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第278話 side景
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「宮崎さん、お疲れ様です」
「お疲れ様。ごめんね、遅れちゃってー」
宮ちゃんは詩音のマネージャーであろう人物と楽しそうに会話をしている。
僕は宮ちゃんの後ろから覗き込んで、すぐ横に座る詩音を盗み見た。
この中で一人だけ、強烈なオーラを放っている。
サラサラの髪に、柔らかくて優しい雰囲気の、あどけなさが残る顔立ち。
宮ちゃんは詩音は僕に似ていると言っていたけど、僕はあまりそうは思えなかった。
ただ黒髪で、服装が全身黒だからって理由じゃないのか?
詩音は、宮ちゃんに挨拶をしてニコッと笑う。
その頬には片えくぼができていた。
あ、でもこの笑い方。少しだけ僕に似ているかもしれない。
「あ、宮崎さん、先に始めてていいそうですよ。他の方は後から来るって連絡が入ったので」
「ああ、そうなんだ! じゃあぼちぼち始めちゃおうか」
僕と宮ちゃんは、詩音たちが座る前のテーブルに腰を下ろす。
と同時に、詩音が興奮した様子でこちらに身を乗り出した。
「あの、初めまして! Bプロダクションの日高詩音です! この度は、藤澤さんと共演出来て、本当にうれしく思っています! 至らぬところが多々ありますが、期待に応えられるよう精一杯努力しますので、どうぞよろしくお願いしますっ!」
いきなりの入社初日の新人サラリーマンのような挨拶に笑ってしまった。
でも、僕もきっと昔はこうだったのかもしれない。
全力で突っ走って、がむしゃらで。
周りのスタッフが詩音をクスクスと笑っていた。
景、泣かすんじゃないぞ、と言う声も聞こえた。
「……藤澤 景です。よろしくね」
シンプルにそれだけ言うと、詩音は耳まで赤くさせていた。
「お疲れ様。ごめんね、遅れちゃってー」
宮ちゃんは詩音のマネージャーであろう人物と楽しそうに会話をしている。
僕は宮ちゃんの後ろから覗き込んで、すぐ横に座る詩音を盗み見た。
この中で一人だけ、強烈なオーラを放っている。
サラサラの髪に、柔らかくて優しい雰囲気の、あどけなさが残る顔立ち。
宮ちゃんは詩音は僕に似ていると言っていたけど、僕はあまりそうは思えなかった。
ただ黒髪で、服装が全身黒だからって理由じゃないのか?
詩音は、宮ちゃんに挨拶をしてニコッと笑う。
その頬には片えくぼができていた。
あ、でもこの笑い方。少しだけ僕に似ているかもしれない。
「あ、宮崎さん、先に始めてていいそうですよ。他の方は後から来るって連絡が入ったので」
「ああ、そうなんだ! じゃあぼちぼち始めちゃおうか」
僕と宮ちゃんは、詩音たちが座る前のテーブルに腰を下ろす。
と同時に、詩音が興奮した様子でこちらに身を乗り出した。
「あの、初めまして! Bプロダクションの日高詩音です! この度は、藤澤さんと共演出来て、本当にうれしく思っています! 至らぬところが多々ありますが、期待に応えられるよう精一杯努力しますので、どうぞよろしくお願いしますっ!」
いきなりの入社初日の新人サラリーマンのような挨拶に笑ってしまった。
でも、僕もきっと昔はこうだったのかもしれない。
全力で突っ走って、がむしゃらで。
周りのスタッフが詩音をクスクスと笑っていた。
景、泣かすんじゃないぞ、と言う声も聞こえた。
「……藤澤 景です。よろしくね」
シンプルにそれだけ言うと、詩音は耳まで赤くさせていた。
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