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戦いは数だよ!と言えなくなる魔法って理不尽ですよねぇ?

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 「それは本当の事なのかっ!」
 驚愕の声を上げるアッシュ。
 「アッシュ、落ち着くのだ。」
 アッシュが思わず立ち上がるのを、隣に座っているミリアが押しとどめる。 
 「しかしっ……。」
 「ミリアの言う通りだ、落ち着けよ。」
 「あぁ……取り乱して悪かった。」
 アッシュが冷静さを取り戻し、再びソファーへと腰を下ろすのを見て、俺は話を続ける。

 「これ以上の詳しい事は言えないが、魔王が降臨したことは間違いない。これは確実な情報だ。」
 俺はアッシュたちに、アイリスの素性から、アシュラム王国で起きている事情、俺が直に調べて分かった現状及びそこから推測されるこの先の状況などを話すことにした。

 俺の話に、アッシュは当初信じられないという反応を示す。
 当たり前だ、俺だって魔王が降臨して攻めてくるなんて突然言われたら、何をバカな事を言っているんだと言い返すだろう。

 「もう一度繰り返すが、今回の件はアシュラム王国の本意ではなく、その筆頭魔術師が引き起こしたものだ。」
 俺はアッシュにそう告げる。
 「だからといって、グランベルグがアシュラム王国に攻められている事実は変わらないだろう?お前は何を望んでいるんだ?」
 アッシュがそう訊ねてくる。

 「力を貸してほしい……アシュラム王国と戦うのではなく、魔王と戦うために。」
 「それってどう違うのだ?アシュラム王国が魔王の力を使って攻め込んでいるのではないのか?」 
 俺の言葉にミリアが疑問をぶつけてくる。
 「何度でも言うが、アシュラム王国は戦争を望んでいない。今の現状は魔術師によって操られているだけだ。」
 「でも、アシュラム王国が攻めてくるという事実に変わりはないのだ。」
 「だからだよ、元凶の魔術師を倒して、魔王を送還する。そうすればこの戦は終わりだ。」
 「そんな簡単な事じゃないぞ。」
 俺がミリアに答えるとアッシュが口を挟んでくる。
 「現実にグランベルクは、アシュラム王国の西側の領地を削り取られているんだ。他にも被害は出ている。それを、全ては魔王の所為です、魔王がいなくなったからお終いです。何て言われて、はいそうですか、なんて引き下がれないだろう?」
 アッシュの言う事は最もだと俺も思うが、こっちもそれを踏まえたうえで話をしているのだから、そう簡単に引き下がることは出来ない。

 「そもそも、魔王のこと自体が信じられないという声が上がるのは間違いないだろう……俺だって、シンジの言う事じゃなけれな信じられないからな。」
 (シンジを信じ・・るって……クスクス……)
 何かツボに入ったのか、エルが小声で笑いだす……いや、親父ギャグじゃないからな?
 笑っているのがバレないようにエルは俯いて顔を隠しているが、その身体が小刻みに震えるのまでは隠しきれていない。

 「まぁ、無理に信じてくれとは言わないが、魔王を放っておいてグランベルクが滅ぶのを黙って見ているつもりはないだろう?」
 「それはそうなんだが、しかし……。」
 困り果てるアッシュに俺は更に言葉をかける。
 「俺が望んでいるのは、今の事をグランベルグの国王と話し合いたいという事だよ。ただ、その為にアイリスや他の皆が危険に晒されるのは容認できない。安全な交渉の場を取り持つ、もしくは取り持ってくれる人への紹介を頼みたい……最初はギルドを通そうと思っていたんだが、アッシュがいるなら、こっちの方が早そうだからな。」

 「確かに、ギルドを通すよりは早く話を持っていけると思うが……しかし……。」
 アッシュなりの立場があるのだろう。
 かなり思い悩んでいるようだが、ここでアッシュを困らせるのも本意ではない。
 「まぁ、無理にとは言わないさ。元々ここでお前に会えるなんて思っていなかったからな。ただ、俺達をこのまま通して欲しい……それだけでもダメか?」

 「私が何とかするのだ。」
 悩むアッシュを見て、何かを決心したようにミリアが言う。
 「ミリア!」
 それをアッシュが押しとどめるが、ミリアは引かない。
 「私はあの時シンジに助けられたのだ。シンジはあの時「貸し一つ」といったのだ。だから、今その借りを返す時なのだ。」
 ミリアの言葉に、アッシュが俯き黙り込む。
 そしてしばらくしてから口を開く。

 「そうだよな、あの時シンジがいなかったら、今の俺も無かったわけだしな……。」
 そう言ってアッシュは頭を上げる。
 「シンジ、何とかするから少し時間をくれないか?」
 「それは構わないが、正直あまり時間はないぞ?これは意地悪で言っているんじゃなく、時間が経てば経つ程、グランベルクが危機に陥るって事だからな。」
 俺がそう言うと、アッシュは「分かっている」と頷く。
 
 これで何とかなりそうだと、ホッと胸を撫で下ろそうとした時、伝令が入ってくる。
 「アシュレイ殿!敵が攻めて来ました!。」
 ……どうやら、事はそう上手くは行かないらしい。

 ◇

 「状況を知らせろ!」
 アッシュは指令室に入ると、そばに居た部下にそう告げる。
 俺達も何となくついて入って来てしまったが、取りあえず邪魔にならないように隅っこでじっとしていよう。

 「ハッ!敵の軍勢は約1万7千。現在砦から前方10キロ地点の所で陣を張っています。」
 「10キロか……他からの援軍はいないのか?」
 「そこまではわかりません。調べに行くにも危険が大きすぎます。」
 アッシュは部下から現状を聞き出している。
 敵兵が1万7千に対し、こちらは6千の兵……3倍近い差があるが、アッシュはどうするつもりだろうか?
 この世界では、通常籠城する相手に対しては3倍の兵数が必要になると言われている。
 今回も、その定石に倣っている感じだが果たして……。

 「左右の岩山に工作隊を500づつ出せ。それから強襲偵察隊を用意。相手の情報を調べさせろ。」
 アッシュが次々に指示を繰り出す。
 その指示を反芻してみるが、おかしなところはなく基本に忠実だ。
 しかし基本に忠実しすぎるのも問題がある……例えば……。
 「それから魔法使いマジックキャスターの隊を編成しろ。防護結界が張れるものを中心にしてな。」
 ……どうやら俺の考えは杞憂だったようだ。

 「あのアッシュがねぇ……立派になったもんだ。」
 「5年も経ってるのよね……立派にもなるわよ。」
 俺のつぶやきにエルが応える。
 「今も変わってないところもあるのだ……戦の後すぐクヨクヨするところは変わってないのだ。」
 俺達の会話にミリアが入ってくる。
 ミリアはすでに戦闘用の装備に着替えていた。
 「ミリアも行くの?」
 「私は偵察隊なのだ。だからしばらく留守にするけど……出来ればアッシュを助けてやって欲しいのだ。」
 そう言って心配そうにこっちを見るミリアだが、俺は「任せておけ」と気軽に言える立場じゃない……結局、「気をつけてな」という以外の言葉をかけることが出来なかった。

 ◇

 「今、どういう状況ですかねぇ?」
 暇を持て余したのか、リディアがぽつりとつぶやく。

 敵が攻めてきた、という連絡が会ってから3日が経つ。
 俺達はあてがわれた部屋で、特にすることもなく、ぼーっと過ごしていた。
 軟禁されている、という訳でもないので、自由に出歩けるのだが、この非常事態時に部外者がウロウロしていたら余計な軋轢を起こすだけだろうと思い、自主的に大人しくしていたのだが、さすがに三日も何もなければ飽きも来る。

 「シンジさんならどうします?」
 リディアがそんな事を聞いてくる。
 「どうって、この戦闘か?」
 「そうですぅ。シンジさんが敵ならどう攻めますかぁ?」
 「どうって言われてもなぁ……。」
 まぁ暇つぶしにはいいか。
 俺は中空にこの辺りの地図を映し出す。

 魔道具と光魔法の応用技だ。
 これを編み出すまでの俺の苦労を語り出すと、一晩あっても時間が足りないから今はやめておく。

 「三日前の情報だと、敵は10キロ地点……ここ辺りかな?で陣を張り様子を窺っているとのことだ。」
 俺は中空に浮かび上がる地図の、敵が人を張っている辺りを指し示す。
 「相手の兵力は約1万7千……こちらの三倍近い数だな。それに対しこちらは打って出るか砦に籠って籠城か……アッシュは相手の出方を待っているみたいだけどな。」
 俺はここまで話すと一度皆の顔を見る。

 「さて、お前らがここの指揮官ならどうする?」
 俺は三人に聞いてみる。
 「そんなの決まってますぅ。敵陣にメテオをぶち込むですよ。」
 リディアが真っ先に言ってくる……単純で過激だが、あながち間違ってない所がちょっと困る。
 「バカねぇ、そんな単純な話じゃないでしょ?」
 「じゃぁエルさんはどうするんですかぁ?」
 「そんなの決まってるでしょ。まずは敵が陣から出てきてこちらに進行してくるのを待つのよ。」 
 ん?エルにしてはまともだな?
 エルの事だから、リディアと一緒で広域魔法でまとめて吹っ飛ばすというかと思ったんだが。

 「それからどうするんですかぁ?」
 リディアが興味深そうに続きを促す。
 「この中腹辺りまで来たらね……」
 そう言ってエルが地図の中程の広場を指す。
 「『真空烈波ウィンドストーム』で一掃するのよ!」
  どや!と言わんばかりに胸を張るエル。
  ……やっぱりエルはエルだった。
 中腹まで待つのは、魔法の効果が一番高い所をねらって、という事らしい。

 「私と変わらないですよぉ。」
 聞いて損したとばかりに抗議するリディア。
 「それでシンジさんならどうするんですか?」
 アイリスが聞いてくる。
 「色々小細工はするが、正直、基本的な所は二人と変わらないよ。三倍の数相手にまともにぶつかったって勝ち目はないからな。」

 それより、と俺は三人を眺める。
 「俺が、敵だったら、という話だったよな。俺が敵だった場合、まず考慮したいのが、エルやリディアみたいな『魔法使いマジックキャスター』がどれくらいいるか?という事だ。さっき二人が言ったみたいに、広域魔法を使われたらかなり戦力が削られるからな。」
 俺がそう言うと、エルもリディアもドヤ顔をしていた。
 「だから、まずは陣を張る際に対魔法用防護結界を張り様子見をしつつ、砦の内部に斥候を送るかな?」
 「へぇ……キミ、頭いいっすね。」
 「っつ!」
 突然聞こえてきた声に、俺素早くエル達を背後へ庇う。
 まったく気配がなかった……いつの間に入ってきた?

 「んー、すぐ女の子を庇う所も好感度もてるっすね。」
 俺は突然現れた侵入者を見る。
 白と黒を基調としたオフショルダーのドレスっぽい装備に身を包んだ小柄な少女。
 腰まで伸びた漆黒の長い髪とそこから覗く三角耳に目が行く。
 「亜人?」
 この辺りでは見かけない獣人族みたいだが……。

 「んー違うっすけどねぇ……こういうの好きでしょ?」
 目の前の少女が、耳と尻尾をぴくぴくと動かす。
 た、確かに好きだが……。

 「す、好きじゃないやい!」
 思わず声が裏返る。
 「あははっ、ウッソだぁ!にぃにとおんなじ顔してるっすよ。……っと、そんな事はどうでもいいっすね。」
 少女がスチャッ、と両手に小剣を持つ。
 「ちょっと試させてもらうっす。」
 そう言って飛び掛かってくる少女。
 キィンッ!
 速い!……俺は辛うじて『女神の剣エフィーリア』で受け止めることが出来たが、次もこううまく行くとは限らない。

 「へぇ、今のを受け止めるっすか。面白いっすね。」
 少女は更に飛び掛かってくる。
 クッ……、このままじゃマズい。
 俺は相手とのスピード差を埋めるために、相手の剣を受け止めつつ、風の速度強化の魔法を自分にかける。

 キィンッ!キィンッ!キィンッ!キィンッ!キィンッ!キィンッ!キィンッ!
 キィンッ!キィンッ!キィンッ!キィンッ!キィンッ!キィンッ!キィンッ!
 右、左、右、下、上、……。
 あらゆる角度から繰り出される少女の双剣を受け止める。
 しかし全てを受け止めることは出来ずに、体中に傷が出来ていく。
 動きが速すぎて、ついて行くのがやっとだ。
 エル達も、あまりにもの素早さに、手を出せないでいる。

 「うん?もうお終いっすか?」
 俺が捌き切れなくなってきたのを見て、少女がそんな事を言う。
 「そうだなっ!」
 俺は少女の足元に煙幕弾を投げつける。
 煙幕で視界が無くなった隙に、少女の背後に転移して、その背中を斬りつける。

 「いやぁ、油断したっす。中々やるっすね。」
 俺が斬った筈の少女がいつの間にか扉の方へと移動して入る。
 「面白いものを見せてもらったお礼っすよ。」
 少女が何かを投げて来て、思わずそれを受け取る。
 「おいっ……いない?」
 投げられたモノに気を取られた一瞬で、その少女は姿を消していた。

 「これは……魔晶石?」
 残された物を見ると、大粒の魔晶石で、何やら魔法陣が刻まれている。
 「シンジ、大丈夫!?」
 エル達が駆け寄ってくる。 
 「あぁ、大丈夫だ……しかし……。」

 「何者……でしょうか?」
 アイリスが俺の身体の傷を癒しながら聞いてくる。
 「分からん……が、敵・・・・・・か?」
 「ひょっとしたら魔王の手下かもしれないですぅ?」
 リディアがそんな事を言ってくる。
 「そうね……この辺りに獣人はいないはずよ。召喚された魔王が配下の『魔族』を呼び出したのかも?」
 エルが、リディアの言葉を肯定する。

 「マジかよ……魔王の配下でもあんなに強いって、冗談だろ。」
 俺は毒つく。
 魔王との戦いが無謀なものに思えてくる。
 「くそっ!なんでこうなった!」
 俺はここ最近の口癖が出るのを止められなかった。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 ― アシュラム王国 魔王の間 ―
 「ただいまっす。」
 少女が闇の中へ入ってくる。
 「お疲れ、どうだった?」
 魔王が少女を労う。
 「面白い事があったっすよ。」
 そう言って少女はシンジたちの事を魔王に話す。
 「成程……転生者か……女神の狙いはそいつらと合わせる事かな?……いってみるか。」
 少女の話を聞いて魔王がそう呟く。
 「行くなら気を付けるっすよ。他に手を隠してる感じがしたっすから。」
 「あぁ、気を付けるよ。」
 魔王はそう言って少女の小さな身体を抱きしめる。
 「少しは面白くなるかな。」
 少女は魔王のその呟きに深く頷くのだった。

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