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強制デート

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「いいお尻しているね」
「やめて下さい。このご時世に。セクハラで訴えますよ」
「俺は訴えられても何にも問題はないよ。それに君の方から僕に会いに来てくれたんじゃないか」
「そこは否定しません。ですが私はあなたと楽しく会話が出来ると思っていたからです」
「会話だけで、わざわざこんな密室に来るわけないよね。君の方もその気があるんじゃない?」
「その気とはどの気ですか? あなたと私は言葉以外共通点はありません」
「おいおい、寂しい事言わないでくれよ。猿と人間じゃああるまいし、俺とデートしようよ」
「デートというのはお互いに好きな者同士がするものです! そもそもあなたと私は分かり合えるとは到底思えません。かろうじて会話が成立しているだけです」
「またまた。こんなに俺と密着しているのに」
「それはしょうがないでしょう? 私だって好きで密着しているわけではないのですから」
「そんな事言うなよ。デートしようよ。俺は地図にはめっぽう詳しいんだぜ」
「そんなの今時皆そうでしょう? 何の自慢にもなりません」
「それに雨が来ても風が来ても君を守ってあげられるし、雷が来ても大丈夫さ」
「そりゃあそうでしょうね。あなたは車なんですから。もう私帰ります」

 ☆☆☆

「それで乗り心地はいかがでしたでしょうか?」
「この人工知能会話機能付きの試乗車、最悪でした。もう二度と乗りませんし、絶対買いませんから」
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