれども、誰にでも見てもらえるような作品にしていこうと思っています。
異世界転生物を見る気分で読んでみてください。
本能寺の変は戦国の覇王織田信長ばかりではなく織田家当主織田信忠をも戦国の世から葬り去り、織田家没落の危機を迎えるはずだったが。
信忠が子、三法師は平成日本の人間が転生した者だった…
シンセン
春羅
歴史・時代
新選組随一の剣の遣い手・沖田総司は、池田屋事変で命を落とす。
戦力と士気の低下を畏れた新選組副長・土方歳三は、沖田に生き写しの討幕派志士・葦原柳を身代わりに仕立て上げ、ニセモノの人生を歩ませる。
しかし周囲に溶け込み、ほぼ完璧に沖田を演じる葦原の言動に違和感がある。
まるで、沖田総司が憑いているかのように振る舞うときがあるのだ。次第にその頻度は増し、時間も長くなっていく。
「このカラダ……もらってもいいですか……?」
葦原として生きるか、沖田に飲み込まれるか。
いつだって、命の保証などない時代と場所で、大小二本携えて生きてきたのだ。
武士とはなにか。
生きる道と死に方を、自らの意志で決める者である。
「……約束が、違うじゃないですか」
新選組史を基にしたオリジナル小説です。 諸説ある幕末史の中の、定番過ぎて最近の小説ではあまり書かれていない説や、信憑性がない説や、あまり知られていない説を盛り込むことをモットーに書いております。
永き夜の遠の睡りの皆目醒め
七瀬京
歴史・時代
近藤勇の『首』が消えた……。
新撰組の局長として名を馳せた近藤勇は板橋で罪人として処刑されてから、その首を晒された。
しかし、その首が、ある日忽然と消えたのだった……。
近藤の『首』を巡り、過去と栄光と男たちの愛憎が交錯する。
首はどこにあるのか。
そして激動の時代、男たちはどこへ向かうのか……。
※男性同士の恋愛表現がありますので苦手な方はご注意下さい
if 大坂夏の陣 〜勝ってはならぬ闘い〜
かまぼこのもと
歴史・時代
1615年5月。
徳川家康の天下統一は最終局面に入っていた。
堅固な大坂城を無力化させ、内部崩壊を煽り、ほぼ勝利を手中に入れる……
豊臣家に味方する者はいない。
西国無双と呼ばれた立花宗茂も徳川家康の配下となった。
しかし、ほんの少しの違いにより戦局は全く違うものとなっていくのであった。
全5話……と思ってましたが、終わりそうにないので10話ほどになりそうなので、マルチバース豊臣家と別に連載することにしました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
クロワッサン物語
コダーマ
歴史・時代
1683年、城塞都市ウィーンはオスマン帝国の大軍に包囲されていた。
第二次ウィーン包囲である。
戦況厳しいウィーンからは皇帝も逃げ出し、市壁の中には守備隊の兵士と市民軍、避難できなかった市民ら一万人弱が立て籠もった。
彼らをまとめ、指揮するウィーン防衛司令官、その名をシュターレンベルクという。
敵の数は三十万。
戦況は絶望的に想えるものの、シュターレンベルクには策があった。
ドナウ河の水運に恵まれたウィーンは、ドナウ艦隊を蔵している。
内陸に位置するオーストリア唯一の海軍だ。
彼らをウィーンの切り札とするのだ。
戦闘には参加させず、外界との唯一の道として、連絡も補給も彼等に依る。
そのうち、ウィーンには厳しい冬が訪れる。
オスマン帝国軍は野営には耐えられまい。
そんなシュターレンベルクの元に届いた報は『ドナウ艦隊の全滅』であった。
もはや、市壁の中にこもって救援を待つしかないウィーンだが、敵軍のシャーヒー砲は、連日、市に降り注いだ。
戦闘、策略、裏切り、絶望──。
シュターレンベルクはウィーンを守り抜けるのか。
第二次ウィーン包囲の二か月間を描いた歴史小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる