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第450話*
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笑顔の景に確証を得た俺は、唇をかんで高ぶった気を沈めようと鼻で深呼吸する。
けれど、うまくいかない。
景の手が俺の頭から離れない限り、冷静になることが出来ない。
逆にますます、淫らになってきた。
「はっ……はぁ……」と切れ切れに息を吐き出すと、体の中心は余計に天を向いて、ズボンに圧迫されたそこが痛くなった。
「修介。どうしよっか」
「あっ」
「僕、分からないな。修介の考えてること。住む時に決めたよね。何か思うことがあったら、遠慮せずにちゃんと言い合おうって」
今度は首の後ろの黒子を指先で撫でてくる景。
そんなルール決めたけど、それとこれとは別問題な気がする。
言えない。めちゃくちゃに触ってほしいだなんて、そんな破廉恥なこと。
涙目になっていると、景は俺を椅子ごと引っ張った。
「あっちょっと……!」
「あぁ、なんだかつらそう」
景はそこをどうしてほしいのか分かりきっているはずなのに、目だけで犯すようにまじまじと眺めていた。
膝立ちになった景の顔の前に、俺の体の中心がちょうどあって目を塞ぎたくなる。っていうか塞いだ。
触られていないのに、俺の腰が勝手にビクンと跳ね上がる。
今、濡れた。めちゃくちゃ下着が濡れた。
「ん──……けい……っ」
「あぁ……この状態の君を、絵画にして飾っておきたいなぁ」
ほんと景って、たまに馬鹿だよねぇ。
そんなツッコミする余裕すらない。
触ってほしいけど、今触られたらものすごく恥ずかしい。
もうこんなにしてるんだねって揶揄われるのは目に見えている。
でももう、限界。
そんな時、景は俺の目の前にずいと顔を寄せて、唇の隙間から赤い舌をぺろ、と覗かせた。
少し挑戦的な、射抜くような鋭い目をして。
何か考えるよりも先に、俺はその舌に食らいついていた。
両手で景の顔を押さえながら、俺は何度も顔の角度を変えて、景の口腔を貪る。
唾液が垂れても、エッチな音が鳴っても気にしない。
「ンッ、ん……っ、んっ」
目を閉じて景の蹂躙する舌に翻弄されていると、ますますヒートアップした。足がガクガクし、何回も腰が浮き上がる。
ぷはっ、と息苦しさから顔を離すと、どちらのものか分からない唾液が糸を引いた。
「景っ……も……ダメっ……ちゃんとベッドで……して」
こんなおねだりの仕方は初めてだ。
景は口の端を上げながら「いいよ」と俺を軽々とお姫様抱っこして、隣の寝室へ運んでくれた。
アロマディフューザーの作動音に、ベッドの軋む音と衣擦れの音が重なる。
上のシャツを脱がされ、インナーの白シャツになって仰向けにされた俺は、景の太ももに中心を擦り付けながらキスを受け入れた。
我慢できない。早く下も脱がせてほしい。
体の間はじんじんして、ビリビリがどんどん強くなっている。
ちょっと乱暴でもいいから、そこを早く擦り上げてほしいのに。
景はそこには触れようとせず、腕を摩ったりするだけ。
「んーー……ちゃんと触って……」
恥ずかしいけどそう言えば、景は俺のベルトを緩めてくれた。
あぁ、これで触ってくれる。
そう思った瞬間。
「あっ、そうだ。僕良いこと思いついた。ちょっと待っててくれる?」
「……はっ?!」
「すぐ戻ってくるから。あ、自分で触ったりしたらダメだからね」
景はベッドから下りて、扉を閉めて寝室を出て行ってしまった。
呆気にとられた俺は、上半身を起こしてドアの方を見つめる。
(なっ……なんて意地悪なんやっ……)
こんな時に、こんな状態の俺を置いていくなんて。
馬鹿だ。彼はたまにじゃなくて、正真正銘の馬鹿だ。
涙目でキッとドアの方を睨んで、すぐにベッドに横になる。
きっとすぐ、戻ってくる。
何度か中心の方に手が伸びてしまったが、少しの理性ですばやく引っ込めた。
もう少しだけ、我慢……。
そう思っていたが、三分経っても彼が戻ってくる気配はなく。
燻り続ける体は、静まってくれるはずもなく。
ゴロゴロ転がっても、うつ伏せになっても、そこに意識が集中しちゃって何やってても辛い。
今触れば気持ちいい。絶対めちゃくちゃ気持ちいい。
(……も、無理)
上からタオルケットを掛けた俺は、その中でズボンのチャックを下げ、下着ごと一気に太ももまでずり下げた。
待ちわびたように中のものが勢いよく飛び出して、それだけで体全体にゾワゾワと鳥肌が立った。
(あっ……ちょっと、だけやから……)
震える手でそこを軽く握った。
あまりにも太く硬くなったそれは、やっぱりいやらしい蜜を垂らしていた。
けれど、うまくいかない。
景の手が俺の頭から離れない限り、冷静になることが出来ない。
逆にますます、淫らになってきた。
「はっ……はぁ……」と切れ切れに息を吐き出すと、体の中心は余計に天を向いて、ズボンに圧迫されたそこが痛くなった。
「修介。どうしよっか」
「あっ」
「僕、分からないな。修介の考えてること。住む時に決めたよね。何か思うことがあったら、遠慮せずにちゃんと言い合おうって」
今度は首の後ろの黒子を指先で撫でてくる景。
そんなルール決めたけど、それとこれとは別問題な気がする。
言えない。めちゃくちゃに触ってほしいだなんて、そんな破廉恥なこと。
涙目になっていると、景は俺を椅子ごと引っ張った。
「あっちょっと……!」
「あぁ、なんだかつらそう」
景はそこをどうしてほしいのか分かりきっているはずなのに、目だけで犯すようにまじまじと眺めていた。
膝立ちになった景の顔の前に、俺の体の中心がちょうどあって目を塞ぎたくなる。っていうか塞いだ。
触られていないのに、俺の腰が勝手にビクンと跳ね上がる。
今、濡れた。めちゃくちゃ下着が濡れた。
「ん──……けい……っ」
「あぁ……この状態の君を、絵画にして飾っておきたいなぁ」
ほんと景って、たまに馬鹿だよねぇ。
そんなツッコミする余裕すらない。
触ってほしいけど、今触られたらものすごく恥ずかしい。
もうこんなにしてるんだねって揶揄われるのは目に見えている。
でももう、限界。
そんな時、景は俺の目の前にずいと顔を寄せて、唇の隙間から赤い舌をぺろ、と覗かせた。
少し挑戦的な、射抜くような鋭い目をして。
何か考えるよりも先に、俺はその舌に食らいついていた。
両手で景の顔を押さえながら、俺は何度も顔の角度を変えて、景の口腔を貪る。
唾液が垂れても、エッチな音が鳴っても気にしない。
「ンッ、ん……っ、んっ」
目を閉じて景の蹂躙する舌に翻弄されていると、ますますヒートアップした。足がガクガクし、何回も腰が浮き上がる。
ぷはっ、と息苦しさから顔を離すと、どちらのものか分からない唾液が糸を引いた。
「景っ……も……ダメっ……ちゃんとベッドで……して」
こんなおねだりの仕方は初めてだ。
景は口の端を上げながら「いいよ」と俺を軽々とお姫様抱っこして、隣の寝室へ運んでくれた。
アロマディフューザーの作動音に、ベッドの軋む音と衣擦れの音が重なる。
上のシャツを脱がされ、インナーの白シャツになって仰向けにされた俺は、景の太ももに中心を擦り付けながらキスを受け入れた。
我慢できない。早く下も脱がせてほしい。
体の間はじんじんして、ビリビリがどんどん強くなっている。
ちょっと乱暴でもいいから、そこを早く擦り上げてほしいのに。
景はそこには触れようとせず、腕を摩ったりするだけ。
「んーー……ちゃんと触って……」
恥ずかしいけどそう言えば、景は俺のベルトを緩めてくれた。
あぁ、これで触ってくれる。
そう思った瞬間。
「あっ、そうだ。僕良いこと思いついた。ちょっと待っててくれる?」
「……はっ?!」
「すぐ戻ってくるから。あ、自分で触ったりしたらダメだからね」
景はベッドから下りて、扉を閉めて寝室を出て行ってしまった。
呆気にとられた俺は、上半身を起こしてドアの方を見つめる。
(なっ……なんて意地悪なんやっ……)
こんな時に、こんな状態の俺を置いていくなんて。
馬鹿だ。彼はたまにじゃなくて、正真正銘の馬鹿だ。
涙目でキッとドアの方を睨んで、すぐにベッドに横になる。
きっとすぐ、戻ってくる。
何度か中心の方に手が伸びてしまったが、少しの理性ですばやく引っ込めた。
もう少しだけ、我慢……。
そう思っていたが、三分経っても彼が戻ってくる気配はなく。
燻り続ける体は、静まってくれるはずもなく。
ゴロゴロ転がっても、うつ伏せになっても、そこに意識が集中しちゃって何やってても辛い。
今触れば気持ちいい。絶対めちゃくちゃ気持ちいい。
(……も、無理)
上からタオルケットを掛けた俺は、その中でズボンのチャックを下げ、下着ごと一気に太ももまでずり下げた。
待ちわびたように中のものが勢いよく飛び出して、それだけで体全体にゾワゾワと鳥肌が立った。
(あっ……ちょっと、だけやから……)
震える手でそこを軽く握った。
あまりにも太く硬くなったそれは、やっぱりいやらしい蜜を垂らしていた。
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