×××する場所がない!

西 美月

文字の大きさ
上 下
19 / 20
第一章

直央の部屋③

しおりを挟む
 そして直央は、絶句した。

 凶暴なサイズの大河の男性器をまじまじと見つめる。

 まだ半分ほどしか勃っていないだろうそれは、勃起した直央のものよりも既に明らかに大きいのだ。

 それだけに、同じ男として思わず感心してしまう。

「すご!なんなん、デカすぎやろこれ!なんやろ、やっぱ身長に比例するんかな?」

 すごすぎやん、と別の意味で興奮しながら大河の陰茎を握り込む。ゆるゆると自分でするときのように上下に扱く。

 赤黒いそれは、ひとつの生き物みたいにどんどん硬くなる。

 先端からは先走りが滲み、竿の表皮にはくっきりと血管が浮き出てきた。
 何より、特筆すべき点はその亀頭の大きさだ。完全に勃ち上り、その下のくびれがはっきりと見て分かる。

──カリすご……、パンパンやん……。

 より卑猥さを増した男性器に、覚えずごくりと生唾を呑む。

 そして、あることに気がつく。
 大きさに感動している場合ではない。最終的にはこれを、直央の尻穴に入れなければならないのだ。

──絶対入らんやろ、こんなん……。

 その時、わずかに荒い息遣いが耳に届いて、直央はそっと大河を窺う。

 表情はほとんど変わらないが、大河の興奮はこの下半身を見れば分かる。

「気持ちええか?なあ、オレこれ入る気せえへんのやけど。ほら」

 人差し指と親指の輪っかを目の前に差し出して見せつける。自分の尻がこんなに拡がるとは到底思えない。

「長さだってここやで、ここ。オレの臍まであるやん」

 今度は手中の屹立に、自分の下腹部を宛てがうと、不意に大河が息を詰めて身体を強張らせた。

 とぷっと、手のひらが濡れる感触がして、直央は扱いていた手をひらいた。白い粘液がべっとりとついている。これはどう見ても精子だ。

「……あれ、もうイったん……?」

 思ったまま訊ねると大河は舌打ちをして、忌々しそうに「クソッ」と毒づいた。感情の起伏が少ない大河にしては珍しい態度だ。

「急にエロいことをするな」

「え、オレのせいなん?だって、事実やん。なあ、もしかしてシとるとこ、想像したん?」
 
「……そうだ」と拗ねた顔でそっぽを向くから、なんだか今日は大河が可愛く見えて仕方がない。

 以前に直央が大河に手でされた時も早かったが、それといい勝負だ。

 堪えきれずに、ふ、と思わず笑ってしまうと、ふて腐れた顔で大河が睨んでくる。

「悪かったな、どうせ童貞だよ」

「うん、ホンマ童貞っぽくて、可愛らし……」

 言いかけた言葉を呑んで、「え?」と直央は目を丸くして大河を見た。

「なんだ」いそいそと服を直しながら大河が眉間にしわを寄せる。
 呆気なく達したことが余程悔しかったらしい。
 だが、それよりも、信じがたいワードを大河はいま口にした。

「大河って、……童貞なん……?」

 ストレートに訊くと大河の眉間のしわはより深くなった。

「しつこいやつだな。さっさと手を洗ってこい」

「や、待って、オレ……」

 確かに大河の口からはっきりと性交経験の有無を聞いたことはない。「中学の時に彼女がいた」そう聞いて、済ましているものだと思ったし、妬いてしまうから深く聞こうとしなかったのだ。

「大河は、元カノとエッチしてないん……?」

 遠慮がちに、消え入りそうな声で問うと、大河は「当たり前だろ」不思議そうな顔をする。

「じゃあ、大河のはじめてもオレになるん?」

「なんだ、今更。そうに決まってる」

 察しの良い大河はそこで少し考えたのち、「まさか、したと思っていたのか?」と直央の心を読んだかのように全部を理解してくれた。

「したとは勿論言ってないが、してないとも言ってなかったか……?もしかして、不安にさせていたか?」

 首筋に入り込んできた手にそっと撫でられて、次の瞬間、直央はたまらず大河に抱きついていた。

「ううん、ええよ、もう。オレ、めっちゃ嬉しい……っ」

 ぎゅうっと手を回してピタッとくっつく。手のひらにべったりとついた大河の精液で、大河の服を汚したと気づくのは、それからしばらく経ってからだった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

ドS×ドM

桜月
BL
玩具をつかってドSがドMちゃんを攻めます。 バイブ・エネマグラ・ローター・アナルパール・尿道責め・放置プレイ・射精管理・拘束・目隠し・中出し・スパンキング・おもらし・失禁・コスプレ・S字結腸・フェラ・イマラチオなどです。 2人は両思いです。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

指定時間ピッタリ有能スケベ配達員くんの、本日最後のえっちなお届け物タイム♡ ~オレ、彼のお得意様なんデス♡♡♡

そらも
BL
よくある配達員×お客様の、お荷物届けついでにそのまま玄関でおセックスしまくっちゃうというスケベ話であります♡ タイトルにあるお得意様のフレーズ通り、もう二人にとっては日常のひとコマな出来事です♡ ただし中身は受けくんの台詞オンリー(擬音付き+攻めくんのはぁはぁ声は有り)ストーリーとなっておりますので、お読みになる際はどうぞお気を付けくださいませ! いやはや一度受けくんの台詞だけで進むお話書きたかったのよね笑 いつか別シチュになるとは思いますが、今度は攻めくんの台詞オンリーのスケベ話も書いてみたいものでありますぞよ♡ ちなみに今回作中で攻めくんはまだしも受けくんの名前がまったく出ておらんのですが、一応二人はこんなお名前(&年齢とご職業)となっておりますです♪ 攻めくん:光本里史(みつもとさとし)二十二歳、ナデシコ運送(なでしこうんそう)通称、シロウサナデシコの配達ドライバー。 受けくん:阿川未緒(あがわみお)二十八歳、普段は普通の会社員。週に2~3回はシロウサナデシコを利用しているいわゆる『お得意様』。 ※ R-18エロもので、♡(ハート)喘ぎ満載です。 ※ 素敵な表紙は、pixiv小説用フリー素材にて、『やまなし』様からお借りしました。ありがとうございます!

とろとろ【R18短編集】

ちまこ。
BL
ねっとり、じっくりと。 とろとろにされてます。 喘ぎ声は可愛いめ。 乳首責め多めの作品集です。

『田中のおじさま♡』~今夜も愛しのおじさまと濃厚ラブえっち♡♡♡

そらも
BL
過去にとある出逢いを経て知り合った『本名さえもちゃんとわかってない』自分よりも三十二歳も年上のバツイチ絶倫変態スケベおじさまとの濃厚セックスに毎夜明け暮れている、自称平凡普通大学生くんの夜のお話♡ おじさまは大学生くんにぞっこんラブだし、大学生くんもハジメテを捧げたおじさまが大大大っだ~いすきでとってもラブラブな二人でございますぞ♪ 久しぶりの年上×年下の歳の差モノ♡ 全体的に変態ちっくですのでどうぞご注意を! ※ R-18エロもので、♡(ハート)喘ぎ満載です。 ※ 素敵な表紙は、pixiv小説用フリー素材にて、『やまなし』様からお借りしました。ありがとうございます!

嫌がる繊細くんを連続絶頂させる話

てけてとん
BL
同じクラスの人気者な繊細くんの弱みにつけこんで何度も絶頂させる話です。結構鬼畜です。長すぎたので2話に分割しています。

ゆるふわメスお兄さんを寝ている間に俺のチンポに完全屈服させる話

さくた
BL
攻め:浩介(こうすけ) 奏音とは大学の先輩後輩関係 受け:奏音(かなと) 同性と付き合うのは浩介が初めて いつも以上に孕むだのなんだの言いまくってるし攻めのセリフにも♡がつく

処理中です...