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第3話 世界一の蝶のコレクター
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エメルトン夫人は、この浮ついた機内で旅行気分になり、しきりに騒いでいる誰をも相手にしたくないような、冷淡な素ぶりを、ここまで貫いていた。しかし、その実は、しっかりと周囲の会話には聞き耳を立てていて、この二人の悪だくみにも目ざとく注意を向けていた。その上で、コンボイ青年の思い上がりにも似た意見を耳にして、大いに憤慨して席を立った。そして、こちらを見てほくそ笑む二人の姿を、その鋭い目で睨みつけた。
「黙って聞いていれば、何という乱暴な言い草でしょう。宝くじの大当たりを、一度の人生で二度も出してみせる、という強運がいかほどのものか、あなた方凡人にはわからないんですの? あなた方は簡単な確率計算すらもできない知能の持ち主なんですか? いったい、どこの学校をお出になったのか……。そりゃあ、この私とて時には外れくじを引かされることもあります。確率で語るなら、それはあるでしょう。どんなに素晴らしいタイムを出せる陸上選手でも、時として地面に転がる石ころにつまづくこともあります。後世に長く語り継がれる偉人の人生とて、若い頃から老年期まで、すべて順当に進んでいくわけではありますまい。時には残酷な運命の手によって、外れくじを引かされることもあります。思いがけぬ不幸に際して涙することもあります。しかし、この私はその外れによって運量を整えているんです。人生の中に運量の高い山を作り出すためには、その前後には必ず深い谷も必要なんです。私が週一回の宝くじで、わざと外れくじを引いたり、台所で濡れた手を滑らせて、不用意にお皿を割ったりしてみせるのは、次に大当たりを引き出すための、いわば撒き餌なんです。わざと平民のような振る舞いをしてみせることで、いざというときに爆発的な大当たりを出す確率を引き上げているんです。あなた方のような俗物が、運という概念について、何も知らない癖に選ばれし民を非難してみせると、必ずや後で大やけどをしますよ!」
老医師とトンボイ青年は好運女王のがなり声に顔を見合わせて、彼女がこの会話に気を引かれ、乗ってきたことを、これ幸いと思った。周囲に大勢の関係者が集まってきて、何ごとかと興味深くこの様子を見守っている、この場面において、堂々と彼女を言い負かしてやれば、強運者の会での風向きも変えられるのではと二人は思っていた。
「完璧などはない、人生には谷もあるとおっしゃいましたが、それはアメリカ最大の幸運者のお言葉とも思えませんね。私が言いたいのはね、エメルトンさん。あなたは元々しがない地方の農村の生まれであり、宝くじのことさえなければ、あんなにマスコミ各社から引っ張りだこになることも、多くの国民から羨ましがられることも、生涯なかったということですよ。一生寒村の狭い一軒家で、昼は畑いじりをして、夜は狭く汚い台所で皿洗いをしながら、害虫と埃に追われ、長い人生をだらだらと過ごすはずだったというわけです。いい加減、それくらいはお認めになったらどうです? 自分は本来はつまらない人間であると、突風のような強運さえ舞い降りて来なければ、何の才能すらも持ち合わせていない存在だということをね」
まさか、人生の絶頂期にある自分が、こんなどこにでもいそうな一青年から、こき下ろされるとは思ってもいなかったので、夫人は激しく動揺した。自分を尊敬したり、反対に妬んだりする人間としか付き合って来なかった、心の脆弱さを露見する結果となってしまった。
「何ですって? あなた方は世界最大の運量の持ち主といわれる私をつまらない人間だと思ってらっしゃいますの?」
エメルトン夫人は怒りで血の気が引き、顔を真っ青にした。その細い身体は、目の前の馬鹿どもをどうしてやろうかと、わなわなと震えていた。この二人を言い負かして、頭を下げさせて、そのまま、髪の毛を引きずって、地面に叩き伏せてやりたかったが、まさか、過去の農村生活のことまで引き合いに出されるとは思っておらず、動揺のあまり、しばらく言葉が出てこなかった。彼女の激しい動揺を見てとった老医師はこの時とばかりに、一歩踏み出して彼女の眼前に立ちはだかった。
「エメルトン夫人、おそらく私のことはご存知ないでしょうな」
「ええ、あなたも今度の会の参加者ですの?」
老医師は、うやうやしくその白髪頭を下げてから堂々とした声で挨拶した。
「その通り、私はペルーの出身者の生物研究者で、南米では有数の強運者の一人なんです。参加者のすべてを見下し、偉ぶっているあなたが、実はどれほどくだらない人間かを説明する前に、まずは私自身の紹介から始めた方がいいでしょうな。私は医業のかたわら、アメリカ南部の田舎町に引きこもって蝶のコレクターをしておりましてな。この歳になるまでには、世界中をさまよい歩いて、蝶の標本を集め、その数はすでに五万種類以上にもなります。中央アフリカの広大なサバンナにも、インドの未踏の密林にも行きました。人けのない高原で虫取り網を構えながら、三日三晩伝説の蝶の出現を待ったこともあります。およそ、現代人が目にすることが可能な蝶はすべてこの手に入れたと言っても過言ではありません。しかし、この私にもいまだ手に入らない蝶が一羽だけいたのです。パープルカナリヤ蝶という絶滅危惧種の蝶だけは世界中のどこを旅しても、どの業者に依頼しても、結局のところ、捕まえることが出来ませんでした。それもそのはず、世界昆虫学会の発表によれば、この蝶は数十年前には、すでに地上から絶滅したことになっていたのですから。ある専門家に話を聞いたところでは、万が一、この広大な大陸のどこかに偶然生き残っていたとしても、その数は数匹程度がやっとだろうということでした。つまり、この国に無数にある、だだっ広い森林の中から人間の目でそれを見つけるのは、困難をはるかに通り越して不可能だろうと言うのです。
私はその説明を聞いて、さすがにあきらめる気持ちになりました。コレクションに一つの大きな穴が空いてしまうのは残念ですが、これも課せられた運命とあきらめ、残りの人生を一人の昆虫学者として静かに暮らしていこうと思っていました。伝説の蝶には出会えずとも、私の蝶のコレクションが一級品であることは、誰が考えても間違いないと証明されていたからです。ところが、それは旅先の農村でのある夜です。昼間はかなり蒸し暑く、静かな夜が訪れても、気温はなかなか下がらず、その日を特別な日とは思えませんでした。書斎で一人で仕事をしておりますと、午前零時を回っても、少しの蒸し暑さを感じまして、窓を細めに開けることにしました。それから五分ほど、そのままの状態で論文の仕事に没頭していました。すると、不意に森の方から飛んできたと思われる色鮮やかな蝶が室内に舞い込んで来たのです。それは私が一度も目にしたことのない美しい羽模様でした。(この私がですよ。世界中の蝶をコレクションしているこの私が!)赤や紫色の蛍光色で彩られながらも、その色の調和は、まったく下品なところを感じませんでした。しかも、その蝶は左右の羽根の模様がまるで異なっていたのです。私は混乱のさなかにありましたが、一目でこの蝶が追い求めていたカナリヤ蝶だと判断したのです。そのような奇怪な羽根を持った蝶を私は他に知りません。
私はしばらく夢中になって、その天使の羽根に見入ってしまいました。蝶は私の机の上に拡げられたノートの上にじっと止まって羽を休めているようで、それから数分が経過しても、逃げ出すような素ぶりは、ちっともありませんでした。まるで……、いや、これは私の想像になりますが、この伝説の蝶は私を一流のコレクターと認めた上で、この私をわざわざ賞賛するために、また会話を楽しむために天空から降りてきたかのようでした。私は目の前に生涯追い求めてきた蝶を見据えながらも、それを捕らえてやろうという気持ちが少しも起きませんでした。そういう純粋で落ち着いた自分の気持ちを不思議にさえ思いました。どんな分厚い昆虫図鑑にも、載っていないこのような蝶はもはや虫ではありません。すでに宝石を通り越して、天界からの使者にも等しいものです。この美しさ極まった蝶をこの老いさらばえた研究者の手で捕らえて、さらに標本にして、世間の興味の目にさらしてしまう? そのような乱暴なことが果たして許されるのでしょうか? それは天に唾する行為にも思えました。私はそのまま、何を考えるということもなく、約一時間はその蝶と見つめあっていました。それは運命の神が私に与えてくれた、人生でもっとも幸福なひと時に思えました。しかし、夜は無限ではありません。別れの時間は近づくものです。私はその間もずっと、この蝶をこの手で捕まえるべきか、それとも、目の前の生物を神の使いだからとあきらめて、このまま逃がしてしまうべきかと葛藤に揺れていました。道徳を取るのか、名声や財産を取るのか、心は激しく揺れていました。
結論から申し上げれば、私は熟慮の末、結局その蝶を捕らえました。ご批判を下さいますな。私の長年の蝶コレクターとしての人生が、この体内を流れる熱い研究者の血が、このまま、あの美しいカナリヤ蝶を逃がすことを許してくれなかったのです。しかし、天使はその白い体内からその美しい血を流してこそ、より美しく見える。そして、キリストのように、死してなお生きるということもあります。カナリヤ蝶もこうして一つのStoryを残して、私のコレクションに大人しく収まってくれました。私はすぐにその夜の美しき出会いのことを文章に綴って出版しました。反響は凄まじく、その本は売れに売れ、私は蝶のコレクターの第一人者として世界に紹介されることになりました。各国でベストセラーとなった本の売り上げで億万長者にもなれました。政財界に多くの友人も出来ました。さて、エメルトン夫人、どうです? あなたの運だけの人生と違って、私の半生には輝かしいロマンがあるのではないですか? ただ、気まぐれにくじを引いて、あぶく銭を集めるだけが人生ではありますまい。ロンドンの会場に集まっている人々も、あなたの単純極まりない人生よりも、夢とロマンに満ちた私の人生の方を高く評価してくれるのではないでしょうか? あなたの率直な感想をぜひお聞かせ願いたいですな」
「黙って聞いていれば、何という乱暴な言い草でしょう。宝くじの大当たりを、一度の人生で二度も出してみせる、という強運がいかほどのものか、あなた方凡人にはわからないんですの? あなた方は簡単な確率計算すらもできない知能の持ち主なんですか? いったい、どこの学校をお出になったのか……。そりゃあ、この私とて時には外れくじを引かされることもあります。確率で語るなら、それはあるでしょう。どんなに素晴らしいタイムを出せる陸上選手でも、時として地面に転がる石ころにつまづくこともあります。後世に長く語り継がれる偉人の人生とて、若い頃から老年期まで、すべて順当に進んでいくわけではありますまい。時には残酷な運命の手によって、外れくじを引かされることもあります。思いがけぬ不幸に際して涙することもあります。しかし、この私はその外れによって運量を整えているんです。人生の中に運量の高い山を作り出すためには、その前後には必ず深い谷も必要なんです。私が週一回の宝くじで、わざと外れくじを引いたり、台所で濡れた手を滑らせて、不用意にお皿を割ったりしてみせるのは、次に大当たりを引き出すための、いわば撒き餌なんです。わざと平民のような振る舞いをしてみせることで、いざというときに爆発的な大当たりを出す確率を引き上げているんです。あなた方のような俗物が、運という概念について、何も知らない癖に選ばれし民を非難してみせると、必ずや後で大やけどをしますよ!」
老医師とトンボイ青年は好運女王のがなり声に顔を見合わせて、彼女がこの会話に気を引かれ、乗ってきたことを、これ幸いと思った。周囲に大勢の関係者が集まってきて、何ごとかと興味深くこの様子を見守っている、この場面において、堂々と彼女を言い負かしてやれば、強運者の会での風向きも変えられるのではと二人は思っていた。
「完璧などはない、人生には谷もあるとおっしゃいましたが、それはアメリカ最大の幸運者のお言葉とも思えませんね。私が言いたいのはね、エメルトンさん。あなたは元々しがない地方の農村の生まれであり、宝くじのことさえなければ、あんなにマスコミ各社から引っ張りだこになることも、多くの国民から羨ましがられることも、生涯なかったということですよ。一生寒村の狭い一軒家で、昼は畑いじりをして、夜は狭く汚い台所で皿洗いをしながら、害虫と埃に追われ、長い人生をだらだらと過ごすはずだったというわけです。いい加減、それくらいはお認めになったらどうです? 自分は本来はつまらない人間であると、突風のような強運さえ舞い降りて来なければ、何の才能すらも持ち合わせていない存在だということをね」
まさか、人生の絶頂期にある自分が、こんなどこにでもいそうな一青年から、こき下ろされるとは思ってもいなかったので、夫人は激しく動揺した。自分を尊敬したり、反対に妬んだりする人間としか付き合って来なかった、心の脆弱さを露見する結果となってしまった。
「何ですって? あなた方は世界最大の運量の持ち主といわれる私をつまらない人間だと思ってらっしゃいますの?」
エメルトン夫人は怒りで血の気が引き、顔を真っ青にした。その細い身体は、目の前の馬鹿どもをどうしてやろうかと、わなわなと震えていた。この二人を言い負かして、頭を下げさせて、そのまま、髪の毛を引きずって、地面に叩き伏せてやりたかったが、まさか、過去の農村生活のことまで引き合いに出されるとは思っておらず、動揺のあまり、しばらく言葉が出てこなかった。彼女の激しい動揺を見てとった老医師はこの時とばかりに、一歩踏み出して彼女の眼前に立ちはだかった。
「エメルトン夫人、おそらく私のことはご存知ないでしょうな」
「ええ、あなたも今度の会の参加者ですの?」
老医師は、うやうやしくその白髪頭を下げてから堂々とした声で挨拶した。
「その通り、私はペルーの出身者の生物研究者で、南米では有数の強運者の一人なんです。参加者のすべてを見下し、偉ぶっているあなたが、実はどれほどくだらない人間かを説明する前に、まずは私自身の紹介から始めた方がいいでしょうな。私は医業のかたわら、アメリカ南部の田舎町に引きこもって蝶のコレクターをしておりましてな。この歳になるまでには、世界中をさまよい歩いて、蝶の標本を集め、その数はすでに五万種類以上にもなります。中央アフリカの広大なサバンナにも、インドの未踏の密林にも行きました。人けのない高原で虫取り網を構えながら、三日三晩伝説の蝶の出現を待ったこともあります。およそ、現代人が目にすることが可能な蝶はすべてこの手に入れたと言っても過言ではありません。しかし、この私にもいまだ手に入らない蝶が一羽だけいたのです。パープルカナリヤ蝶という絶滅危惧種の蝶だけは世界中のどこを旅しても、どの業者に依頼しても、結局のところ、捕まえることが出来ませんでした。それもそのはず、世界昆虫学会の発表によれば、この蝶は数十年前には、すでに地上から絶滅したことになっていたのですから。ある専門家に話を聞いたところでは、万が一、この広大な大陸のどこかに偶然生き残っていたとしても、その数は数匹程度がやっとだろうということでした。つまり、この国に無数にある、だだっ広い森林の中から人間の目でそれを見つけるのは、困難をはるかに通り越して不可能だろうと言うのです。
私はその説明を聞いて、さすがにあきらめる気持ちになりました。コレクションに一つの大きな穴が空いてしまうのは残念ですが、これも課せられた運命とあきらめ、残りの人生を一人の昆虫学者として静かに暮らしていこうと思っていました。伝説の蝶には出会えずとも、私の蝶のコレクションが一級品であることは、誰が考えても間違いないと証明されていたからです。ところが、それは旅先の農村でのある夜です。昼間はかなり蒸し暑く、静かな夜が訪れても、気温はなかなか下がらず、その日を特別な日とは思えませんでした。書斎で一人で仕事をしておりますと、午前零時を回っても、少しの蒸し暑さを感じまして、窓を細めに開けることにしました。それから五分ほど、そのままの状態で論文の仕事に没頭していました。すると、不意に森の方から飛んできたと思われる色鮮やかな蝶が室内に舞い込んで来たのです。それは私が一度も目にしたことのない美しい羽模様でした。(この私がですよ。世界中の蝶をコレクションしているこの私が!)赤や紫色の蛍光色で彩られながらも、その色の調和は、まったく下品なところを感じませんでした。しかも、その蝶は左右の羽根の模様がまるで異なっていたのです。私は混乱のさなかにありましたが、一目でこの蝶が追い求めていたカナリヤ蝶だと判断したのです。そのような奇怪な羽根を持った蝶を私は他に知りません。
私はしばらく夢中になって、その天使の羽根に見入ってしまいました。蝶は私の机の上に拡げられたノートの上にじっと止まって羽を休めているようで、それから数分が経過しても、逃げ出すような素ぶりは、ちっともありませんでした。まるで……、いや、これは私の想像になりますが、この伝説の蝶は私を一流のコレクターと認めた上で、この私をわざわざ賞賛するために、また会話を楽しむために天空から降りてきたかのようでした。私は目の前に生涯追い求めてきた蝶を見据えながらも、それを捕らえてやろうという気持ちが少しも起きませんでした。そういう純粋で落ち着いた自分の気持ちを不思議にさえ思いました。どんな分厚い昆虫図鑑にも、載っていないこのような蝶はもはや虫ではありません。すでに宝石を通り越して、天界からの使者にも等しいものです。この美しさ極まった蝶をこの老いさらばえた研究者の手で捕らえて、さらに標本にして、世間の興味の目にさらしてしまう? そのような乱暴なことが果たして許されるのでしょうか? それは天に唾する行為にも思えました。私はそのまま、何を考えるということもなく、約一時間はその蝶と見つめあっていました。それは運命の神が私に与えてくれた、人生でもっとも幸福なひと時に思えました。しかし、夜は無限ではありません。別れの時間は近づくものです。私はその間もずっと、この蝶をこの手で捕まえるべきか、それとも、目の前の生物を神の使いだからとあきらめて、このまま逃がしてしまうべきかと葛藤に揺れていました。道徳を取るのか、名声や財産を取るのか、心は激しく揺れていました。
結論から申し上げれば、私は熟慮の末、結局その蝶を捕らえました。ご批判を下さいますな。私の長年の蝶コレクターとしての人生が、この体内を流れる熱い研究者の血が、このまま、あの美しいカナリヤ蝶を逃がすことを許してくれなかったのです。しかし、天使はその白い体内からその美しい血を流してこそ、より美しく見える。そして、キリストのように、死してなお生きるということもあります。カナリヤ蝶もこうして一つのStoryを残して、私のコレクションに大人しく収まってくれました。私はすぐにその夜の美しき出会いのことを文章に綴って出版しました。反響は凄まじく、その本は売れに売れ、私は蝶のコレクターの第一人者として世界に紹介されることになりました。各国でベストセラーとなった本の売り上げで億万長者にもなれました。政財界に多くの友人も出来ました。さて、エメルトン夫人、どうです? あなたの運だけの人生と違って、私の半生には輝かしいロマンがあるのではないですか? ただ、気まぐれにくじを引いて、あぶく銭を集めるだけが人生ではありますまい。ロンドンの会場に集まっている人々も、あなたの単純極まりない人生よりも、夢とロマンに満ちた私の人生の方を高く評価してくれるのではないでしょうか? あなたの率直な感想をぜひお聞かせ願いたいですな」
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