1 / 454
第1話
しおりを挟む
俺の初体験は、散々だった。
高校二年生の春、関西の男子校に通っていた俺は、入学してからずっと好きだった隣のクラスの瞬くんと晴れて両思いになった。
周りに付き合ってる事がバレないかヒヤヒヤしていたけど、瞬くんはイケメンで優しいし、放課後、一緒に帰る時にこっそりキスして手を繋いでくれるし、俺は幸せの絶頂にいた。
そんな中、初体験を迎える事になったのは、夏休みも半ばに差し掛かった頃、瞬くんと電話していて、家に招待されたのがきっかけだった。
『修介ー、週末俺んち、親がいきなり旅行行く言うて誰もおらんのよ。良かったらうち来ーへん?』
「えっ、ええん?! 行く行く!」
『泊まってってええよ! んでさぁ~、朝までゲームやろうぜ!』
「え、朝まで……?! 行く行く! 絶対行く!」
(瞬くんの家は初めてやからドキドキやなぁ! ゲームやる言うてたけど、泊まりって事は、もしかしたら少しぐらい、あんな事やこんな事……)
緊張しながらもどこか期待している自分がいて、その日を心待ちにしていた。
──で、当日。
まさかあんな事になろうとは。
* * *
「痛ァ!!」
もう一度言うけど、俺の初体験は、散々だった。
一言で言うと、痛かった。
「え? 痛い?」
「瞬くん! ごめん、ちょっと痛いんやけどっ、もうちょい、優しくっ……?!」
「もしかして初めて? 大丈夫だよ。痛いのは最初だけやから」
部屋で夜テレビの前で並んでゲームをしていたら、そんな雰囲気でも無かったのに、いきなり瞬くんの方から腕を掴まれた。
瞬くんは真剣な顔で、口を真一文字に結びながら俺の顔を覗き込んできて、その後優しく触れるだけのキスをして。
それが合図だった。
で、瞬くんのベットに横たわると、電気を消されて。
(わぁぁ~! とうとうするんや! 瞬くんと!)
女の子みたいに両手で顔を覆っていると、その手を剥がされて激しいキスをされて、変な声も漏れて、二人で盛り上がっていた。
はずなのに。
俺は引っ張られてちぎれそうになる乳首を押さえて、涙目になりながら懇願する。
「しゅ、瞬くん! ちょっと待って……」
「あ~? さっきからうっせぇなぁ……少し黙っとけよ、優しくすっからさぁ」
「瞬くん?!」
(な、なんかいつもと違うな、瞬くん……言葉遣いも粗いし、もしかしてエッチで豹変するタイプ? でも、そんな瞬くんもかっこええ……)
痛いけどそんな事を考えていた矢先、心と体の準備が出来ていないのにも関わらず、俺の大事なところに瞬くんの中心が当てがわれた。
「ええっ! も、もう?!」
「はぁ……っ、悪ぃ、もう我慢出来ねぇ……」
「無理! 無理やで! まだなんも……!」
(こういう時って、ホンマはローションとか使って滑りよくせーへんといけないんや無かったっけ?! あぁ、でもそんな事言うたらまた怒られる……!)
「力抜けよ……っ」
「ええっ! え~…………あ──っ!!」
* * *
高校二年生の春、関西の男子校に通っていた俺は、入学してからずっと好きだった隣のクラスの瞬くんと晴れて両思いになった。
周りに付き合ってる事がバレないかヒヤヒヤしていたけど、瞬くんはイケメンで優しいし、放課後、一緒に帰る時にこっそりキスして手を繋いでくれるし、俺は幸せの絶頂にいた。
そんな中、初体験を迎える事になったのは、夏休みも半ばに差し掛かった頃、瞬くんと電話していて、家に招待されたのがきっかけだった。
『修介ー、週末俺んち、親がいきなり旅行行く言うて誰もおらんのよ。良かったらうち来ーへん?』
「えっ、ええん?! 行く行く!」
『泊まってってええよ! んでさぁ~、朝までゲームやろうぜ!』
「え、朝まで……?! 行く行く! 絶対行く!」
(瞬くんの家は初めてやからドキドキやなぁ! ゲームやる言うてたけど、泊まりって事は、もしかしたら少しぐらい、あんな事やこんな事……)
緊張しながらもどこか期待している自分がいて、その日を心待ちにしていた。
──で、当日。
まさかあんな事になろうとは。
* * *
「痛ァ!!」
もう一度言うけど、俺の初体験は、散々だった。
一言で言うと、痛かった。
「え? 痛い?」
「瞬くん! ごめん、ちょっと痛いんやけどっ、もうちょい、優しくっ……?!」
「もしかして初めて? 大丈夫だよ。痛いのは最初だけやから」
部屋で夜テレビの前で並んでゲームをしていたら、そんな雰囲気でも無かったのに、いきなり瞬くんの方から腕を掴まれた。
瞬くんは真剣な顔で、口を真一文字に結びながら俺の顔を覗き込んできて、その後優しく触れるだけのキスをして。
それが合図だった。
で、瞬くんのベットに横たわると、電気を消されて。
(わぁぁ~! とうとうするんや! 瞬くんと!)
女の子みたいに両手で顔を覆っていると、その手を剥がされて激しいキスをされて、変な声も漏れて、二人で盛り上がっていた。
はずなのに。
俺は引っ張られてちぎれそうになる乳首を押さえて、涙目になりながら懇願する。
「しゅ、瞬くん! ちょっと待って……」
「あ~? さっきからうっせぇなぁ……少し黙っとけよ、優しくすっからさぁ」
「瞬くん?!」
(な、なんかいつもと違うな、瞬くん……言葉遣いも粗いし、もしかしてエッチで豹変するタイプ? でも、そんな瞬くんもかっこええ……)
痛いけどそんな事を考えていた矢先、心と体の準備が出来ていないのにも関わらず、俺の大事なところに瞬くんの中心が当てがわれた。
「ええっ! も、もう?!」
「はぁ……っ、悪ぃ、もう我慢出来ねぇ……」
「無理! 無理やで! まだなんも……!」
(こういう時って、ホンマはローションとか使って滑りよくせーへんといけないんや無かったっけ?! あぁ、でもそんな事言うたらまた怒られる……!)
「力抜けよ……っ」
「ええっ! え~…………あ──っ!!」
* * *
10
お気に入りに追加
217
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
くまさんのマッサージ♡
はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。
2024.03.06
閲覧、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。
2024.03.10
完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m
今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。
2024.03.19
https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy
イベントページになります。
25日0時より開始です!
※補足
サークルスペースが確定いたしました。
一次創作2: え5
にて出展させていただいてます!
2024.10.28
11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。
2024.11.01
https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2
本日22時より、イベントが開催されます。
よろしければ遊びに来てください。
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
平凡な俺、何故かイケメンヤンキーのお気に入りです?!
彩ノ華
BL
ある事がきっかけでヤンキー(イケメン)に目をつけられた俺。
何をしても平凡な俺は、きっとパシリとして使われるのだろうと思っていたけど…!?
俺どうなっちゃうの~~ッ?!
イケメンヤンキー×平凡
壊れた番の直し方
おはぎのあんこ
BL
Ωである栗栖灯(くりす あかり)は訳もわからず、山の中の邸宅の檻に入れられ、複数のαと性行為をする。
顔に火傷をしたΩの男の指示のままに……
やがて、灯は真実を知る。
火傷のΩの男の正体は、2年前に死んだはずの元番だったのだ。
番が解消されたのは響一郎が死んだからではなく、Ωの体に変わっていたからだった。
ある理由でαからΩになった元番の男、上天神響一郎(かみてんじん きょういちろう)と灯は暮らし始める。
しかし、2年前とは色々なことが違っている。
そのため、灯と険悪な雰囲気になることも…
それでも、2人はαとΩとは違う、2人の関係を深めていく。
発情期のときには、お互いに慰め合う。
灯は響一郎を抱くことで、見たことのない一面を知る。
日本にいれば、2人は敵対者に追われる運命…
2人は安住の地を探す。
☆前半はホラー風味、中盤〜後半は壊れた番である2人の関係修復メインの地味な話になります。
注意点
①序盤、主人公が元番ではないαたちとセックスします。元番の男も、別の女とセックスします
②レイプ、近親相姦の描写があります
③リバ描写があります
④独自解釈ありのオメガバースです。薬でα→Ωの性転換ができる世界観です。
表紙のイラストは、なと様(@tatatatawawawaw)に描いていただきました。
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる