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遊佐くんの周りには優しい人が多い気がする。

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前にもあった。遊佐っちが研究所でワイらと一緒に働いとった頃や。

「遊佐っち遊佐っち!部屋から出てさ、カフェで一緒に話そうや!」

「……」

「ダメ?」

「…いいですよ、」

「遊佐っち声ガサガサw」
「もしかして寝てた?」

「いえ、少し仮眠を…」

「そっか、起こちゃったね、」

「…別に、もうすぐ起きる予定でしたんで、」

ガチャ

「おう!おはよう!」

「…おはようございます」

「ちなみに朝日も来るよ」

「へ~、そうなんですね、」

「ま、10分前に集合って言っといたから、もう着いとるやろうけど」

「遅刻じゃないですか!!」

「まぁ、許容範囲でしょ」

「……」



「遅いぞ!」

「ごめんごめん」

「一体何して…って、遊佐ちゃん!?」「どうしてここに!」

「ん?いやぁ~、朝日とワイだけじゃちと寂しいかなぁ、って」

「ふーん……」
「ま、遅刻についてはもう慣れてるからいいとして、で、なんだ、聞きたいことって」

「あぁ、それはねぇ…」

ゴソゴソ

「あ、あったあった、」
「なぁ朝日、ここん部分、どう思う?」

「あぁー、いいとは思うけど、こうやってまとめた方がわかりやすいと思うよ。」

「確かになぁ、……うーん、ま、そっちのがええか!」
「サンキューなっ、朝日!」

「うん」

「って、おーい、遊佐っち?さっきから一個も動いてへんけど、どないしたん?なんかあったんか?」
「おーい!!」

「?」
「遊佐ちゃん、どっか調子悪い?」

「りょ…く…」

ドサッ

「「!!!」」

「遊佐っちっ!」

「遊佐ちゃん!!」

遊佐っちは、いきなり倒れた。

原因は、疲れとストレスやった。


ワイらが働いていた研究所では、衣食住、が全てが揃っとった。1人1個の個室が貰えたし、食堂もある。自由スペースも図書館
(研究に関する本が大半をしめている)もある。そう、1日の全てを研究所内で済ませることができるんや。

当時の遊佐っちは、まだ中学生。研究所で働く許可を、学校側から貰っているとしても少しは行かないといけない。

でも、あまり学校に行っておらず、衣食住、全てを研究所で済ませている遊佐っちにとって、学校というのは、ちと相性が悪かった。


まず、孤立する。

遊佐っちが、あまり学校に行ってないことを知っている他クラスの生徒は、

「なぁ、あれって引きこもりの遊佐じゃね?」

「ニートじゃんw」

遊佐っちが研究所で働いていて、学校にあまり来れていないことを知っている同じクラスの生徒は、

「ねぇねぇ、天才って普通の人を下に見てるって、読んだ本に書いてたよ、」

「えっ、じゃあ遊佐くんって…」

とまぁ、いろんな事を言われる始末。


次に、予定が合わない。

研究所では門限等の、多少の決まりがある。研究所のみんなが安全に、快適に過ごすためだ。

だから、

「なぁ、今日このあと学校終わったら遊ぼうぜ!」

と、誘われても

「いや、今日は無理。あと、またしばらく学校来ないから僕にあまり時間を使わない方がいいよ。時間の無駄でしょ。」

と、返事せざるを得ない。
…まぁ、遊佐っちの返事にも問題があるとは思うけど……。
でも、そう考えると最近は本当に優しくなったというか、なんか安心感、包容力がある、というか…まぁ、今は置いておこう。


とまぁ、このように遊佐っちと学校とでは、相性最悪。
まぁ、遊佐っちがあまり人と接しがらない性格だった、っていうのもあるだろうけど。
でも、そしたらさっきの子たちとは…
まぁ、これも今は置いておこう。


疲れ・ストレスの原因は他にもあった。

大人ばかりの研究所。忙しくてろくに寝れやしない毎日。課題のオンパレード。
それに学校も加わって……とまぁ、ほんとに大変だ。


遊佐っちが倒れて3時間後。遊佐っちは、やっと目を覚ました。

「ここ、は……」

「遊佐っち!」

「遊佐ちゃん!」

「ええっと、ここh」

「ここは僕の部屋だよ。晃の部屋よりも、僕の部屋の方が、カフェスペースから近かったからね、」
「大丈夫?具合どう?」

「だ、大丈夫です、」

「ごめん、遊佐っち!体調悪かったのに、ワイが強引に誘ったから…!!」

「いや、体調は悪くなかった、です。」

「…真理さんが、「倒れた原因は疲れやストレスね。」って言ってたんだけど、何かあったんか?」

「……悩み、とかは特にないので大丈夫です。」
「倒れたのは多分、疲れ…だと思います。しっかり寝ますので、おふたりとも、そんなに心配そうな顔しないでください!」

「えぇ~、だって心配なんやもん!」

「そうですよ、僕たち遊佐ちゃんが心配で…」

「だから大丈夫ですって、」
「あ、あと、ここまで運んでくださりありがとうございました。」


スクッ

「あれ?もう立っても平気なんか?」

「はい、多分問題ないですね、」
「立ちくらみは少ししましたが、」

「って、どこ行くん!!」

「もう、こんな時間だから、自室に戻ろうと思いまして。」

「ちょっ、まっ!」


そう言って遊佐っちは自分の部屋へと戻って行った。

次の日の遊佐っちは何事も無かったかのようにピンピンしていた。


ワイと朝日は勘づいとった。
遊佐っちが何かを隠していることを。倒れた原因を、隠していることを。
でも本人が、自分の意思で隠したんや。それを他人がとやかく言う必要は無い。
そうは思うけど、やっぱりちょっと悲しいやん。教えてくれんのは。

なにか重大な悩み事があるん?それとも研究について、なんか間違ったことしたん?重大な間違いしたん?

頼って欲しかった。話して欲しかった。ワイらはそんな思いを胸にしまって、次の日も、その次の日も研究所で時間を過ごした。
結局、遊佐っちは今でも、倒れた原因については教えてくれない。
まぁもう忘れているかもしれないけど。



まぁ、話が長くなってしもうたが、今回遊佐っちが倒れたのは、きっとまた、「ストレス」によるものなんやろう。

そしてなんと、その原因が朝日やという。

「実は……、」

「うん、」

朝日は少し気まづそうに、辛そうに、話しを始めた。





【あとがき】
暗い暗い、最後暗いって(まぁ書いてるの自分なんですけど、)。

遊佐くんが倒れた原因は、一体なんだったのか。それは、次回か次次回に書きたいと思います。

ここまで読んでくださって、ありがとうございました!
これからも「ぼくこま」を、よろしくお願いいたします!
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