勇者と魔王、選ぶならどっち?

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第二章 勇者のスローライフ??

ホッと一息?

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「うぅ……なんかゴメンナサイ。」
「どうしてミカゲちゃんが謝るの?」
「だって……。」
 グリフォンの魔石を持ってきてくれたユナさんとミナさんを見て、私はつい頭を下げる。
 だってねぇ、二人とも血塗れなのよ……まぁ、ユニコーンを抱えていた私も人の事言えないんだけどね。
 周りでは既に野営の準備が終わっていて、これから食事の準備を始めている中、『暁の覇者』と『白銀の翼』のメンバーはグリフォンの解体をようやく終える所だった。
 
 『白銀の翼』の面々は思いがけないボーナスだと、張り切って解体していたのだけど、『暁の覇者』の人達は、リーダーの気質がメンバー全員に伝染しているのか、終始申し訳ないような表情をしていた。

「まぁ、解体すればこうなるのは当たり前だし、気にすることないよ。それより、本当に魔石1個だけでよかったの?」
 ユナさんが、確認するかの様に聞いてくる。
 それも無理ないと思うけどね。

 グリフォンの皮膚は硬く、また空を飛ぶためにかなり軽量化されている為、防具などの素材に重宝されている。
 また、その爪や牙は武器の素材として、羽根は装飾品の素材として大人気なのよ。
 お肉は癖があるから好みが分かれるんだけど、珍味という事で一応高級素材として扱われているわ。
 なので、『白銀の翼』の人達みたいに、思わぬボーナスを素直に喜べばいいと思うんだけどね、みんな根が真面目というか、人がいいというか、自分たちが倒したわけじゃないからって気が引けてるみたいなの。

「ホントに、気にしなくていいのに。」
「でもねぇ……。」
「じゃぁ、これからも迷惑かけるからその迷惑料って事で。」
「自重しなさいって言ってるでしょ!」
 私が折角いい落としどころを見つけたというのに、ミュウから盛大なツッコミが入る。
「だってぇ……。」
「だって、じゃないのっ!……はぁ、ユナさん、ミナさん、本当に気にしなくていいですよ。」
 ミュウがそう言って間を取り持ってくれる。

「後、ホント冗談じゃなくこれからも迷惑がかかると思うし。」
 それでも納得しきれないっていう表情だった二人の顔が、ミュウの言葉で硬直する。
「それって、どういう……。」
「ミカゲさんと一緒に仕事するなら、覚悟が必要って事ですよ。」
 マリアちゃんがニコニコしながらそう補足してくれた。
「あの……お姉さんたち、ゴメンナサイ。先に謝っておきますね。」
 クーちゃんも同情するような表情で二人に頭を下げる。
 っていうか、私の扱い酷くない?

「まぁ、そういう事だから、遠慮なく貰ってねって事だよ。」
 ミュウが二人の肩をポンポンと叩く。
「えっと、それって……。」
 ミュウの慈愛に満ち溢れている表情とは対照的に、二人の表情は硬く引きつっていた。


「それはそうとして、そのまま食事ってイヤだよね?」
 私は二人に聞いてみる。
「それはねぇ……でも仕方がないでしょう。一応洗浄魔法は掛けるけどね。」
 私も使う洗浄魔法は風と水と光属性の合成魔法なんだけど、なんと、神聖魔法に中にも洗浄の魔法があるらしいのよ。

 ただ、洗浄というより浄化という方が正しいらしく、血の汚れなど『穢れ』に属するものは綺麗に洗い流してくれるけど、土などの汚れは落ちないんだって。
 それでも旅にはかなり便利なので、この魔法を使える人はかなり重宝されるらしいの。
 後で聞いたら、マリアちゃんも一応使えるらしいんだけど、私の洗浄魔法の方が便利なので、私達と行動を共にするようになってからは一度も使ってないんだって。

「うーん、迷惑かけた事もあるし、ちょっと頑張るね。」
「えっ?」
「あ、二人とも少しだけ待ってて……クーちゃん、二人にお茶を出してあげて。」
 私はクーちゃんに二人のもてなしを頼むと、少し離れた開けた場所に移動する。
「ここらでいいかな……ピットフォール!」
 私は魔法で穴を掘っていく。
 ある程度の広さまで掘った後、土壁が崩れないようにクレイウォールの魔法で固めていく。

「ちょ、ちょっと、なにしてるの?」
 私の挙動が気になったのか、ユナさんとミナさんが、クーちゃん達と一緒にやってくる。
「休んでてくれればいいのに……別に面白くもないよ?」
 私は二人に話しかけながら、掘った穴の外壁を固めていく……ウン、コレなら崩れないかな?

「次は……と……。クリエイトウォーター!」
 水を生成する魔法で、穴の中に水を貯めていく……本当はお湯の方が早いんだけど、ちょっと魔力消費の効率が悪いからね。
 水がたまった所でファイアーボールを撃ち込む。
 水の中に放たれたファイアーボールは、当たり前だけどしばらく燃えた後に消えていく。
 何度かそれを繰り返すと、水の温度が段々と暖かくなってくる。

「もう少しかな?」 
 私は水の中に手を入れて温度を確認する。
「あれ?どうしたの?」
 もう少し温度をあげようかと思って、振り返るとユナさんとミナさんが、何かを言いたいけど何を言っていいか分からないって顔をして私を見ていた。

「えっと、何やってるの?」
「ん?お風呂作ってるんだよ?身体洗いたいでしょ?」
「それは……洗えるなら洗いたいけど……なんで?どうして?魔力の無駄使いでしょ?」
「というより、何でそんなことできるの?ミカゲちゃんって一体……。」
 二人が口々に聞いて来るけど、よくある反応なので無視することにした。
 ミュウとクーちゃんが、諦めなよ、というように二人の肩を叩いているのが微笑ましかったのよ。

「出来た……けど、これじゃぁ丸見えだよね。」
 いつの間にか私達の周りには人垣が出来ていた。
 流石にこの衆人環視の中で裸になりたくはない。
「みんなちょっと離れてよ。」
 私はそう言って周囲を空けさせると、クレイウォールで周りを囲う。
 最後に内部で脱衣所部分を仕切ってドアをつければ完成っと。

「あ、そうだ、マリアちゃん結界をお願いね。」
「はぁい。」
 マリアちゃんにお風呂場周りを結界で囲ってもらう。
 これでマリアちゃんが許可したもの以外は誰も入ってこれなくなったのよ。

「出来たよ……あれ?入らないの?」
 私は呆然としている二人に声をかける。
「いえ、入るけど……。」
 私はミュウ達に、二人を中に案内してもらい、これまた呆然としている周りの人たちに声をかける。

「えっと、私達、先に湯浴みさせてもらうけど、覗かないでね。もし覗こうとしたら命の補償できないからね。」
 それだけを告げて、私も壁の向こう側へ移動して結界を閉じる。
 しばらくすると、外で「ギャァァァァ」という悲鳴が聞こえてきた。
 人の忠告を無視して近付いた人がいたみたいだけど、この結界は魔族でも跳ね返す強度があるんだから無駄なのよね。

「ミナさんとユナさんの衣服もここにまとめてね。」
 私は二人にそう指示をする。
 他のみんなは慣れたもので、私が言わなくても一か所に衣類をまとめてくれていた。

「クリーンドライ!」
 私の服も含んでみんなの衣類に洗浄魔法を掛ける。
 ウン、綺麗になったよ。
 やっぱりお風呂上りに汚れた服は着たくないもんね。
「あれ?どうしたの?入らないの?」
 ミュウ達は既に湯船につかっているというのに、ユナさんとミナさんは裸のまま、茫然と突っ立っている。

「あ、いや……今のは?」
「ん?洗浄魔法だよ?汚れた服着るのイヤでしょ?」
「あ、あぁ……。」
「そんな事より、早く入ろ?風邪ひいちゃうよ?」
「そ、そうね……。」
 私は二人を促し、みんなが入っている湯船の方へ移動した。


「ふぅ~、やっぱり広いお風呂はいいよねぇ。」
「まぁね、それは同意するけど……。」
 ミュウが黙って向こうを指す。
 そこには呆然としたまま湯船に浸かっている二人がいた。
「ちゃんとフォローしておきなさいよ。」
「えぇー、面倒。」
「面倒、じゃないでしょ。ほら、いってきなさい。」
 私はミュウに押し出されるようにして二人の側まで移動する。

「あ、あはは……。ゆ、湯加減はどうかな?」
「あ、うん……大丈夫……。」
 ぎこちない私の問いかけに、ぎこちなく答えてくれるユナさん。
 そして、会話が途切れる……うぅ気まずいよぉ。

「あ、あはは……じゃあ、そう言うことで……。」
「待って。」
 何がそう言う事なのか、私自身分からないけど、戦略的撤退を決め込もうとした私をユナさんが引き留める。

「ミカゲちゃんっていったい何者なの?」
「ただの冒険者です。」
 私がそう答えると、イヤイヤイヤと二人が首を振る。
「ただの冒険者がこんなお風呂作れるわけ無いでしょ。」
 ミナさんがそう言うけど、誰でも作れるよね?

「えぇー、簡単だよぉ。例えばガンドルフさんって土と火の属性持ってるよね?で、ミナさんは水の属性も持ってるよね?」
「何で知ってるかと言うのは置いといて、まぁ、そうね。」
 因みに、ガンドルフさんと言うのは暁の魔法使いの人で、そこそこの実力者らしいの。

「だからね、ガンドルフさんにピットフォールで穴を掘って貰って、ミナさんがクリエイトウォーターでそこに水をためて、またガンドルフさんがファイアーボールを撃ち込めば、ほら立派なお風呂の出来上がり。誰でもできるでしょ?」

「イヤイヤイヤ、だから普通はやらないって。」
「でも出来るよね?」
「ま、まぁ、出来るか出来ないかと言われれば出来るかもしれないけど……。」
「ほら、やっぱり誰でもできるでしょ。」
「いや、しかし普通は……。」
「普通じゃないってよく言われるよ?」
 私がそう言うとユナさんは押し黙る。

「でもこれだけの魔力量は……。」
 それでも、ミナさんが食い下がってくる。
「Bランクだから余裕だよ。」
「いやいや、Bランクっていっても……。」
「Bランクだから余裕なの。」
「でも……。」
「余裕なの、Bランクだから。」
「はい……。」
 よし、勝った!
 私は最近得たスキル『Bランクだから余裕』で押し通す事に成功した。
 便利だね、Bランク。

「いい加減にしなさい!」
 私が勝ち誇っていると、後ろからミュウに叩かれる。
 その間に、マリアちゃんが呆然としている二人に声をかける。
「ウチのリーダーがゴメンナサイね。でもミカゲさんに関しては考えても無駄なの。すべて『ミカゲさんだから』で済ましておかないと、精神衛生上よくないのですよ。」
「はぁ……。」
「だから気にせずゆっくりしてくださいね。」

 結局、二人は考えても無駄と言うことを悟ったのか、何も言わずに湯船に浸かっていた。


 私達がお風呂からでると、待ち構えていた商人達が迫ってきたので、取りあえず吹き飛ばしてみた。

「あたた……、酷いな。」
「酷いのはどっちよ。お風呂上がりの女の子を取り囲んで襲ってくる方が悪い。今度やったら依頼破棄だからね。」
 私の代わりにミュウがはっきりと言ってくれる。
 さっきのこの人達は、目が血走っていて本当に怖かったのよ。

「それは悪かったって。ただ俺達にも使わせてもらえないか聞きたかっただけなんだよ。」
「それは別にいいけど、女性優先にしてあげてね。」
「あぁ、わかった。」

 その後、私の作ったお風呂が余程気に入ったのか、代わる代わる何回もお風呂に入る人が続出した。
 別にいいんだけど、みんな御飯は食べないのかな?



 それから更に数日後……。
 私達は相変わらず、変わり映えのない平和な旅を続けていた。
 変わった事と言えば、旅の仲間?が増えた事位かな。

 あのとき助けたユニコーンが、何故か一緒についてくるのね。
 最初は放っておけば、その内勝手に居なくなるだろうって思っていたんだけど、ずっとついてくるのよ。
 で、どうせなら、と言うことで、背中に乗せてもらったら、素直に乗せてくれたから、今では交代で乗せてもらってるのよ。

 それ以外は全くと言っていいほど変わり映えの無い毎日……そう、全く変わり映えが無いのよ。
 つまり何が言いたいかというと……ぶっちゃけ暇なのよ。

 先日は、あまりにも暇すぎたので、ちょっとクーちゃんを可愛がろうとして、ほんの少しだけ調子にのっちゃって……で、怒られた。
 あれから3日経つけど、碌に口を利いてくれない。
 うぅ……軽くお胸のマッサージをしたり、反応が可愛くて、つい弄りすぎただけなのにぃ。

「クーちゃんが口を利いてくれない……。」
「あれはどう見てもアンタが悪いでしょ。」
「だって、暇だったから……。」
「だからといって、やり過ぎ。そう言う事したいならマリアとやってなさい。」
「うっ……、マリアちゃんとだとガチになっちゃうから……。」
「はぁ……、今更でしょ。」
 ミュウが呆れたように言う。

「うぅ……、今夜は仲直りの為に私が御飯作るよ。」
「はいはい、何か用意することある?」
「大丈夫、食材は揃っているから。あ、でもこねるのは手伝って欲しいかも?」
「こねる?……よく分からないけど、指示してくれるなら手伝うわよ。」
「うん、お願いね。」


「クーちゃん、どうしたの?沢山食べていいんだよ。」
「あ、うん……。」
 そう言いながらも、クーちゃんの動きはぎこちない。
「クーちゃんと仲直りしたくて、一生懸命作ったんだけど……やっぱりまだ怒ってるの?」
「ううん、怒ってないよ。そうじゃなくてね……。」
「じゃぁ遠慮せずに食べて。……それとも口に合わない?」
「ううん、初めて見る料理だけど、とっても美味しそうだよ。でも……。」
 私がクーちゃんの為に作ったハンバーグとカレー。
 あたり一面に食欲をそそるスパイシーな香りが漂っている。
 こう言ってはなんだけど、我ながら上手にできたと思うんだけどね。
 でもクーちゃんの顔色が優れないのよ。

「怒ってないなら……ひょっとして、具合悪いの?大丈夫?熱計った?」
「そうじゃなくて………。」
「ミカゲ、落ち着きなさいよ。」
「でも、クーちゃんが……クーちゃんに何かあったら、私……。」
「だから落ち着きなさいって。クーは皆に見られてて恥ずかしいんだよ。」
「皆って……えっ?」
 周りを見回すと、暁の人や白銀の人だけでなく、各商人達も集まって遠巻きにこちらに注目している。

「どゆこと?私がせっかくクーちゃんの為に作ったのに、クーちゃんが食べてくれないのは、みんな此奴等の所為って事?……つまり此奴等が居なくなればいいのね。」
 私の中の魔力が渦巻いて、外部へと漏れ出す。
「だから落ち着きなさいって……アンタらも怪我したくなかったら散って散って。」
「わわっ、お姉ちゃん、美味しいよ。うん、とっても美味しい。」

 ミュウが商人達を散らし、クーちゃんが慌てて料理を口にする。
「ほらほら、ミカゲお姉ちゃん、アーンして?」
 クーちゃんがスプーンを差し出してくる。
「もぅ、クーちゃんったら甘えっ子さんなんだから。……はい、アーン。」
 私は差し出されたスプーンを手に取り、カレーを掬ってクーちゃんの前に差し出す。
 クーちゃんは、恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら、スプーンを咥える。
「お姉ちゃん、美味しいよ。」
「よかった。たくさんあるからね。」
「うん、ありがとう。(ホッ、何とか気を逸らせたよ。でもはずかしぃよぉ。)」
(クー、良くやったよ。後はこっちで何とかするから。)

「さ、さぁ私達も食事にしよう。ミカゲ、私達の分もあるんだろ?」
「あ、ミュウもマリアちゃんもお腹空いてるよね、ゴメンネ。」
 私はミュウとマリアちゃんのお皿にハンバーグとカレーをよそう。
「ハンバーグはコレだけしか焼いてないけど、カレーはお代わりできるからね。」
 自分の分もよそいながら、ミュウとマリアちゃんに伝える。

「ねぇ、お姉ちゃん。」
「ん、どうしたの?」
「皆にも食べてもらったらどうかな?」
「でも、これクーちゃんのために……。」
「うん、わかってるよ。でも私達だけじゃこんなに食べきれないし、皆にも、お姉ちゃんの美味しいご飯を自慢したいの。ダメかなぁ?」
 クーちゃんが甘える時だけのお姉ちゃん呼びに加え、この見上げてくるお願いポーズに私が敵うわけがないのよ。

 私は近くをウロウロしているリゥイさんに声をかける。
「欲しい人が居たら分けてあげて。」
 私はそう言って、カレーの入った寸胴鍋を押し付ける。
 すると、遠巻きに見ていた人達が一斉に鍋へ群がった。

 カレーなんてそう珍しくないと思うんだけどね。
 ま、カレーはみんな大好きだからしょうがないのかな?
 私は小学校の給食の時間を思い出して、そんな事を考えていた。
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