11 / 57
一章 ー京都・大阪編ー
開戦
しおりを挟む
それから私は山口に時間が空けば稽古を頼んだ。山口の指導は女である私にはちょうどよかった。型を仕込まれても振る力が足りない。だからぎりぎりの間合いで刀を素早く抜く技を習った。相手の懐に飛び込んで抜き、素早く離れる。一太刀でとどめを刺すには喉を掻っ切るか、心臓を一突きにするしかない。私の力では前者が妥当だろう。
「あんたは相手の隙きを突くのは得意であろう。突いた隙きは必ずものにせねばならぬ。躊躇いは死を意味する」
「はい」
「死んでは事を成すことができない。あんたがその刀で成すべきことは、己の身の確保と副長から与えられた使命を全うすることだ」
「はい」
「あんたは総司の為に戦うのではない。勘違いはするな」
「っ、はい」
そうだ。誰からも沖田の代わりになれと言われていない。私は市村鉄之助であり、土方歳三の小姓だ。気を負いすぎれば大事なことをし損じる。それを山口は言っているのだ。
「ありがとうございました」
忙しい山口に稽古をつけてもらうだけでも有り難いことだ。他の隊士が望んでも、簡単に叶うことではないのだから。
「もしもこの戦がいい方向にいったらならば、ひとつ頼みがある」
山口は口元を少しだけ上げて笑う。この人が笑うことなんて滅多にないのに、それを見てしまった私は焦る。
「な、なんでしょうか」
「そんなに構えるな。餓鬼に手を出す趣味はない」
「なっ」
「くくっ。なあに簡単だ。その時が来たら」
「来たら……」
じり、と山口が近づく。そして、肩と肩がぶつかるほどの距離でこう言った。
「その時は、あんたの名を知りたい」
「私の名を……ぇ」
にやりと笑って山口は行ってしまった。
私が本当の名を明かす時は来るのだろうか。常葉という名を彼らが呼ぶ日が……。
『常葉』
私は何故だかその名を、土方に一番最初に呼んでもらいたい。そう思った。
*
― パーン!
と乾いた銃声が響いた。
― ズドドドーン!ゴゴゴー
地響きが鳴り響く。
慶応四年の始まりは、新しい年を嘲笑うかのような幕開けだった。
「きゃっ」軍医の椿さんの悲鳴があがると、男たちが次々に指をさした。
「おいっ、あれを見ろぉ!」
薩長軍が布陣している北側から煙が上がり、瞬く間にドカンとまた大きな音が届いた。すると、後方にある伏見奉行所から火の手が上がる。大砲の弾がここまで飛んできたのだ。
「応戦しろ!」
土方の怒声が響き渡った。
私と椿さんは土方の側から離れるなと言われている。指揮を取る土方の動きから目を離さぬように走り回った。隊服の下に鎖帷子を着ているため、動くたびにジャリと嫌な音がする。
「椿さん、大丈夫ですか」
「はい。なんとか」
一月という息が凍りそうなほど寒いこの季節に、私たちは額から汗を流していた。
「撃てぇぇーー」
会津藩も負けじと砲弾を放つけれど、上手に布陣した敵にはとうてい届かない。振り返れば伏見奉行所の方向から黒い煙が上がっていた。
「源さんが奉行所の警護に当たっている。至急退避を伝令!」
「御意」
監察の山崎が奉行所に走った。その奉行所は火の海と化している。はっと顔を上げる椿さんの不安と恐怖に満ちた顔を、私は見てしまう。好いた男が火の海に飛び込むのを黙って見送るその姿はあまりにも苦しい。
「椿、心の準備をしておけ。かなりの死傷者が出る」
「はい」
土方の無情な言葉が現実として突きつける。この戦いに情などない。今をどうにかして切り抜けることを考えなければ。
「此処はもう駄目だ。淀まで退け! 徳川軍と合流する。そこで立て直しだ」
土方の判断は早かった。先月、肩を撃たれて負傷した近藤に代わり、この新選組を率いるのは副長である土方だった。
「テツ、椿っ、前を見て走れっ」
土方が腰に差していた刀を抜き、辺りを牽制しながら走る。私もその背から離されぬよう刀を抜いて走った。暫く走ると他で布陣していた原田隊と合流した。
「原田っ。鉄之助を頼む」
「おう、分った。鉄之助は俺について来い」
「副長っ!」
俺から離れるなと言った土方が私に原田のもとへ行けと言う。土方は椿さんの手を掴み街道を駆けていく。
「鉄之助っ。上から弾が降ってくるぞ、こっちに来い!」
大砲の着弾で人間が人形のように吹き飛ばされる。頭を上げると銃弾が掠めそうなほど近くを飛んでいった。
「原田先生っ、な、仲間がっ」
「鉄之助見るな! 走れーーっ」
これが戦争というものか。お爺が言っていた。これが始まると、人は人ではなくなるのだと。常世兄様もこの戦いのどこかにいるのだろうか。今となっては兄様が追う側で、私は追われる側……。
■■■
昨晩、土方が私の部屋にやって来た。土方は連日忙しく、まともに言葉を交わしていなかったので正直、戸惑った。
「テツ。お前、なかなか見込みがあるらしいな。山口が言っていた。稽古のつけがいがあるってな」
「ああ、いえ。山口先生のお教えがよいのです」
「そうか」
そう答えると土方は僅かに眉を下げた。そんな顔を見るのは初めてかもしれない。困ったような、なにか物足りないような顔だったからだ。
「副長、あの」
「いや。なら心配はいらねえなと、思ってな。明日にでも戦が始まるだろう。お前は山口の隊につくか」
急にそんな事を言うので、つい私は声を上げて反論してしまう。
「嫌です。私は副長の小姓なのです。どうしてそのような事を言うのですか。私は副長のお役に立つよう稽古をしてきたのです。それでは、意味がありません!」
本音を言えば泣きそうなくらい悲しかった。もう要らないと言われた気がしたから。
「テツ」
「副長。私は副長の側から離れません」
「分かったからそんな顔をするな」
土方は俯く私の頭に手を置いた。ずしりと土方の手の重みがかかる。いつかのようにそれは、とても温かだ。
「顔を上げてみせろ。まさか男が泣いているんじゃないだろうな」
「泣いてなんかっ!」
反射的に顔を上げ土方の顔を睨みつけた。土方を睨むなんて、あとで思えば命知らずだなと思う。しかし土方は私と目を合わせると、頬をくっと上げて笑ったのだ。私がまた見たいと思った、あの笑みを。そして、
「いい顔をしやがる」
そう言って私の頬を手の甲で撫でた。
「っ」
言葉にできない熱いものが、腹の中で弾けた気がした。
「お前は俺から離れるな。何があっても死ぬなよ。その総司の刀がお前を護ってくれるだろう」
「はい」
■■■
私の視界に土方がいない。自分の身の危険より、土方の身が心配でならなかった。戦うことのできない椿さんを護る為に土方は彼女一人を連れて走ることを選んだ。軍医を亡くしてはこの隊の存続も危ういからだ。
「鉄之助、うしろ!」
「分かっていますよ!」
初めて生きた人間を斬った。どの藩の人間なのか分からない。ただ、刀を上げ向かってくる者は斬った。斬って、蹴り倒して、ひたすら走った。不思議なことに何人も斬ったのに沖田の刀は衰えることはなかった。浴びた血を一度払うと、もとのように妖しく光る。
「走れーー」
ごろごろ転がる屍を乗り越えて私は走った。走ることは得意だ。でも、膝は震えていた。
「鉄之助」
原田が私のもとに走りより、隊服の袖で私の顔を拭った。充満する血の臭いは鼻孔の奥をつき、脳のてっぺんまで蔓延した。原田が私の顔に付着した血を拭いたのだ。見れば原田の顔にも飛び散っている。
「原田先生……」
「酷い有り様だな」
「はい」
原田が私の背に手を置き、行くぞと軽く叩いた。俺がいるだろう、大丈夫だと言ってくれた気がした。そんな原田は、まだ衆道か両刀かと悩んでいるのだろうかとか、そんなくだらない事が脳裏を掠めた。
とにかく早く、土方と合流したかった。だから、足を止めるわけにはいかない。
「退けぇ」
そんな味方の怒号に混じって「新選組の首を頂戴致す」という地を這うような声が聞こえた。私が直ぐに思い浮かんだのは土方の姿だ。
「副長!」
「おい、鉄之助」
「原田先生、こっちです」
吹き飛んだ家の瓦礫を避けながら、私はその声の方へ走った。原田が追いつけなくなるのも気に留めず。
「原田先生っ、あそこに」
黒い装束に身を包んだ集団が、土方と椿さんを取り囲んでいた。それを見た原田が叫ぶ。
「土方さん!」
その声が届いたのか土方は一瞬振り向いて私たちを確認し、再び周囲の男たちを斬り倒した。応援が来たと知った黒い集団はすぐに散った。こちらにも向かってくる。敵か味方かなど考える暇はない。刃を向けてくるものは全て敵と思うしかなかった。
その時、原田が何かに気づいて焦ったように声を上げた。
「椿、走れぇ!」
椿さんの背後に黒い影が立つ。土方は別の者と刀を交えており助けることができない。椿さんがほんの隙きをついて短刀を居合のように抜き斬りつける。しかし、倒れはしない。私は走った。私なら間に合う! と。
(あっ、山崎さん)
その男の背から監察の山崎が現れ胸を一突きした。椿さんは助かった。しかし、息をつく暇はなかった。土方が刀を振り上げるその後ろに、黒い殺意に満ちた塊が迫っていた。土方は気づいていないのか、前の敵を仕留めることで手一杯だ。まったく振り向く素振りはない。
(だめっ、副長の首は渡さない!)
私は強く、地を蹴った。疾風の術を初めて使った瞬間だった。
「あんたは相手の隙きを突くのは得意であろう。突いた隙きは必ずものにせねばならぬ。躊躇いは死を意味する」
「はい」
「死んでは事を成すことができない。あんたがその刀で成すべきことは、己の身の確保と副長から与えられた使命を全うすることだ」
「はい」
「あんたは総司の為に戦うのではない。勘違いはするな」
「っ、はい」
そうだ。誰からも沖田の代わりになれと言われていない。私は市村鉄之助であり、土方歳三の小姓だ。気を負いすぎれば大事なことをし損じる。それを山口は言っているのだ。
「ありがとうございました」
忙しい山口に稽古をつけてもらうだけでも有り難いことだ。他の隊士が望んでも、簡単に叶うことではないのだから。
「もしもこの戦がいい方向にいったらならば、ひとつ頼みがある」
山口は口元を少しだけ上げて笑う。この人が笑うことなんて滅多にないのに、それを見てしまった私は焦る。
「な、なんでしょうか」
「そんなに構えるな。餓鬼に手を出す趣味はない」
「なっ」
「くくっ。なあに簡単だ。その時が来たら」
「来たら……」
じり、と山口が近づく。そして、肩と肩がぶつかるほどの距離でこう言った。
「その時は、あんたの名を知りたい」
「私の名を……ぇ」
にやりと笑って山口は行ってしまった。
私が本当の名を明かす時は来るのだろうか。常葉という名を彼らが呼ぶ日が……。
『常葉』
私は何故だかその名を、土方に一番最初に呼んでもらいたい。そう思った。
*
― パーン!
と乾いた銃声が響いた。
― ズドドドーン!ゴゴゴー
地響きが鳴り響く。
慶応四年の始まりは、新しい年を嘲笑うかのような幕開けだった。
「きゃっ」軍医の椿さんの悲鳴があがると、男たちが次々に指をさした。
「おいっ、あれを見ろぉ!」
薩長軍が布陣している北側から煙が上がり、瞬く間にドカンとまた大きな音が届いた。すると、後方にある伏見奉行所から火の手が上がる。大砲の弾がここまで飛んできたのだ。
「応戦しろ!」
土方の怒声が響き渡った。
私と椿さんは土方の側から離れるなと言われている。指揮を取る土方の動きから目を離さぬように走り回った。隊服の下に鎖帷子を着ているため、動くたびにジャリと嫌な音がする。
「椿さん、大丈夫ですか」
「はい。なんとか」
一月という息が凍りそうなほど寒いこの季節に、私たちは額から汗を流していた。
「撃てぇぇーー」
会津藩も負けじと砲弾を放つけれど、上手に布陣した敵にはとうてい届かない。振り返れば伏見奉行所の方向から黒い煙が上がっていた。
「源さんが奉行所の警護に当たっている。至急退避を伝令!」
「御意」
監察の山崎が奉行所に走った。その奉行所は火の海と化している。はっと顔を上げる椿さんの不安と恐怖に満ちた顔を、私は見てしまう。好いた男が火の海に飛び込むのを黙って見送るその姿はあまりにも苦しい。
「椿、心の準備をしておけ。かなりの死傷者が出る」
「はい」
土方の無情な言葉が現実として突きつける。この戦いに情などない。今をどうにかして切り抜けることを考えなければ。
「此処はもう駄目だ。淀まで退け! 徳川軍と合流する。そこで立て直しだ」
土方の判断は早かった。先月、肩を撃たれて負傷した近藤に代わり、この新選組を率いるのは副長である土方だった。
「テツ、椿っ、前を見て走れっ」
土方が腰に差していた刀を抜き、辺りを牽制しながら走る。私もその背から離されぬよう刀を抜いて走った。暫く走ると他で布陣していた原田隊と合流した。
「原田っ。鉄之助を頼む」
「おう、分った。鉄之助は俺について来い」
「副長っ!」
俺から離れるなと言った土方が私に原田のもとへ行けと言う。土方は椿さんの手を掴み街道を駆けていく。
「鉄之助っ。上から弾が降ってくるぞ、こっちに来い!」
大砲の着弾で人間が人形のように吹き飛ばされる。頭を上げると銃弾が掠めそうなほど近くを飛んでいった。
「原田先生っ、な、仲間がっ」
「鉄之助見るな! 走れーーっ」
これが戦争というものか。お爺が言っていた。これが始まると、人は人ではなくなるのだと。常世兄様もこの戦いのどこかにいるのだろうか。今となっては兄様が追う側で、私は追われる側……。
■■■
昨晩、土方が私の部屋にやって来た。土方は連日忙しく、まともに言葉を交わしていなかったので正直、戸惑った。
「テツ。お前、なかなか見込みがあるらしいな。山口が言っていた。稽古のつけがいがあるってな」
「ああ、いえ。山口先生のお教えがよいのです」
「そうか」
そう答えると土方は僅かに眉を下げた。そんな顔を見るのは初めてかもしれない。困ったような、なにか物足りないような顔だったからだ。
「副長、あの」
「いや。なら心配はいらねえなと、思ってな。明日にでも戦が始まるだろう。お前は山口の隊につくか」
急にそんな事を言うので、つい私は声を上げて反論してしまう。
「嫌です。私は副長の小姓なのです。どうしてそのような事を言うのですか。私は副長のお役に立つよう稽古をしてきたのです。それでは、意味がありません!」
本音を言えば泣きそうなくらい悲しかった。もう要らないと言われた気がしたから。
「テツ」
「副長。私は副長の側から離れません」
「分かったからそんな顔をするな」
土方は俯く私の頭に手を置いた。ずしりと土方の手の重みがかかる。いつかのようにそれは、とても温かだ。
「顔を上げてみせろ。まさか男が泣いているんじゃないだろうな」
「泣いてなんかっ!」
反射的に顔を上げ土方の顔を睨みつけた。土方を睨むなんて、あとで思えば命知らずだなと思う。しかし土方は私と目を合わせると、頬をくっと上げて笑ったのだ。私がまた見たいと思った、あの笑みを。そして、
「いい顔をしやがる」
そう言って私の頬を手の甲で撫でた。
「っ」
言葉にできない熱いものが、腹の中で弾けた気がした。
「お前は俺から離れるな。何があっても死ぬなよ。その総司の刀がお前を護ってくれるだろう」
「はい」
■■■
私の視界に土方がいない。自分の身の危険より、土方の身が心配でならなかった。戦うことのできない椿さんを護る為に土方は彼女一人を連れて走ることを選んだ。軍医を亡くしてはこの隊の存続も危ういからだ。
「鉄之助、うしろ!」
「分かっていますよ!」
初めて生きた人間を斬った。どの藩の人間なのか分からない。ただ、刀を上げ向かってくる者は斬った。斬って、蹴り倒して、ひたすら走った。不思議なことに何人も斬ったのに沖田の刀は衰えることはなかった。浴びた血を一度払うと、もとのように妖しく光る。
「走れーー」
ごろごろ転がる屍を乗り越えて私は走った。走ることは得意だ。でも、膝は震えていた。
「鉄之助」
原田が私のもとに走りより、隊服の袖で私の顔を拭った。充満する血の臭いは鼻孔の奥をつき、脳のてっぺんまで蔓延した。原田が私の顔に付着した血を拭いたのだ。見れば原田の顔にも飛び散っている。
「原田先生……」
「酷い有り様だな」
「はい」
原田が私の背に手を置き、行くぞと軽く叩いた。俺がいるだろう、大丈夫だと言ってくれた気がした。そんな原田は、まだ衆道か両刀かと悩んでいるのだろうかとか、そんなくだらない事が脳裏を掠めた。
とにかく早く、土方と合流したかった。だから、足を止めるわけにはいかない。
「退けぇ」
そんな味方の怒号に混じって「新選組の首を頂戴致す」という地を這うような声が聞こえた。私が直ぐに思い浮かんだのは土方の姿だ。
「副長!」
「おい、鉄之助」
「原田先生、こっちです」
吹き飛んだ家の瓦礫を避けながら、私はその声の方へ走った。原田が追いつけなくなるのも気に留めず。
「原田先生っ、あそこに」
黒い装束に身を包んだ集団が、土方と椿さんを取り囲んでいた。それを見た原田が叫ぶ。
「土方さん!」
その声が届いたのか土方は一瞬振り向いて私たちを確認し、再び周囲の男たちを斬り倒した。応援が来たと知った黒い集団はすぐに散った。こちらにも向かってくる。敵か味方かなど考える暇はない。刃を向けてくるものは全て敵と思うしかなかった。
その時、原田が何かに気づいて焦ったように声を上げた。
「椿、走れぇ!」
椿さんの背後に黒い影が立つ。土方は別の者と刀を交えており助けることができない。椿さんがほんの隙きをついて短刀を居合のように抜き斬りつける。しかし、倒れはしない。私は走った。私なら間に合う! と。
(あっ、山崎さん)
その男の背から監察の山崎が現れ胸を一突きした。椿さんは助かった。しかし、息をつく暇はなかった。土方が刀を振り上げるその後ろに、黒い殺意に満ちた塊が迫っていた。土方は気づいていないのか、前の敵を仕留めることで手一杯だ。まったく振り向く素振りはない。
(だめっ、副長の首は渡さない!)
私は強く、地を蹴った。疾風の術を初めて使った瞬間だった。
0
お気に入りに追加
119
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
戦国三法師伝
kya
歴史・時代
歴史物だけれども、誰にでも見てもらえるような作品にしていこうと思っています。
異世界転生物を見る気分で読んでみてください。
本能寺の変は戦国の覇王織田信長ばかりではなく織田家当主織田信忠をも戦国の世から葬り去り、織田家没落の危機を迎えるはずだったが。
信忠が子、三法師は平成日本の人間が転生した者だった…
シンセン
春羅
歴史・時代
新選組随一の剣の遣い手・沖田総司は、池田屋事変で命を落とす。
戦力と士気の低下を畏れた新選組副長・土方歳三は、沖田に生き写しの討幕派志士・葦原柳を身代わりに仕立て上げ、ニセモノの人生を歩ませる。
しかし周囲に溶け込み、ほぼ完璧に沖田を演じる葦原の言動に違和感がある。
まるで、沖田総司が憑いているかのように振る舞うときがあるのだ。次第にその頻度は増し、時間も長くなっていく。
「このカラダ……もらってもいいですか……?」
葦原として生きるか、沖田に飲み込まれるか。
いつだって、命の保証などない時代と場所で、大小二本携えて生きてきたのだ。
武士とはなにか。
生きる道と死に方を、自らの意志で決める者である。
「……約束が、違うじゃないですか」
新選組史を基にしたオリジナル小説です。 諸説ある幕末史の中の、定番過ぎて最近の小説ではあまり書かれていない説や、信憑性がない説や、あまり知られていない説を盛り込むことをモットーに書いております。
永き夜の遠の睡りの皆目醒め
七瀬京
歴史・時代
近藤勇の『首』が消えた……。
新撰組の局長として名を馳せた近藤勇は板橋で罪人として処刑されてから、その首を晒された。
しかし、その首が、ある日忽然と消えたのだった……。
近藤の『首』を巡り、過去と栄光と男たちの愛憎が交錯する。
首はどこにあるのか。
そして激動の時代、男たちはどこへ向かうのか……。
※男性同士の恋愛表現がありますので苦手な方はご注意下さい
if 大坂夏の陣 〜勝ってはならぬ闘い〜
かまぼこのもと
歴史・時代
1615年5月。
徳川家康の天下統一は最終局面に入っていた。
堅固な大坂城を無力化させ、内部崩壊を煽り、ほぼ勝利を手中に入れる……
豊臣家に味方する者はいない。
西国無双と呼ばれた立花宗茂も徳川家康の配下となった。
しかし、ほんの少しの違いにより戦局は全く違うものとなっていくのであった。
全5話……と思ってましたが、終わりそうにないので10話ほどになりそうなので、マルチバース豊臣家と別に連載することにしました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
クロワッサン物語
コダーマ
歴史・時代
1683年、城塞都市ウィーンはオスマン帝国の大軍に包囲されていた。
第二次ウィーン包囲である。
戦況厳しいウィーンからは皇帝も逃げ出し、市壁の中には守備隊の兵士と市民軍、避難できなかった市民ら一万人弱が立て籠もった。
彼らをまとめ、指揮するウィーン防衛司令官、その名をシュターレンベルクという。
敵の数は三十万。
戦況は絶望的に想えるものの、シュターレンベルクには策があった。
ドナウ河の水運に恵まれたウィーンは、ドナウ艦隊を蔵している。
内陸に位置するオーストリア唯一の海軍だ。
彼らをウィーンの切り札とするのだ。
戦闘には参加させず、外界との唯一の道として、連絡も補給も彼等に依る。
そのうち、ウィーンには厳しい冬が訪れる。
オスマン帝国軍は野営には耐えられまい。
そんなシュターレンベルクの元に届いた報は『ドナウ艦隊の全滅』であった。
もはや、市壁の中にこもって救援を待つしかないウィーンだが、敵軍のシャーヒー砲は、連日、市に降り注いだ。
戦闘、策略、裏切り、絶望──。
シュターレンベルクはウィーンを守り抜けるのか。
第二次ウィーン包囲の二か月間を描いた歴史小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる