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寂しい刺身「い」

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 新鮮な魚を使った料理店をオープンした店主。
 しかし、場所が悪いのか店の雰囲気が悪いのか、それとも接客が悪いのか、客は殆どやって来なかった。
「寂しい」 
 店主はふと呟いた。店主は人と接している時が一番好きだったのだ。人が来ないお店は店主にとって懐具合も含めて寂しいものだった。
「せっかく仕入れた鮮魚も無駄になってしまう」 
 店主は趣味の一つである創作習字がふと頭に思い浮かんだ。それはひらがなを文字として読める範囲で少しスタイリッシュでオシャレに、あるいは芸術風に習字で文字を描くというものである。
 店主は刺身用としてあった廃棄食材を使ってそれを皿に盛り付けてみる事にした。
 イカが好きだった店主はイカの刺身を使って、皿に「い」の文字をオシャレに並べた。
「これは面白い」 
 店主が刺身で文字を作りそれを試しに創作刺身として出すと、客足が次第に伸び始めた。
「明日息子が受験なんですよ。カツオで勝つと作ってくれませんか?」
「任せて下さい!」
 店主は力一杯親指を立てて言った。
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