女の子が異世界に

オウガ

文字の大きさ
上 下
14 / 74

第11話

しおりを挟む
「どうした?終わりか?…ならば我らの愛の巣へといこうではないか!」
ギルドマスター・名をグラガさんという。
そのグラガさんがジリジリと海部君のそばに歩み寄り海部君は私を盾に後ろに下がっていく。

「………海部君…私を盾にするのやめてほしいんだけど…」
「ごめん、新垣さん…でもこうしないとあの変態に襲われる」
「ははは!さあ、こっちにおいで。愛しい人よ」
「嫌です!僕は男です!」
私を巻き込んだ海部君とグラガさんの攻防は数分続きミラさんが止めるまで振り回された。

「はいはい!マスターこの子は本当に男の子ですよ。……本当可愛い物に目がないんですから」
「むぅ。致し方ない……確か今日は新規冒険者のランク付けだったな…ミラ、ギルドランクの説明は?」
「一応しました。もう一度しときますか?」
「あー、お願いします。なんかさっきのやりとりで忘れました」
私は海部君とグラガさんに振り回されてミラさんの説明を忘れてしまいもう一度説明をお願いした。
「…では説明します。ギルドランクとは冒険者の力に合わせてランク付けされます。最高ランクからSS、S、A、B、C、D、E、Fランクとあり、最初はFかEランクから始めギルドクエストの討伐系を10回以上でDランクに上がりCランクからはギルドマスターからの依頼クエストをクリアすれば上がっていけます。…後はランクアップの時に改めて説明するわ」
「と、いうわけだ!そして………そういえば名前を聞くのを忘れていた」
「マスター!!」
ミラさんからお叱りを受けて萎縮していたマスターに改めて自己紹介をした。

「私の名はアラガキ・ダルク・ミキです。なまえはミキの方なんですけどアラガキと呼んでください」
「……僕はアマザキ・ハルカ、性別男、僕もハルカがなまえだけどアマザキで…」
「ほう!愛しい子の名はハルカと言うのか!ではハルカ、君のランクはEランクだ!本当はDからでもいいんだが…」
ギルドマスターがミラさんの方をチラリと見るがミラさんのちょっと怒気をはらんだ笑顔で言葉をつまらせた。
「ま、まぁハルカの力ならすぐに上がるだろう。……アラガキだったな。今度はお前さんの力を見してもらう。お前さん戦闘スタイルはなんだ?」
「一応剣です。魔法も使えますが…あまり得意ではない」
「よし!ではかまえろ!…ミラ合図を頼む」
双方距離をとり、武器を構え合図を待った。
「……双方よろしいですね………始め!!」




力試しなので私の方から動いた。
「はっ!」
合図直後に飛び出し下から胴へと斬りつけたが大斧に阻まれた。
「がはは!意外とやるなぁ」
さすがに真っ向からの力勝負には勝てず押し負け、今度はマスターからの攻撃、上段からの縦斬り
それをギリギリで避け懐に入り混んで柄で腹を殴り苦痛に歪んだところで畳み掛けるように蹴りを入れた。
「ぐっ!…さすがハルカと一緒に来ただけはあるな……だがハルカは渡さん!」
マスターの言葉に驚愕し隙を見せてしまい斬りこまれた。
「隙ありぃぃ!」
「僕はお前のものじゃない!新垣さん!やっちゃえぇ~」
なんとか防御が間に合いふきとばされたが耐えることができた。
「……なんだか妬いてしまうな……これは本気でヤるか」
さっきの声援を皮切りにして海部君の声援が激しさを増したことでマスターはヤキモキしたらしい。
……ヤるかって言葉が殺るかって聞こえたよ…。
「やだなぁ。これ試験でしょ?そろそろやめません?」
「何を言う…我が想い人から声援を受けてる人間を野放しにするわけないだろう?全身全霊で相手しよう……………ぐぉぉぉぉぉぉ!」
ギルドマスターの叫びと共にマスターの体が光り次の瞬間、マスターがいた所には全身を毛で覆われ頭には熊耳がついた人?がいた。
「フゥ…どうだ驚いたか?俺は熊の獣人なのだ!この姿に戻したからにはボロボロに負けてもらい、ハルカの愛を手に入れさせてもらうぞ!」
「いやいや、海部君は関係ないし!マスター獣人だったの?人間にしか見えなかったのに」
「俺ぐらい強くなれば変化くらいお手のものさ………行くぞ!」
再びマスターとの戦闘が始まった。
しおりを挟む

処理中です...