88 / 148
79.捨てられた子犬
しおりを挟む
シーナ達へ魔力の源の場所を教え、手のひらまでの移動を練習し終える頃には昼食の時間になっていたので、魔法の練習を切り上げて昼食を食べたのだけど、昼食が終わるタイミングでユファ婆さまが俺を抱きしめてきた。
「ユファ婆さま?」
その行動の意味が分からずに首を傾げながらユファ婆さまを見上げると、ユファ婆さまはニヤリと笑ってさらに強く抱きしめてきた。
「私も工房に連れて行くと言うまで離さないからね!」
なるほど。そういうことか。
抱きつくことで転移を阻止しようってわけね。
〉ユファ婆さま必死www
〉どうしてもついていきたいからなwww
〉そのための方法が抱きつきってwww
〉そうすることで転移出来ないようにする作戦か!
〉必死なユファ婆さまカワイイ
〉しかし、有効的な作戦なのか?
〉ムリだろうな
〉抱きつかれた状態からでもレインだけ転移は可能だろ?
《可能だな》
俺の転移は範囲ではないし、手を掴まれたら掴んだ人ごと転移するわけでもないので関係なく転移出来る。
〉つまり?
〉ユファ婆さまはムダなことをしているとwww
〉笑ってやるな!
〉レインが異常なだけなんだから!
〉普通ならこれが一番有効的な作戦なんだから!
〉レインが異常なだけなんだから!
〉大切なことなので二度言いましたwww
〉大切なことなので二度言いましたwww
二度言う必要なないように思えるが、確かにユファ婆さまに抱きつかれた状態からでも転移は可能ではあるね。
しかし、ここまで必死になっているユファ婆さま相手にそれをして突き放すのもなんだか可哀想なので、少し譲歩しよう。
「わかったよ。明日は連れて行くから今日は離れてね」
「ホント?」
「ホントだよ」
〉おっ?
〉昨日はあんなに頑なに断っていたのに
〉まさかの展開!
〉レインが譲歩するなんて!
〉あのわが道をゆくレインが!?
〉鬼畜レインが!?
〉異常なレインが!?
〉明日は嵐が来るんじゃね!?
〉防災対策しないと!
《俺はお前達の暴言対策として当分無視することにするわ》
〉なっ!
〉ちょっ!
〉すまん!
〉ごめん!
〉謝るから!
〉土下座もする!
〉だから無視だけは!
〉や~め~て~!
なんかこの展開も天丼になってきているな。
さらに言えば、どうせすぐにまた暴言を吐いてくるわけだから、ホントに当分無視したほうがいいかもしれないな。まぁ、ウザくもあるけど楽しくもあるからいいといえばいいのだけど。
しかし、リスナー達との会話に癒やされている部分もあるからついつい反応してしまうって。俺も甘いな。
「今日からじゃダメなの?」
捨てられた子犬のような目を向けてくるユファ婆さま。
しかし、そんな目をされても今日連れて行くのはムリなんだよな。
「元々工房は俺一人で行く予定だったからそんなに広く作ってないんだよ。だから今日はシーナだけ。
でも、明日からはユファ婆さまも来れるように広くするから明日からならいいよ」
それでもユファ婆さまは捨てられた子犬のような目で俺を見てくるのを止めない。
〉だったら最初から広く作っておけばよかったんじゃね?
〉そしたらユファ婆さま連れてけたんじゃね?
〉そしたら今回のようなことにならなかったんじゃね?
〉考えがなさすぎなんじゃね?
〉やっぱり無視してくるんじゃね?
〉今まさに無視されてるんじゃね?
〉じゃあこの書き込みムダなんじゃね?
〉リスナー全員で土下座するしかないんじゃね?
〉謝るしかないんじゃね?
〉それしかないんじゃね?
終わりを「じゃね?」で統一してきているリスナー達がウザいのでやっぱり当分放置で。
ユファ婆さまを見つめていると、ユファ婆さまは「は~」と息を吐いた。
「わかったわ。今日は我慢するわ」
納得してくれたユファ婆さまが離してくれたので、ホッとしながらユファ婆さまの頭を撫でる。
「でも、明日はちゃんと連れて行ってよね」
さっきの捨てられた子犬のような目から獲物を狙う鷹のような鋭い眼差しを向けてくるユファ婆さま。
〉ひっ!
〉おわっ!
〉ひゃっ!
〉スゲー眼差し!
〉こわっ!
〉これ明日連れていかなかったら………
〉レインが悲しいことに………
〉明日がめいに………
〉おい!止めろ!
〉でも、そう思えるくらいの眼差しwww
〉曾祖母さんがひ孫を手に掛ける日になっちゃうのかwww
確かにそうなってもおかしくない眼差しを向けてきてるので、工房行ったらしっかりと拡張しないとね。
それからシーナの元へと飛んでいった。すると、シーナは待ってましたとばかりに俺を抱きしめてくれた。
「それじゃあ行ってくるね。
あっ、俺が工房に行ってる間はフィーシャとアルは自由にしてていいからね。だからお風呂に入りに行ってもいいけど、シャンプーや石鹸を使いすぎたり、お風呂に浸かりすぎてのぼせて倒れたりしたらもうお風呂は使わせないからそれだけは注意してね」
「わかりました」
お風呂大好きアルが力強く頷いたのを見てから俺はシーナと一緒に転移した。
「ユファ婆さま?」
その行動の意味が分からずに首を傾げながらユファ婆さまを見上げると、ユファ婆さまはニヤリと笑ってさらに強く抱きしめてきた。
「私も工房に連れて行くと言うまで離さないからね!」
なるほど。そういうことか。
抱きつくことで転移を阻止しようってわけね。
〉ユファ婆さま必死www
〉どうしてもついていきたいからなwww
〉そのための方法が抱きつきってwww
〉そうすることで転移出来ないようにする作戦か!
〉必死なユファ婆さまカワイイ
〉しかし、有効的な作戦なのか?
〉ムリだろうな
〉抱きつかれた状態からでもレインだけ転移は可能だろ?
《可能だな》
俺の転移は範囲ではないし、手を掴まれたら掴んだ人ごと転移するわけでもないので関係なく転移出来る。
〉つまり?
〉ユファ婆さまはムダなことをしているとwww
〉笑ってやるな!
〉レインが異常なだけなんだから!
〉普通ならこれが一番有効的な作戦なんだから!
〉レインが異常なだけなんだから!
〉大切なことなので二度言いましたwww
〉大切なことなので二度言いましたwww
二度言う必要なないように思えるが、確かにユファ婆さまに抱きつかれた状態からでも転移は可能ではあるね。
しかし、ここまで必死になっているユファ婆さま相手にそれをして突き放すのもなんだか可哀想なので、少し譲歩しよう。
「わかったよ。明日は連れて行くから今日は離れてね」
「ホント?」
「ホントだよ」
〉おっ?
〉昨日はあんなに頑なに断っていたのに
〉まさかの展開!
〉レインが譲歩するなんて!
〉あのわが道をゆくレインが!?
〉鬼畜レインが!?
〉異常なレインが!?
〉明日は嵐が来るんじゃね!?
〉防災対策しないと!
《俺はお前達の暴言対策として当分無視することにするわ》
〉なっ!
〉ちょっ!
〉すまん!
〉ごめん!
〉謝るから!
〉土下座もする!
〉だから無視だけは!
〉や~め~て~!
なんかこの展開も天丼になってきているな。
さらに言えば、どうせすぐにまた暴言を吐いてくるわけだから、ホントに当分無視したほうがいいかもしれないな。まぁ、ウザくもあるけど楽しくもあるからいいといえばいいのだけど。
しかし、リスナー達との会話に癒やされている部分もあるからついつい反応してしまうって。俺も甘いな。
「今日からじゃダメなの?」
捨てられた子犬のような目を向けてくるユファ婆さま。
しかし、そんな目をされても今日連れて行くのはムリなんだよな。
「元々工房は俺一人で行く予定だったからそんなに広く作ってないんだよ。だから今日はシーナだけ。
でも、明日からはユファ婆さまも来れるように広くするから明日からならいいよ」
それでもユファ婆さまは捨てられた子犬のような目で俺を見てくるのを止めない。
〉だったら最初から広く作っておけばよかったんじゃね?
〉そしたらユファ婆さま連れてけたんじゃね?
〉そしたら今回のようなことにならなかったんじゃね?
〉考えがなさすぎなんじゃね?
〉やっぱり無視してくるんじゃね?
〉今まさに無視されてるんじゃね?
〉じゃあこの書き込みムダなんじゃね?
〉リスナー全員で土下座するしかないんじゃね?
〉謝るしかないんじゃね?
〉それしかないんじゃね?
終わりを「じゃね?」で統一してきているリスナー達がウザいのでやっぱり当分放置で。
ユファ婆さまを見つめていると、ユファ婆さまは「は~」と息を吐いた。
「わかったわ。今日は我慢するわ」
納得してくれたユファ婆さまが離してくれたので、ホッとしながらユファ婆さまの頭を撫でる。
「でも、明日はちゃんと連れて行ってよね」
さっきの捨てられた子犬のような目から獲物を狙う鷹のような鋭い眼差しを向けてくるユファ婆さま。
〉ひっ!
〉おわっ!
〉ひゃっ!
〉スゲー眼差し!
〉こわっ!
〉これ明日連れていかなかったら………
〉レインが悲しいことに………
〉明日がめいに………
〉おい!止めろ!
〉でも、そう思えるくらいの眼差しwww
〉曾祖母さんがひ孫を手に掛ける日になっちゃうのかwww
確かにそうなってもおかしくない眼差しを向けてきてるので、工房行ったらしっかりと拡張しないとね。
それからシーナの元へと飛んでいった。すると、シーナは待ってましたとばかりに俺を抱きしめてくれた。
「それじゃあ行ってくるね。
あっ、俺が工房に行ってる間はフィーシャとアルは自由にしてていいからね。だからお風呂に入りに行ってもいいけど、シャンプーや石鹸を使いすぎたり、お風呂に浸かりすぎてのぼせて倒れたりしたらもうお風呂は使わせないからそれだけは注意してね」
「わかりました」
お風呂大好きアルが力強く頷いたのを見てから俺はシーナと一緒に転移した。
0
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
伯爵家の次男に転生しましたが、10歳で当主になってしまいました
竹桜
ファンタジー
自動運転の試験車両に轢かれて、死んでしまった主人公は異世界のランガン伯爵家の次男に転生した。
転生後の生活は順調そのものだった。
だが、プライドだけ高い兄が愚かな行為をしてしまった。
その結果、主人公の両親は当主の座を追われ、主人公が10歳で当主になってしまった。
これは10歳で当主になってしまった者の物語だ。
ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~
三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】
人間を洗脳し、意のままに操るスキル。
非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。
「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」
禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。
商人を操って富を得たり、
領主を操って権力を手にしたり、
貴族の女を操って、次々子を産ませたり。
リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』
王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。
邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
【書籍化決定】神様お願い!〜神様のトバッチリを受けた定年おっさんは異世界に転生して心穏やかにスローライフを送りたい〜
きのこのこ
ファンタジー
突然白い発光体の強い光を浴びせられ異世界転移?した俺事、石原那由多(55)は安住の地を求めて異世界を冒険する…?
え?謎の子供の体?謎の都市?魔法?剣?魔獣??何それ美味しいの??
俺は心穏やかに過ごしたいだけなんだ!
____________________________________________
突然謎の白い発光体の強い光を浴びせられ強制的に魂だけで異世界転移した石原那由多(55)は、よちよち捨て子幼児の身体に入っちゃった!
那由多は左眼に居座っている神様のカケラのツクヨミを頼りに異世界で生きていく。
しかし左眼の相棒、ツクヨミの暴走を阻止できず、チート?な棲家を得て、チート?能力を次々開花させ異世界をイージーモードで過ごす那由多。「こいつ《ツクヨミ》は勝手に俺の記憶を見るプライバシークラッシャーな奴なんだ!」
そんな異世界は優しさで満ち溢れていた(え?本当に?)
呪われてもっふもふになっちゃったママン(産みの親)と御親戚一行様(やっとこ呪いがどうにか出来そう?!)に、異世界のめくるめくグルメ(やっと片鱗が見えて作者も安心)でも突然真夜中に食べたくなっちゃう日本食も完全完備(どこに?!)!異世界日本発福利厚生は完璧(ばっちり)です!(うまい話ほど裏がある!)
謎のアイテム御朱印帳を胸に(え?)今日も平穏?無事に那由多は異世界で日々を暮らします。
※一つの目的にどんどん事を突っ込むのでスローな展開が大丈夫な方向けです。
※他サイト先行にて配信してますが、他サイトと気が付かない程度に微妙に変えてます。
※昭和〜平成の頭ら辺のアレコレ入ってます。わかる方だけアハ体験⭐︎
⭐︎第16回ファンタジー小説大賞にて奨励賞受賞を頂きました!読んで投票して下さった読者様、並びに選考してくださったスタッフ様に御礼申し上げますm(_ _)m今後とも宜しくお願い致します。
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる