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第2章 ほんとの気持ちと隠したい気持ち

第43話 ③*

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「あっ、ぁ……そんなの……だめ……だって……!」
「気持ちいいんですか」
「ふっ……も、ゃ……っ」

 そんなところを何度も擦られて、おかしくならないはずがない。
 今度はそこから玉の方に向かって滑らされて、トプトプと先走りの蜜をこぼした。見えてはいないが、さっきからどんどんシーツに染みを作っているだろう。

 耐えきれなくなった俺は、両手をそろそろと下半身へ持っていき、張り詰めたペニスを両手で包み込んだ。
 手首を縛られているせいでうまく手が使えない。
 変な動きになりながらも、両手の小指の付け根あたりでくびれ部分を摩擦し、どうにか熱を吐き出そうとした。

「ふふ。兄さん、すごく卑猥ですよ。そのままイってもいいですからね」

 そう言って貴臣が足を動かすと、俺の太ももの上に貴臣の体の中心が触れた。
 一瞬だったけど、その隆起した存在を肌ではっきりと感じ取った。
 勃ってる。やっぱり貴臣も興奮してくれてるんだと思うと嬉しくなった。

「っ……貴臣」
「なんですか」
「お前も……一緒にすれば?」

 そう言うと、貴臣の体が俺から離れた気配を感じた。

「すればって」

 少し動揺した声だ。
 勃ってんのがバレたと思って焦ってるんだろうか。
 俺は横向きのまま、心臓をバクバク言わせながら続けた。

「お前だって勃ってんじゃん。この前俺がオナってるところ見た時もそうだっただろ。イくの我慢してんだったら、遠慮しなくていいよ」

 反応はない。
 どう返答したらいいのか分からないようだ。
 もしかして俺、めちゃくちゃ変なこと言ってる? いやでも、こんなレッスンを兄弟でしてる時点ですでにめちゃくちゃ変だ。今更どうってことない。

 上半身を起き上がらせた俺は、手を伸ばして貴臣の太腿を探りあてた。
 そのまま両手を上のほうへ滑らせていく。
 貴臣は俺の手を振り払うことはしなかった。
 体の中心に到達した俺は、その膨らみを掌で感じ取る。
 ドキドキする。見えてないのに、貴臣が唇を噛んで耐えている顔が頭の中ではっきりと映像化された。
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