空と海が出会う場所 〜自閉スペクトラム症の私の人生の転機になったのは、医者でも心理士でもなく、一人の少年でした。

※2023年、ポプラ社ズッコケ文学新人賞の最終選考に残った「船は空に、思い出は花に。」を、修正加筆したものです。


《あらすじ》
絵って何だろう。
 
以前なら、ただのひまつぶしだった。
退屈な時間、
なじめない場所、
人との隙間、
いろんなところにぽっかりと空いた穴をうめるものだった。

だけど、今は違う。
晴空が、私にある言葉をかけてくれたからーー。

主人公南海音(みなみみお)は、自閉スペクトラム症(ASD)の少女。
自閉スペクトラム症は、
コミュニケーション、対人関係の困難とともに、
強いこだわり、限られた興味をもつという特徴がある発達障害。

なぜか、クラスにうまくなじめない。
なぜか、生きづらい。

そんな悩みを抱えていた海音は中学校三年生の春に転校し、夏川晴空(なつかわはるく)という少年に出会う。
晴空は発達障害の姉を持つ。
発達障害に理解がある晴空は、海音の存在をうことめ、少しずつ心の距離を縮めていく。

海音は、晴空との出会いを通して、人とつながることを学んでいく。また、スクールカウンセラーからの支援にも、晴空の助言をきっかけにつながることになる。

五月。運動会が開かれる予定となる。絵がうまかった海音は、クラスの目標を文字と絵で表現したフラグの制作を任されることとなる。
その過程で同じクラス生徒たちとの距離感が微妙に変化していく。
 
海音は、フラグに、
クラスの生徒全員をのせた空飛ぶ船と、
大地を埋め尽くす赤い花を描く。

その絵の意図とは?

また、絵の制作過程を通じて、変化していく海音と晴空の関係性は、どうなっていくのか?
 
発達障害の悩みを抱えた少女の生き様と、淡く純真な恋を描いた物語。


 
24h.ポイント 198pt
170
小説 7,864 位 / 193,699件 現代文学 103 位 / 8,619件

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

統合失調症〜百人に一人がかかる病い

あらき恵実
現代文学
統合失調症。   それは、百人に一人の割合で発症する病気。 世界中の人間の、百人に一人は、統合失調症患者だ。それは、けっして少ない数ではない。 おそらく世間一般には、 統合失調症は「幻覚、妄想を起こす病気」というイメージがあるのではないか。 しかし、この病気の本質は《自我の障害》だ。 自我とは、 《私》と《他人》を隔てる《殻》のようなものだ。 統合失調症患者は、その殻がもろくなる。そして、自分と他人の境目があいまいになっていく。 それによって、さまざまな症状が出現する。 高校生の私(夏音)は、統合失調症の素因をもっており、ストレスに対して脆弱性を抱えていた。 そんな私は、家庭環境や受験によるストレスから、徐々に精神に異常をきたしはじめる。  私の精神状態に大きな変化が起こりそうな予兆がある中、 先に精神に異常をきたしたのは兄だった。 高校三年生の夏、私の兄は、 統合失調症の診断で、 精神科病院に入院した。 兄に初恋に似た感情を抱いていた私は、兄の発病に心を乱されながらも、 精神科病院に通い、兄を見舞う日々を送る。 そんな頃、私にはもう一人、重要な人物が現れる。 兄の入院する精神科病院はとある丘に建っていた。丘には団地もあり、その団地には私と同じ高校に通う少年が住んでいた。私は、その夏、兄の見舞いの行き帰りに頻々と少年と出会う。そして、私と少年は少しずつ心の距離をつめていくこととなる。 私、兄、少年との、三人の人間模様と統合失調症という病を描いた物語。    

【R18】エリートビジネスマンの裏の顔

白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます​─​──​。 私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。 同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが…… この生活に果たして救いはあるのか。 ※サムネにAI生成画像を使用しています

墜落する、衛星

その子四十路
現代文学
きみのそういうところが好きで、そういうところがきらいだったの 恋愛を軸に、自由につづる詩・短編集 ※他サイトでも公開しています。

とろとろ【R18短編集】

ちまこ。
BL
ねっとり、じっくりと。 とろとろにされてます。 喘ぎ声は可愛いめ。 乳首責め多めの作品集です。

【「地方競馬必勝法」連載スタート!】『偽りのチャンピオン~元女子プロレスラー新人記者「安稀世」のスクープ日誌VOL.3』

M‐赤井翼
現代文学
元女子プロレスラー新人記者「安稀世」のスクープ日誌の3作目になります。 今回のお題は「闇スポーツ賭博」! この春、メジャーリーグのスーパースターの通訳が起こした「闇スポーツ賭博」事件を覚えていますか? 日本にも海外「ブックメーカー」が多数参入してきています。 その中で「反社」や「海外マフィア」の「闇スポーツ賭博」がネットを中心にはびこっています。 今作は「闇スポーツ賭博」、「デジタルカジノ」を稀世ちゃん達が暴きます。 毎回書いていますが、基本的に「ハッピーエンド」の「明るい小説」にしようと思ってますので、安心して「ゆるーく」お読みください。 今作も、読者さんから希望が多かった、「直さん」、「なつ&陽菜コンビ」も再登場します。 もちろん主役は「稀世ちゃん」です。 このネタは3月から寝かしてきましたがアメリカでの元通訳の裁判は司法取引もあり「はっきりしない」も判決で終わりましたので、小説の中でくらいすっきりしてもらおうと思います! もちろん、話の流れ上、「稀世ちゃん」が「レスラー復帰」しリングの上で暴れます! リング外では「稀世ちゃん」たち「ニコニコ商店街メンバー」も大暴れしますよー! 皆さんからのご意見、感想のメールも募集しまーす! では、10月9日本編スタートです! よーろーひーこー! (⋈◍>◡<◍)。✧♡

鬼母(おにばば)日記

歌あそべ
現代文学
ひろしの母は、ひろしのために母親らしいことは何もしなかった。 そんな駄目な母親は、やがてひろしとひろしの妻となった私を悩ます鬼母(おにばば)に(?) 鬼母(おにばば)と暮らした日々を綴った日記。

あなたを忘れたい

さりゅん
現代文学
―――お願い…私のことは、忘れて。 高校3年を迎える春、太陽のように笑顔のまぶしかった彼女は、突然私をフッた。 ×××××××××××××××××××××××××××××××× 高校3年を迎える春、突然私をフッた彼女、汐里(しおり)。理由も分からないまま、やがて卒業して成人し、彼女のことを忘れ去っていた悠佑(ゆうすけ)。しかし青春の苦い思い出として心の奥にしまっていた彼女、汐里との記憶は、思いも寄らず彼女と再会したことで…。