83 / 454
第83話
しおりを挟む
「えっ、7位って凄ない? これ何千万って人がやっとるんやろ? ていうかこれみんなモデルとかやってるんか? みんなオシャレでカッコええやん!」
「いや、このランクは一般人やで。芸能人も沢山載せてるけどね。藤澤 景はやってないみたいやけど」
「はぁー、そうなんか……こんなオシャレな人達に紛れて載るなんて、瞬くんってホンマ凄いんやなぁ。将来モデルでもやっていけるんやないの……?」
「ハハ、大袈裟やなぁ」
夢中で写真を見ていたら、瞬くんが頬杖をついてこちらを覗き込んでいた事に気付いたから目線を移した。
「なに?」
「ん、いやー、なんか楽しいなぁ思うて。修介とこうやってんの。高校の頃こんなんしなかったもんな」
俺も今ちょうどそう考えていたから、瞬くんも同じ気持ちだったんだと思うと嬉しくて舞い上がった。
「ホンマ? 俺もめっちゃ楽しいで! イケメンの瞬くんとデートできて!」
「ふっ、デートって。ホンマに付き合うてるみたいやな。……俺はええけどな。またそういう風になっても」
「だから、からかうなやって」
「からかってへんよ。万が一に藤澤 景と付き合えたとしても、こんな風に堂々と街なんて歩けないんちゃうの? 周りにバレないようにコソコソするしか無いんやで? それって疲れへん?」
言われてみれば、そうだなと納得した。
瞬くんとだからこうやっていろんな場所に堂々と行けるけど、景だったらこうはいかない。
只でさえ目立つ彼は常に変装して、満足に街を歩く事も出来ないのに、俺と普通のデートなんて出来るはず無い。
「大変かもなぁ……」
「やろ? だから俺にすればええやん? 本気やで、俺」
「ふっ、だからもうええって」
何度もからかってしつこいなぁ、と半ば呆れながら適当にあしらってコーヒーを飲んだ。
でもこの時の俺は気付かなかった。
不穏な雲が近づいている事と、瞬くんの言う事は冗談じゃなく、本気だったんだって事。
「いや、このランクは一般人やで。芸能人も沢山載せてるけどね。藤澤 景はやってないみたいやけど」
「はぁー、そうなんか……こんなオシャレな人達に紛れて載るなんて、瞬くんってホンマ凄いんやなぁ。将来モデルでもやっていけるんやないの……?」
「ハハ、大袈裟やなぁ」
夢中で写真を見ていたら、瞬くんが頬杖をついてこちらを覗き込んでいた事に気付いたから目線を移した。
「なに?」
「ん、いやー、なんか楽しいなぁ思うて。修介とこうやってんの。高校の頃こんなんしなかったもんな」
俺も今ちょうどそう考えていたから、瞬くんも同じ気持ちだったんだと思うと嬉しくて舞い上がった。
「ホンマ? 俺もめっちゃ楽しいで! イケメンの瞬くんとデートできて!」
「ふっ、デートって。ホンマに付き合うてるみたいやな。……俺はええけどな。またそういう風になっても」
「だから、からかうなやって」
「からかってへんよ。万が一に藤澤 景と付き合えたとしても、こんな風に堂々と街なんて歩けないんちゃうの? 周りにバレないようにコソコソするしか無いんやで? それって疲れへん?」
言われてみれば、そうだなと納得した。
瞬くんとだからこうやっていろんな場所に堂々と行けるけど、景だったらこうはいかない。
只でさえ目立つ彼は常に変装して、満足に街を歩く事も出来ないのに、俺と普通のデートなんて出来るはず無い。
「大変かもなぁ……」
「やろ? だから俺にすればええやん? 本気やで、俺」
「ふっ、だからもうええって」
何度もからかってしつこいなぁ、と半ば呆れながら適当にあしらってコーヒーを飲んだ。
でもこの時の俺は気付かなかった。
不穏な雲が近づいている事と、瞬くんの言う事は冗談じゃなく、本気だったんだって事。
0
お気に入りに追加
220
あなたにおすすめの小説
執着攻めと平凡受けの短編集
松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。
疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。
基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる