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第一章 婚約破棄編
メルセンツ先輩の持ち物すべてが黄色く光っているわけじゃありません。
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ラシン邸で想像以上の疲労感を蓄積したわたし達だったけれど、ヘリオスは自室へ戻るなり手紙を書いたり、書斎で調べ物をしたりと忙しく動き回っているみたいだ。さすが出来た弟。次期バンブリア商会当主!ひゅーひゅー!
わたしは二階の窓枠から木へ飛び移ったり、男子2人のじゃれあいを止めたりと、なんだか疲労連鎖が途切れないので忙しそうな弟を横目に温室で夕食前のティータイムで寛ぐことにした。が、何故か自称護衛のハディス様と、オルフェンズが同席しているから、まったく気が休まらない。
「あらまぁ、両手に花だなんて随分豪勢なティータイムなのね。私も加わって良いかしら」
「普通、花って言われるのは、わたしなんじゃないですか?お母さま」
じとりと、声の掛かった方を見遣ると、書類の入った封筒を小脇に抱えたオウナが微笑みながらガラス張りの室内へ入ってくるところだった。
「セレネ、あなたの提案してくれたマジックテープだけど、企画会議での評判が良くてね。取り敢えず試験的に何点か品種を揃えて市場の反応を見てみようと云うことになったの。材料の準備は出来そうかしら」
「やった!じゃあひと狩り行って来ます!」
「「え!?」」
オウナとハディスの声が揃う。
「大丈夫です!スライムとトレントしか使いませんから簡単に倒せます。学園も休みだし、誘拐犯は魔物のところまで付いてきませんから」
「あのさぁ……魔物が現れるところに、普通のご令嬢は出掛けないから、誘拐犯が現れないんだと思うよー」
なら結果オーライなはずなのに、母は口元をひきつらせているし、ハディスからはゲンナリした視線を送られる。
「商会や冒険者に頼まないのは、鮮度が大事だからですよ。断じて、みんなの仕事の姿勢を侮っている訳じゃないですからね。それに、運動にもなりますから健康と素材の両得なんです!」
この世界では、石油素材にはまだ出会ったことがない。そこで、マジックテープ開発のネックとなっていたのが樹脂的な繊維の開発だったのだけれど、それは魔物素材の活用と言う名のわたしの思い付きで、飛躍的な発展を見た。スライムの粘性とトレントの繊維の調合割合は弟の努力の賜物だ。
もしかしてつくれるんじゃない?と言うわたしの無責任な一言から完品へと昇華させてくれた弟を褒め称えたい。
「さすがは桜の君。私もお伴致しますよ」
なんだかわたしに対する呼称が平安貴族みたいになってるけど、協力してくれるのなら問題ない。
というわけで、早速狩りの準備を、とうきうき腰を浮かせかけたところで、母がバサリと持参した封筒から出した書類をテーブルに広げた。
「嬉しそうなところ、残念なんだけど学園が始まるってお知らせが来たわよ。何でも、想定より早く不審者侵入の件はかたがついたらしいわ」
母は、ハディスを見ながら言っているけど、どちらかというと見るべきはオルフェンズじゃないのかな。不審者張本人なんだから。ちなみに学園再開は一週間後だとか。なら余裕で狩りには行けるんだけど、さっきの2人の反応を見ていたわたしは心の中でこっそりガッツポーズをするに留めた。
夕食は、珍しく忙しい家族が揃って摂ることとなった。なぜかやっぱりと言うべきか、同じテーブルに自称護衛のハディスがついているのは、もはや誰も突っ込まない。そして、家長の父の次に給仕されているのにも……。だから何者な訳!?
オルフェンズは、いつものようにふらりと居なくなっている。
そして、ここぞとばかりにヘリオスがわたしが巻き込まれた出来事に関する最近の調査結果を話し出したんだけど……。時間をムダにしたくない姿勢は嫌いじゃないけど、ご飯はゆっくり食べたいなぁ。
「――ですので、特殊な魔力による混乱が疑われると言う曖昧な情報だけでは、王都警邏隊からの協力は期待できないと考えられますので、商会を通じての証拠固めの線でいけないかと考えております」
「へぁ?」
あ、変な声出た。
弟からの冷たい視線は、心に突き刺さるよ。別に聞いていなかった訳じゃないよ。思い切りサラダを頬張ってただけだから!ごっくん。
「そもそも警邏隊なんて、使っちゃダメでしょ。あんな婚約破棄劇なんて演じた人たちまで出ているのに、公の機関なんて使ったら、聴き込みとかされて情報が広がって、さらに傷口に塩状態でしょ。あの2人社会復帰出来なくなっちゃうよ?あと、曖昧な情報じゃないよ。あんな黄色い魔力なんて、誰も見たことないんじゃない?」
「黄色ですか?」
あれー?ヘリオスは、ラシン邸で一緒に見たと思ったけど、気付かなかったのかな。ならば物証を示せば良い、というわけで『あんちゃん』が持ち帰ったクッキーを持ってきてもらった。
ハンカチを広げると、ラシン邸で受け取ったときよりも更に更にうっすーくなった黄色い魔力を放っている。
「なんだいこれは?物騒なクッキーだね。メルセンツ君の持ち物かね?」
「お父様、メルセンツ先輩の持ち物すべてが黄色く光っているわけじゃありませんからね」
父は、フォーレン侯爵家でメルセンツの薄黄色い魔力を帯びた液体の詰まったペンダント容器と、それが起こした顛末を知っている。おそらく、黄色い魔力が身体に入らないようにしたいのだろう、ナプキンで口と鼻を塞いでいるけど、魔力は匂いじゃないので、口鼻を隠したところで何の効果もないのだけれど。
「黄色?光っているの?私には普通のクッキーに見えるけど」
「お姉さまとお父様には、そのクッキーが黄色い魔力を纏っているように見えると、おっしゃるのですか?」
あれれー?黄色い魔力って見える人と見えない人がいるの?
ハディスは見えていたみたいだから、何も疑問に思っていなかったけど、見えるわたしや父と、家族である母、弟には見えていないらしい。それでヘリオスは、王都警邏隊へ説明しようにも『特殊な魔力による混乱が疑われると言う曖昧な情報』しかないと言い切ったんだ。
そんなわけでこの件は、魔力の色が判るハディスの協力も得て、バンブリア商会が物流を通しての調査も行うこととなった。
わたしは二階の窓枠から木へ飛び移ったり、男子2人のじゃれあいを止めたりと、なんだか疲労連鎖が途切れないので忙しそうな弟を横目に温室で夕食前のティータイムで寛ぐことにした。が、何故か自称護衛のハディス様と、オルフェンズが同席しているから、まったく気が休まらない。
「あらまぁ、両手に花だなんて随分豪勢なティータイムなのね。私も加わって良いかしら」
「普通、花って言われるのは、わたしなんじゃないですか?お母さま」
じとりと、声の掛かった方を見遣ると、書類の入った封筒を小脇に抱えたオウナが微笑みながらガラス張りの室内へ入ってくるところだった。
「セレネ、あなたの提案してくれたマジックテープだけど、企画会議での評判が良くてね。取り敢えず試験的に何点か品種を揃えて市場の反応を見てみようと云うことになったの。材料の準備は出来そうかしら」
「やった!じゃあひと狩り行って来ます!」
「「え!?」」
オウナとハディスの声が揃う。
「大丈夫です!スライムとトレントしか使いませんから簡単に倒せます。学園も休みだし、誘拐犯は魔物のところまで付いてきませんから」
「あのさぁ……魔物が現れるところに、普通のご令嬢は出掛けないから、誘拐犯が現れないんだと思うよー」
なら結果オーライなはずなのに、母は口元をひきつらせているし、ハディスからはゲンナリした視線を送られる。
「商会や冒険者に頼まないのは、鮮度が大事だからですよ。断じて、みんなの仕事の姿勢を侮っている訳じゃないですからね。それに、運動にもなりますから健康と素材の両得なんです!」
この世界では、石油素材にはまだ出会ったことがない。そこで、マジックテープ開発のネックとなっていたのが樹脂的な繊維の開発だったのだけれど、それは魔物素材の活用と言う名のわたしの思い付きで、飛躍的な発展を見た。スライムの粘性とトレントの繊維の調合割合は弟の努力の賜物だ。
もしかしてつくれるんじゃない?と言うわたしの無責任な一言から完品へと昇華させてくれた弟を褒め称えたい。
「さすがは桜の君。私もお伴致しますよ」
なんだかわたしに対する呼称が平安貴族みたいになってるけど、協力してくれるのなら問題ない。
というわけで、早速狩りの準備を、とうきうき腰を浮かせかけたところで、母がバサリと持参した封筒から出した書類をテーブルに広げた。
「嬉しそうなところ、残念なんだけど学園が始まるってお知らせが来たわよ。何でも、想定より早く不審者侵入の件はかたがついたらしいわ」
母は、ハディスを見ながら言っているけど、どちらかというと見るべきはオルフェンズじゃないのかな。不審者張本人なんだから。ちなみに学園再開は一週間後だとか。なら余裕で狩りには行けるんだけど、さっきの2人の反応を見ていたわたしは心の中でこっそりガッツポーズをするに留めた。
夕食は、珍しく忙しい家族が揃って摂ることとなった。なぜかやっぱりと言うべきか、同じテーブルに自称護衛のハディスがついているのは、もはや誰も突っ込まない。そして、家長の父の次に給仕されているのにも……。だから何者な訳!?
オルフェンズは、いつものようにふらりと居なくなっている。
そして、ここぞとばかりにヘリオスがわたしが巻き込まれた出来事に関する最近の調査結果を話し出したんだけど……。時間をムダにしたくない姿勢は嫌いじゃないけど、ご飯はゆっくり食べたいなぁ。
「――ですので、特殊な魔力による混乱が疑われると言う曖昧な情報だけでは、王都警邏隊からの協力は期待できないと考えられますので、商会を通じての証拠固めの線でいけないかと考えております」
「へぁ?」
あ、変な声出た。
弟からの冷たい視線は、心に突き刺さるよ。別に聞いていなかった訳じゃないよ。思い切りサラダを頬張ってただけだから!ごっくん。
「そもそも警邏隊なんて、使っちゃダメでしょ。あんな婚約破棄劇なんて演じた人たちまで出ているのに、公の機関なんて使ったら、聴き込みとかされて情報が広がって、さらに傷口に塩状態でしょ。あの2人社会復帰出来なくなっちゃうよ?あと、曖昧な情報じゃないよ。あんな黄色い魔力なんて、誰も見たことないんじゃない?」
「黄色ですか?」
あれー?ヘリオスは、ラシン邸で一緒に見たと思ったけど、気付かなかったのかな。ならば物証を示せば良い、というわけで『あんちゃん』が持ち帰ったクッキーを持ってきてもらった。
ハンカチを広げると、ラシン邸で受け取ったときよりも更に更にうっすーくなった黄色い魔力を放っている。
「なんだいこれは?物騒なクッキーだね。メルセンツ君の持ち物かね?」
「お父様、メルセンツ先輩の持ち物すべてが黄色く光っているわけじゃありませんからね」
父は、フォーレン侯爵家でメルセンツの薄黄色い魔力を帯びた液体の詰まったペンダント容器と、それが起こした顛末を知っている。おそらく、黄色い魔力が身体に入らないようにしたいのだろう、ナプキンで口と鼻を塞いでいるけど、魔力は匂いじゃないので、口鼻を隠したところで何の効果もないのだけれど。
「黄色?光っているの?私には普通のクッキーに見えるけど」
「お姉さまとお父様には、そのクッキーが黄色い魔力を纏っているように見えると、おっしゃるのですか?」
あれれー?黄色い魔力って見える人と見えない人がいるの?
ハディスは見えていたみたいだから、何も疑問に思っていなかったけど、見えるわたしや父と、家族である母、弟には見えていないらしい。それでヘリオスは、王都警邏隊へ説明しようにも『特殊な魔力による混乱が疑われると言う曖昧な情報』しかないと言い切ったんだ。
そんなわけでこの件は、魔力の色が判るハディスの協力も得て、バンブリア商会が物流を通しての調査も行うこととなった。
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