婚約者を追いかけるのはやめました

 公爵令嬢クレアは婚約者に振り向いて欲しかった。だから頑張って可愛くなれるように努力した。
 しかし、きつい縦巻きロール、ゴリゴリに巻いた髪、匂いの強い香水、婚約者に愛されたいがためにやったことは、全て侍女たちが嘘をついてクロアにやらせていることだった。
 でも前世の記憶を取り戻した今は違う。髪もメイクもそのままで十分。今さら手のひら返しをしてきた婚約者にももう興味ありません。
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