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第26話 初、異世界の町ターリ
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■ 鈴木真理雄。異世界に落っこちてきた。現在、異世界を探索中。
■ 〝あいつ〟無限炉の中で会った存在。真理雄に魔法を伝授した。
■ ネム。獣族の女の子、ものすごい美少女。白虎の特徴を持つ
■ ミルテア・大地母神ステルアの神官。ハーフエルフ。ものすごい巨乳。司祭様。
■ ロイド。重剣士、自分の身長と同じぐらいの剣を持つ。
■ リリ。ロイドにくっついている魔法士。お色気いっぱいのお姉さん。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
翌日は無事に町に着いた。昼過ぎだった。
町の名前はターリという。
人口は五〇〇〇人ほどで、開拓の拠点としてはほどほどの大きさらしい。
ここまでの経過を説明すすると朝方森がだんだん薄くなってきて、やがて草原になった。
常にすぐそばに件の川が見え、川に沿って進んできた感じだ。
草原になると川に沿って街道があり、その周囲は見事な草原というか結構草ぼうぼうの土地が広がっていて…はっきり言う他にはなにもない。
この辺りはコウ王国のカボン地方という土地で、キルシュ公爵という人が運営する公爵領の町の一つらしい。
まあここら辺はいいや。
どうせ聞いてもわからん。
草原を歩いていくとやがて城壁のようなものが見えてきて、そのあたりから麦畑が広がりはじめ、それが城壁まで続いている。そこがターリの街だ。
町の作りは城塞都市というやつで、町全体が壁で守られている。
町自体の大きさは長さ一km程で、その外周が全て壁に守られているわけだ。
つまり城壁の中に町があるから城塞都市ね。
惜しむらくはその城壁がすべて木材で出来ている所か。
太さ二〇cm、高さ三mほどのくいが、一〇cmほどの隙間を空けて立ち並び、それが町をおおっているわけだ。ただ…
「木の塀とはいえ三メートルもあると結構すごいな…これって…魔物対策でこの外は危ないと言う事ですかね?」
隣を歩く二人に聞いてみた。
「危ないといえばそうなんですけど、町の近くは強い魔物は出ませんよね」
「だからこちら側にも畑があるわけです。でもたまには魔物がやってくることがありますし、それを撃退するための壁なんです」
つまり魔物を入れないための壁で、ゴブリンや大ネズミ、一角ラビ程度は十分に対処きると考えられているらしい。
ここは開拓のための拠点であり、北に農地を広げその防衛をする町だ。
同時に南に広がる広大な農地を守る砦の役目も持っていて、魔物との戦いの最前線であるらしい。
とはいってもこの町が戦場になっているというわけではなく、ここに住む冒険者が北の森に侵攻し、魔物を狩ることでこの辺りを結果的に守っているということになる。
「二人もこの町の冒険者なの?」
「いえ、この北の森は月光魔草とか月下竜胆とかの名産地で、この時期は近場の冒険者が集まるんです」
「私たちはここから西に行ったベクトンという町を拠点にしているの」
冒険者の活動範囲は広いようだ。
少し行くとさらに衝撃の光景が。
やはり町に来るといろいろと異世界らしい光景が広がっているのだ。
いま目の前を農夫が動物の背中に農具や収穫物を積んで歩いていく。
農夫は獣族の人だ。耳は小さいが尻尾が揺れている。
そしてその農夫が引く動物は…でっかい鶏だった。
某RPGに出てくる大きな鳥型の騎獣に似ている。
「あ…あれは何ですか…」
「あれはノーミンラプトルですね。働き者の鳥さんです。雑食で手間がかからなくて粗食に耐えるので農家では重宝されるんです」
ほう…
「あっ、ゾウだ…」
「あれはマストドンですね。魔獣ですけど頭が良くて気象がおとなしくて、あの長い鼻で作業をも手伝ってくれるいい子ですよ」
ゾウじゃなかった。背の高さが一五〇cmぐらいのゾウに似た動物だった。魔獣らしい。
そしてまたラプトルに乗った一団が走ってきたりする。武装がばらばらで戦士風や魔法使い風の人間とか人間以外とかがいる人たちだ。おそらく冒険者だろう。
「あれもラプトルですよね…でも少し違いますね」
「あれはトムラプトルです。やんちゃで戦闘になってもこわがらないので、騎士とか冒険者のような戦闘職の人が良く使います。
あっ、あれは騶虞ですね」
ネムちゃんの指さす方を見るとそこには虎に似た生き物が走っていた。
かなり大きく人間を楽々背に乗せ、しっぽが長く、まるで飛ぶように軽快に走っている。
乗っているのは重戦士系の人なのかすごい鎧に全身を包んだ偉丈夫だ。それでも騶虞は気にした様子もない。
「あれも騎獣なの?」
「ハイ、騶虞はどんな重い人を乗せても風のように入る魔獣で、草食というか果物しか食べません。ものすごく高価な騎獣ですよ」
さすがファンタジー…圧倒される。
なんかくらくらしてきた。
◆・◆・◆
さて、町に入るにはゲートをくぐらないといけない。
ターリの町には北と南にゲートがあって門番がいるのだ。
このゲートの意味はなんなのか、犯罪者をはじくことか、はたまた密輸を防ぐためか。
だが鑑定などで犯罪歴のチェックをするわけではなく、荷物のチェックもほとんどしない。
「収納の魔導具がありますから荷物のチェックは事実上不可能ですよ」
というわけだ。
となるとなんにのために彼等が居るか。
「出入りの際の税金を取るためですね」
うわーい。
と、言ったが話を聞けば当たり前のことだった。
この町に住んでいる人達は年間いくらで税金を納めている。
農業を営んでいれば出来高から割合で年貢を納めるし、町で仕事をしていれば人頭税を納める。
商売などをしていれば商業規模に合わせて商業税がかかってくる。
これらの税金は領地の運営に使われるわけだが、この町の防衛もその税金でまかなわれるわけだ。
つまりこの町で寝泊まりする者は行政の恩恵を受けることになる。
なのに恩恵だけを受けて、対になる義務、この場合は税金を納めないというのは許されないだろう。
行政としても、民衆の感情としても。
なので一時でもその町に入って施設を利用するものは『都市利用税』というのを払わなくてはならない。と定められている。
一日辺り銅貨五枚。
つまり二〇〇〇円ぐらいだな。一年分ならなら七六万八〇〇〇円相当…かなり高額だといえる。
ただ払う奴はあまりいない。なぜならこの税金を徴収されるのが俺のようなどこにも所属していない人間だけだからだ。
二人はハンターで、ハンター協会に所属していて、ハンターとして稼いだお金の二割を税金として天引きで納めているそうだ。
もっと言えば神官はフリーパス。
だからドコに行ってもこの利用税をとられることはない。
他に旅をする人というと行商人などが居るが、こちらも商業ギルドというところで商業税を払っているのでセーフ。
つまり行政にたいして税金を納めていない者がこの都市利用税の対象になる。
「それは困ったなあ…お金は持ってないぞ…」
「あっ、そうですよね、気が付きませんでした」
「物納とかは?」
「出来ますよ、でも相場より評価が安くなります…」
「良いですよ、今回は私たちの任せて下さい、助けてもらった御礼もまだしていませんし」
「いやいや、御礼は案内してもらったから気にしないでよ。今回は物納で行くよ。なんにせよ、早く獲物は換金しなくちゃいけないし、これもその一環だね」
自分で使う分は自分で稼ぐ。これは大事なことだよ。
この当たり前のことが出来ないと人間まともに生きていけないのだ。
そして順番が回ってきた。
「旅の人で身分証もない、納税証明もないか…町へは入れるが都市利用税として一日銅貨5枚かかるよ」
「物納でお願いします」
そう言って俺はガモガモを一羽渡す。
「ほう、ガモガモじゃないか、これなら一羽十五銅貨だな。三日分の滞在手形を発行しよう。あとは…」
「大丈夫です、手配書はないですね」
後ろから出てき門番がそんなことをいう。
「手配書?」
「有名な盗賊なんかは手配書が回っているんです。さすがにそういう人は通せませんから…」
「でもそういうのが門を通ったりはしないよねえ」
そういうミルテアさんで、俺も一瞬納得しかけたが。
「いやいや、そんなことはないんだよ、坊主みたいにすっぴんで通ろうとする犯罪者はいないけどな、妙にぼさぼさだったり、目元が隠れていたり、そういう変装を見抜くのも門番のスキルさ。
俺たちだって手配犯をもう三人も捕まえてるんだぜ?」
おお、それはすごい。
「まあこの辺りは辺境で端っこだからな、中央から追われたやつが流れてくるってのは結構あるんだ…門番もプロなんだぜ」
大したもんだ。
門番のおっちゃんの自慢話を聞きながら無事通過。
ミルテアさんに言わせると門番というのはザルであるらしい。
「だって、どうせ通る人を鑑定とかできないんですから、手配書が回っているような人は捕まえられますけどそうでない人は素通りですよ」
そうでない人というのは手配書が回るまは行っていない犯罪者とかだ。
「そんなことありませんよ、門番は立派な仕事です。彼らは記憶のようなスキルを持った人が多くて、手配犯なら逃したりはしません。それに経験も豊富ですから挙動不審な人にも敏感ですよ。彼らは立派に役に立ってます」
ネムちゃんは擁護派らしい。
まあ警察だってすべての犯罪者を捕まえられるわけじゃない。でも警察がいなければ社会秩序が崩壊するのもまた事実だ。
だからどこにボーダーラインを置くかの問題だろう。
ミルテアさんは結構潔癖なところがあるようだ。
きゃいきゃい言い合いをする二人を眺めとほっこりしていたおれはふいに目に入ったものにぎょっとして立ち止まった。
なななななっ、なんだこれ?
■ 〝あいつ〟無限炉の中で会った存在。真理雄に魔法を伝授した。
■ ネム。獣族の女の子、ものすごい美少女。白虎の特徴を持つ
■ ミルテア・大地母神ステルアの神官。ハーフエルフ。ものすごい巨乳。司祭様。
■ ロイド。重剣士、自分の身長と同じぐらいの剣を持つ。
■ リリ。ロイドにくっついている魔法士。お色気いっぱいのお姉さん。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
翌日は無事に町に着いた。昼過ぎだった。
町の名前はターリという。
人口は五〇〇〇人ほどで、開拓の拠点としてはほどほどの大きさらしい。
ここまでの経過を説明すすると朝方森がだんだん薄くなってきて、やがて草原になった。
常にすぐそばに件の川が見え、川に沿って進んできた感じだ。
草原になると川に沿って街道があり、その周囲は見事な草原というか結構草ぼうぼうの土地が広がっていて…はっきり言う他にはなにもない。
この辺りはコウ王国のカボン地方という土地で、キルシュ公爵という人が運営する公爵領の町の一つらしい。
まあここら辺はいいや。
どうせ聞いてもわからん。
草原を歩いていくとやがて城壁のようなものが見えてきて、そのあたりから麦畑が広がりはじめ、それが城壁まで続いている。そこがターリの街だ。
町の作りは城塞都市というやつで、町全体が壁で守られている。
町自体の大きさは長さ一km程で、その外周が全て壁に守られているわけだ。
つまり城壁の中に町があるから城塞都市ね。
惜しむらくはその城壁がすべて木材で出来ている所か。
太さ二〇cm、高さ三mほどのくいが、一〇cmほどの隙間を空けて立ち並び、それが町をおおっているわけだ。ただ…
「木の塀とはいえ三メートルもあると結構すごいな…これって…魔物対策でこの外は危ないと言う事ですかね?」
隣を歩く二人に聞いてみた。
「危ないといえばそうなんですけど、町の近くは強い魔物は出ませんよね」
「だからこちら側にも畑があるわけです。でもたまには魔物がやってくることがありますし、それを撃退するための壁なんです」
つまり魔物を入れないための壁で、ゴブリンや大ネズミ、一角ラビ程度は十分に対処きると考えられているらしい。
ここは開拓のための拠点であり、北に農地を広げその防衛をする町だ。
同時に南に広がる広大な農地を守る砦の役目も持っていて、魔物との戦いの最前線であるらしい。
とはいってもこの町が戦場になっているというわけではなく、ここに住む冒険者が北の森に侵攻し、魔物を狩ることでこの辺りを結果的に守っているということになる。
「二人もこの町の冒険者なの?」
「いえ、この北の森は月光魔草とか月下竜胆とかの名産地で、この時期は近場の冒険者が集まるんです」
「私たちはここから西に行ったベクトンという町を拠点にしているの」
冒険者の活動範囲は広いようだ。
少し行くとさらに衝撃の光景が。
やはり町に来るといろいろと異世界らしい光景が広がっているのだ。
いま目の前を農夫が動物の背中に農具や収穫物を積んで歩いていく。
農夫は獣族の人だ。耳は小さいが尻尾が揺れている。
そしてその農夫が引く動物は…でっかい鶏だった。
某RPGに出てくる大きな鳥型の騎獣に似ている。
「あ…あれは何ですか…」
「あれはノーミンラプトルですね。働き者の鳥さんです。雑食で手間がかからなくて粗食に耐えるので農家では重宝されるんです」
ほう…
「あっ、ゾウだ…」
「あれはマストドンですね。魔獣ですけど頭が良くて気象がおとなしくて、あの長い鼻で作業をも手伝ってくれるいい子ですよ」
ゾウじゃなかった。背の高さが一五〇cmぐらいのゾウに似た動物だった。魔獣らしい。
そしてまたラプトルに乗った一団が走ってきたりする。武装がばらばらで戦士風や魔法使い風の人間とか人間以外とかがいる人たちだ。おそらく冒険者だろう。
「あれもラプトルですよね…でも少し違いますね」
「あれはトムラプトルです。やんちゃで戦闘になってもこわがらないので、騎士とか冒険者のような戦闘職の人が良く使います。
あっ、あれは騶虞ですね」
ネムちゃんの指さす方を見るとそこには虎に似た生き物が走っていた。
かなり大きく人間を楽々背に乗せ、しっぽが長く、まるで飛ぶように軽快に走っている。
乗っているのは重戦士系の人なのかすごい鎧に全身を包んだ偉丈夫だ。それでも騶虞は気にした様子もない。
「あれも騎獣なの?」
「ハイ、騶虞はどんな重い人を乗せても風のように入る魔獣で、草食というか果物しか食べません。ものすごく高価な騎獣ですよ」
さすがファンタジー…圧倒される。
なんかくらくらしてきた。
◆・◆・◆
さて、町に入るにはゲートをくぐらないといけない。
ターリの町には北と南にゲートがあって門番がいるのだ。
このゲートの意味はなんなのか、犯罪者をはじくことか、はたまた密輸を防ぐためか。
だが鑑定などで犯罪歴のチェックをするわけではなく、荷物のチェックもほとんどしない。
「収納の魔導具がありますから荷物のチェックは事実上不可能ですよ」
というわけだ。
となるとなんにのために彼等が居るか。
「出入りの際の税金を取るためですね」
うわーい。
と、言ったが話を聞けば当たり前のことだった。
この町に住んでいる人達は年間いくらで税金を納めている。
農業を営んでいれば出来高から割合で年貢を納めるし、町で仕事をしていれば人頭税を納める。
商売などをしていれば商業規模に合わせて商業税がかかってくる。
これらの税金は領地の運営に使われるわけだが、この町の防衛もその税金でまかなわれるわけだ。
つまりこの町で寝泊まりする者は行政の恩恵を受けることになる。
なのに恩恵だけを受けて、対になる義務、この場合は税金を納めないというのは許されないだろう。
行政としても、民衆の感情としても。
なので一時でもその町に入って施設を利用するものは『都市利用税』というのを払わなくてはならない。と定められている。
一日辺り銅貨五枚。
つまり二〇〇〇円ぐらいだな。一年分ならなら七六万八〇〇〇円相当…かなり高額だといえる。
ただ払う奴はあまりいない。なぜならこの税金を徴収されるのが俺のようなどこにも所属していない人間だけだからだ。
二人はハンターで、ハンター協会に所属していて、ハンターとして稼いだお金の二割を税金として天引きで納めているそうだ。
もっと言えば神官はフリーパス。
だからドコに行ってもこの利用税をとられることはない。
他に旅をする人というと行商人などが居るが、こちらも商業ギルドというところで商業税を払っているのでセーフ。
つまり行政にたいして税金を納めていない者がこの都市利用税の対象になる。
「それは困ったなあ…お金は持ってないぞ…」
「あっ、そうですよね、気が付きませんでした」
「物納とかは?」
「出来ますよ、でも相場より評価が安くなります…」
「良いですよ、今回は私たちの任せて下さい、助けてもらった御礼もまだしていませんし」
「いやいや、御礼は案内してもらったから気にしないでよ。今回は物納で行くよ。なんにせよ、早く獲物は換金しなくちゃいけないし、これもその一環だね」
自分で使う分は自分で稼ぐ。これは大事なことだよ。
この当たり前のことが出来ないと人間まともに生きていけないのだ。
そして順番が回ってきた。
「旅の人で身分証もない、納税証明もないか…町へは入れるが都市利用税として一日銅貨5枚かかるよ」
「物納でお願いします」
そう言って俺はガモガモを一羽渡す。
「ほう、ガモガモじゃないか、これなら一羽十五銅貨だな。三日分の滞在手形を発行しよう。あとは…」
「大丈夫です、手配書はないですね」
後ろから出てき門番がそんなことをいう。
「手配書?」
「有名な盗賊なんかは手配書が回っているんです。さすがにそういう人は通せませんから…」
「でもそういうのが門を通ったりはしないよねえ」
そういうミルテアさんで、俺も一瞬納得しかけたが。
「いやいや、そんなことはないんだよ、坊主みたいにすっぴんで通ろうとする犯罪者はいないけどな、妙にぼさぼさだったり、目元が隠れていたり、そういう変装を見抜くのも門番のスキルさ。
俺たちだって手配犯をもう三人も捕まえてるんだぜ?」
おお、それはすごい。
「まあこの辺りは辺境で端っこだからな、中央から追われたやつが流れてくるってのは結構あるんだ…門番もプロなんだぜ」
大したもんだ。
門番のおっちゃんの自慢話を聞きながら無事通過。
ミルテアさんに言わせると門番というのはザルであるらしい。
「だって、どうせ通る人を鑑定とかできないんですから、手配書が回っているような人は捕まえられますけどそうでない人は素通りですよ」
そうでない人というのは手配書が回るまは行っていない犯罪者とかだ。
「そんなことありませんよ、門番は立派な仕事です。彼らは記憶のようなスキルを持った人が多くて、手配犯なら逃したりはしません。それに経験も豊富ですから挙動不審な人にも敏感ですよ。彼らは立派に役に立ってます」
ネムちゃんは擁護派らしい。
まあ警察だってすべての犯罪者を捕まえられるわけじゃない。でも警察がいなければ社会秩序が崩壊するのもまた事実だ。
だからどこにボーダーラインを置くかの問題だろう。
ミルテアさんは結構潔癖なところがあるようだ。
きゃいきゃい言い合いをする二人を眺めとほっこりしていたおれはふいに目に入ったものにぎょっとして立ち止まった。
なななななっ、なんだこれ?
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