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第4章 みんな幸せになればいいのに。
第74話 荒れる貴臣①*
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焦った俺は身を捩って逃げようとする。
けれど貴臣の指が手首にくい込む感触。シーツに縫い付けられ自由を奪われた俺の体は、勝手に熱を持ち始めていた。
「先輩を紹介してもらってすぐ、悠助に言ったんです。『うちの兄と相良先輩が、今後付き合う予定らしいんだ』と。大変驚いていましたが、すぐに事情を飲み込んでくれました。そして、自分も応援すると言ってくれたんです」
貴臣は左手のみで俺の腕を拘束したまま、ベッドの脇に手を伸ばす。サイドチェストにかかっていたネクタイを取り、交差させた手首に結びつけた。
縛るのも手馴れてきたようだなぁと素直に感心してしまい、我に帰る。
「お、応援って? もしかしてその悠助って人に、俺たちがレッスンしてるってこと言ったの?」
レッスンを始める際に、誰にも言わないことを約束したのに。
貴臣は笑ってかぶりを振った。
「まさか、言っていませんよ。2人が付き合えるように、少々手伝っているとは伝えました。悠助も、自分の兄が近年稀に見るド変態野郎だというのをしっかり分かっていた様です。AVを一緒に見て勉強したり、相談にのってあげているんだと言いました」
「じゃあ、あれは? 夏休み明けに告白されて、俺とのレッスンを終えたら付き合う予定だって話……」
今度はズボンのベルトに手をかけられる。
ベルトを外され、ズボンのフロントボタンを開けられた。
「あれは……嘘です」
「嘘?」
「ええ。嘘。そんな話、出ていませんよ」
じゃあ貴臣の部屋でその悠助って人と話していた内容……もう少しで付き合えるだとか、キスぐらいだったらっていうのは、貴臣たちの話じゃなくて俺と先輩の話だったんだ。
あの時、胸がきりきりと痛くなってしまったけれど。
少しだけホッとしたのも束の間、やはり気持ちは晴れない。
どうしてそんな嘘を吐く必要があった?
チャックを下され、ズボンを剥ぎ取られる。
上は着ている状態で、下半身はボクサーパンツ1枚にされた。
中のものが形を変えて布を押し上げているのが一目瞭然で、恥ずかしくて横を向く。
貴臣はそれには触れずに、俺の上半身を撫で回し始めた。
掌で体を洗っているみたいに、首筋や鎖骨、腹の下あたりまでを繊細なタッチで行き来されて、あっという間に肌が粟立った。
「あ……んっ、やめ……何、して……ッ」
「ほら、ちゃんと声我慢しないと。最後のレッスンなんですから、今まで教えてきたことをちゃんと思い出して臨んでくださいよ。全部水の泡になってしまいますよ。……あぁそれとも、もう秋臣とすでにレッスンを終えた後でしたか」
最後のレッスンは青姦だ。
本来であれば、貴臣が見つけてきた公園でする予定だった。
だけど今は、部屋のベッドの上。
貴臣が今までにないくらいに機嫌を悪くしている理由が分かった。
たぶん、秋くんと俺があの場所で変なことをしたと思ってるんだ。
「違う。そんなことするわけないじゃん! あれは秋くんがちょっとふざけてただけで」
「ふざけてって? どんな話をしたら、貴方が秋臣の前であんな潤んだ瞳で儚げな表情になるっていうんですか。教えてくださいよ」
「──ん……!」
乳首を親指と人差し指の腹でぎゅうっと摘まれて、眉根を寄せた。
痛いけど、頭のてっぺんと体の中心がジンと痺れてくる。
貴臣に触れられているのに、違う人にやられているみたいだった。
けれど貴臣の指が手首にくい込む感触。シーツに縫い付けられ自由を奪われた俺の体は、勝手に熱を持ち始めていた。
「先輩を紹介してもらってすぐ、悠助に言ったんです。『うちの兄と相良先輩が、今後付き合う予定らしいんだ』と。大変驚いていましたが、すぐに事情を飲み込んでくれました。そして、自分も応援すると言ってくれたんです」
貴臣は左手のみで俺の腕を拘束したまま、ベッドの脇に手を伸ばす。サイドチェストにかかっていたネクタイを取り、交差させた手首に結びつけた。
縛るのも手馴れてきたようだなぁと素直に感心してしまい、我に帰る。
「お、応援って? もしかしてその悠助って人に、俺たちがレッスンしてるってこと言ったの?」
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「じゃあ、あれは? 夏休み明けに告白されて、俺とのレッスンを終えたら付き合う予定だって話……」
今度はズボンのベルトに手をかけられる。
ベルトを外され、ズボンのフロントボタンを開けられた。
「あれは……嘘です」
「嘘?」
「ええ。嘘。そんな話、出ていませんよ」
じゃあ貴臣の部屋でその悠助って人と話していた内容……もう少しで付き合えるだとか、キスぐらいだったらっていうのは、貴臣たちの話じゃなくて俺と先輩の話だったんだ。
あの時、胸がきりきりと痛くなってしまったけれど。
少しだけホッとしたのも束の間、やはり気持ちは晴れない。
どうしてそんな嘘を吐く必要があった?
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上は着ている状態で、下半身はボクサーパンツ1枚にされた。
中のものが形を変えて布を押し上げているのが一目瞭然で、恥ずかしくて横を向く。
貴臣はそれには触れずに、俺の上半身を撫で回し始めた。
掌で体を洗っているみたいに、首筋や鎖骨、腹の下あたりまでを繊細なタッチで行き来されて、あっという間に肌が粟立った。
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「ほら、ちゃんと声我慢しないと。最後のレッスンなんですから、今まで教えてきたことをちゃんと思い出して臨んでくださいよ。全部水の泡になってしまいますよ。……あぁそれとも、もう秋臣とすでにレッスンを終えた後でしたか」
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だけど今は、部屋のベッドの上。
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「──ん……!」
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