女の子が異世界に

閑話～井上～

秀一君と一緒に教室で過ごしていたら突然の光に包まれて目を開けると不思議な所に来ちゃった。

凄く凄く不安で魔王がいるから倒せって言われて魔法の勉強ばっかり、しかも秀一君はあの皇女様が好きなのか凄く張り切ってる。
それが凄く嫌で、私は秀一君に抱いてもらうことにした。
訓練の終わり海部に雑用を押し付けて急いで秀一君の所に向かう。
秀一君は既に部屋に戻っている。兵士の人に言われて秀一君の部屋のドアを叩く。

「秀一君？私、茜。少し話があるの。入っていい？」
「茜？入れば？」
秀一君に言われて部屋に入るとお風呂に入ってたのかバスローブみたいなのをきた秀一君が立っていた。
以外とお腹とか割れていてドキドキして言葉が出なかった。

「で？なんか用か？」
「ふぇ？あ……うん。あのね……秀一君に私をもらって欲しいの」
声をかけられたことで変な声が出てしまい恥ずかしかったけど勇気を出して想いを伝えた。
「………いいのか？」
「う、うん。秀一君にもらって欲しいの。私、この世界に来てから凄く不安で……いつモンスターと戦うかわからないから、一度でもいいから秀一君との思い出が欲しいの。それがあれば頑張れる気がするの」
「………わかった。おいで、茜」
秀一君は私を優しく抱きしめベットに連れて行ってくれた。
















あれから何度か秀一君と夜を過ごしとうとう私達の実戦が始まった。
ダンジョンの中は少しジメジメしてたけど出てくるモンスターは弱いし、全然怖くなくなった。
秀一君がダンジョンのエリアボスを倒しに行こうと先導した。

エリアボスのいる部屋に入るとそこには大きなモンスター(オーガ)がいた。
秀一君達が攻撃をどんどん仕掛ける私も魔法を放つがあのモンスターには効いていなかった。
秀一君がモンスターに吹き飛ばされた。
「っ！秀一君！」
声にならない悲鳴をあげ秀一君の側に駆け寄る。
「秀一君！秀一君しっかり！」
知佳ちゃんが快復魔法で秀一君を治してくれた。
目が醒めるのを待つと秀一君はひどく怯えていた。

「ひ、ひぃぃ！」
眼を覚ました秀一君はモンスターが向かってくるのを見て
「い、いやだ！死にたくねぇ！お、おい！海部！お前囮になれ！その間俺は逃げる！」
私達は海部を囮にして逃げる事にした。
部屋を飛び出しそこからは出てくるモンスターを凄い勢いで倒していった。

そして私は見てしまった。
海部がモンスターに押しつぶされそうになるのを………
一生懸命走ってやっとダンジョンから出る事が出来た。


「はぁはぁはぁ、も、もう平気だろ」
「勇者様、何故新垣殿と海部殿を置いてきたのですか！」
魔術師指導のアイリーンが秀一君に怒っていた。アイリーンさんは秀一君が無理矢理引っ張ってきたからだ。

「うるさい！あそこで俺が負ける訳にはいかねぇだろうが！俺は勇者なんだぞ！」
「っ！…新垣殿の言うとうりということか」
「あぁ？なんだ、俺に意見するってのか？そもそも護衛役のお前らが情けねぇからこんなことになったんだろうが、それにあの二人なら別にいなくても変わんねぇだろ」

私は秀一君の考えは正しいと思う。だって海部は死んだんだから。
「そうよ！新垣は能力なしだし、海部の能力は私と同じなんだからいなくても同じよ！」
「……そ、そうか、そうだよな！役に立たずが最後に役に立っただけだよな」
役立たずの二人が死んだだけと言う流れになり私達は城に戻る事にした。














……まさか再会するなんて夢にも思わなかった……