105 / 124
第5章 義兄弟の運命は。
第105話 義兄弟、秘密の……④*
しおりを挟む
「本当に、大好きですよ」
「あ……っ」
ズルッと指を抜かれて、喪失感からひくひくと後ろが疼いた。
はやく熱を、受け入れたい。
そんな期待に胸を膨らませている中、貴臣はベッドから降りようとしたので、その腕を咄嗟に掴んでかぶりを振った。
「いい、からっ、はやくっ……」
「けど、ゴムしないと」
「んなの……っ、いらないから、はやく入れろよ……っ……何年、待ったと、思ってんだよ……ッ」
一緒に住み始めて5年。
好きになってたぶん……4年?
もう待ちきれない。
貴臣を抱きしめると、痛いくらいに抱きしめ返された。
熱量のあるものがそこに宛てがわれる。
レッスンでは何度か手でしたし、口にも含んだりしたけど、1つになったことは1度もない。
先端を飲み込む瞬間は息が詰まったけど、ゆっくりと腰を推し進められていき、あっという間に全てを飲み込んでいた。
「あっあ……っあぁ……ッ!」
奥までそれが到達した瞬間、軽く達してしまったようで俺の先端からはまた白濁の液が散る。
シーツをぎゅっと握りしめながら、ブルブルと身体中を震わせた。
快感が駆け抜けたのもそうだけど、それよりも嬉しさのあまり、感動のあまり。
「全部、入りました」
「ん……ぅんっ……」
「嬉しい。ずっと、こうなりたかったんです」
「うん……」
ぎゅうっと力強く掻き抱かれ、愛しさがこみ上げる。
やっと、1つになれた。
さっきは、貴臣を好きになって4年か? と思ったけど訂正したい。
きっと俺は、初めて会った時から貴臣のことが好きだったんだ。
あの時は全然気付かなかったけど。
だからずっと、心を通わせたいって思ってたんだ。
抱きしめられたまま、貴臣の腰が律動を始めた。
腰が引いたかと思えば、ぐぐ、と奥まで突き上げられる。
頭も結合部も蕩けているような感覚。
腰を揺らされる度、俺の腹と貴臣の引き締まった腹に挟まれたペニスが摩擦されて気持ちよくて、自らも夢中で腰を上下に振った。
「兄さん、気持ちいいの? 腰すごく動いちゃってる……可愛い」
「あぁ……っ、も……おれっ、またすぐ……イっちゃうかもっ……」
「いいですよ。何度でもイってください。俺のために」
「あ……ふ……っ、たか……っ」
「本当に、大好きです。愛してます」
眦に滲んだ涙を、貴臣が舐めとってくれる。
俺は両足を貴臣の腰に巻き付け、より深く繋がろうと試みる。
心も体も。
お互いとっくに余裕なんてなくなっていたけど、貴臣はさらに奥歯を噛み締めたような表情で訴えかけてきた。
「……っ、兄さん、ごめん。俺も……もう、もたないかも」
「あ……っ、いい、よ、出して……っ!」
「いいの? なら一緒に、イきたい」
「んっ、あぁ、あ……!」
律動をより激しくされ、嬌声を上げる。
その後すぐに貴臣は俺の体の奥へ熱いものを迸り、俺も追いかけるように何度めかの吐精をした。
2人の想いと心はトロトロに蕩けた。
出会ってから、何年分かの熱情。
こんなものじゃまだまだ足りないけれど、これから少しずつ、伝えていければいい。
「大丈夫? 兄さん」
「……ん」
「可愛かったです」
「……あの」
「はい」
「ぬ……抜けよ」
「せっかくなのでもう少し、中にいさせて下さい」
「は?」
体はぐしょぐしょのドロドロに濡れているのに、貴臣は俺の中から離れようとせず、ぎゅっと抱きしめてきた。
まぁいっか。
甘えてくる貴臣も新鮮で。
今度は俺が、貴臣の前髪を割って額にキスをした。
「俺も……愛してんぞ。貴臣」
* * *
「あ……っ」
ズルッと指を抜かれて、喪失感からひくひくと後ろが疼いた。
はやく熱を、受け入れたい。
そんな期待に胸を膨らませている中、貴臣はベッドから降りようとしたので、その腕を咄嗟に掴んでかぶりを振った。
「いい、からっ、はやくっ……」
「けど、ゴムしないと」
「んなの……っ、いらないから、はやく入れろよ……っ……何年、待ったと、思ってんだよ……ッ」
一緒に住み始めて5年。
好きになってたぶん……4年?
もう待ちきれない。
貴臣を抱きしめると、痛いくらいに抱きしめ返された。
熱量のあるものがそこに宛てがわれる。
レッスンでは何度か手でしたし、口にも含んだりしたけど、1つになったことは1度もない。
先端を飲み込む瞬間は息が詰まったけど、ゆっくりと腰を推し進められていき、あっという間に全てを飲み込んでいた。
「あっあ……っあぁ……ッ!」
奥までそれが到達した瞬間、軽く達してしまったようで俺の先端からはまた白濁の液が散る。
シーツをぎゅっと握りしめながら、ブルブルと身体中を震わせた。
快感が駆け抜けたのもそうだけど、それよりも嬉しさのあまり、感動のあまり。
「全部、入りました」
「ん……ぅんっ……」
「嬉しい。ずっと、こうなりたかったんです」
「うん……」
ぎゅうっと力強く掻き抱かれ、愛しさがこみ上げる。
やっと、1つになれた。
さっきは、貴臣を好きになって4年か? と思ったけど訂正したい。
きっと俺は、初めて会った時から貴臣のことが好きだったんだ。
あの時は全然気付かなかったけど。
だからずっと、心を通わせたいって思ってたんだ。
抱きしめられたまま、貴臣の腰が律動を始めた。
腰が引いたかと思えば、ぐぐ、と奥まで突き上げられる。
頭も結合部も蕩けているような感覚。
腰を揺らされる度、俺の腹と貴臣の引き締まった腹に挟まれたペニスが摩擦されて気持ちよくて、自らも夢中で腰を上下に振った。
「兄さん、気持ちいいの? 腰すごく動いちゃってる……可愛い」
「あぁ……っ、も……おれっ、またすぐ……イっちゃうかもっ……」
「いいですよ。何度でもイってください。俺のために」
「あ……ふ……っ、たか……っ」
「本当に、大好きです。愛してます」
眦に滲んだ涙を、貴臣が舐めとってくれる。
俺は両足を貴臣の腰に巻き付け、より深く繋がろうと試みる。
心も体も。
お互いとっくに余裕なんてなくなっていたけど、貴臣はさらに奥歯を噛み締めたような表情で訴えかけてきた。
「……っ、兄さん、ごめん。俺も……もう、もたないかも」
「あ……っ、いい、よ、出して……っ!」
「いいの? なら一緒に、イきたい」
「んっ、あぁ、あ……!」
律動をより激しくされ、嬌声を上げる。
その後すぐに貴臣は俺の体の奥へ熱いものを迸り、俺も追いかけるように何度めかの吐精をした。
2人の想いと心はトロトロに蕩けた。
出会ってから、何年分かの熱情。
こんなものじゃまだまだ足りないけれど、これから少しずつ、伝えていければいい。
「大丈夫? 兄さん」
「……ん」
「可愛かったです」
「……あの」
「はい」
「ぬ……抜けよ」
「せっかくなのでもう少し、中にいさせて下さい」
「は?」
体はぐしょぐしょのドロドロに濡れているのに、貴臣は俺の中から離れようとせず、ぎゅっと抱きしめてきた。
まぁいっか。
甘えてくる貴臣も新鮮で。
今度は俺が、貴臣の前髪を割って額にキスをした。
「俺も……愛してんぞ。貴臣」
* * *
1
お気に入りに追加
154
あなたにおすすめの小説
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
────妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの高校一年生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の主人公への好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

愛され末っ子
西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。
リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。
(お知らせは本編で行います。)
********
上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます!
上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、
上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。
上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的
上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン
上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。
てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。
(特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。
琉架の従者
遼(はる)琉架の10歳上
理斗の従者
蘭(らん)理斗の10歳上
その他の従者は後々出します。
虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。
前半、BL要素少なめです。
この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。
できないな、と悟ったらこの文は消します。
※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。
皆様にとって最高の作品になりますように。
※作者の近況状況欄は要チェックです!
西条ネア

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる