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27.済む話
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「それよりもっと簡単な方法があるだろ?」
その声がした方向を見ると、5人の女性がこちらへ向かって歩いてきていた。
「誰だろう」って。
僕が知るはずもないだろ。
でも、全員しっかりと装備一式つけているので冒険者なのだろう。
「ルーファ」
驚いた様子でイサナミさんが反応したので、イサナミさんが担当する冒険者の人達なのかもしれない。
イサナミさんに名前を呼ばれたルーファさんは手を振りながら僕達の隣にやってきた。
「今日は森の方に行くって言ってなかった?」
「森には行ったよ。でも、獲物が少なかったから早く帰ってきたわけさ」
ルーファさんは狩ってきた獲物を机の上に置いた。
「買い取りはあとでいいよ」
そう言いながら僕の方を見るルーファさん。
なんで見られているのかわからない僕が首を傾げると、ルーファさんはニコッと笑いかけてきてからイサナミさんを見た。
「しかし、どうやら早く帰ってきて正解だったね」
笑顔のルーファさんを苦笑ぎみに見ているイサナミさん。
「なにが正解よ」
「ハハッ。だってこんな楽しそうなことに首を突っ込めるんだから楽しいだろ」
ホントに楽しそうにルーファさんは言っているけど、イサナミさんは全く楽しくないので仏頂面になっていた。
「それより、簡単な方法ってなによ」
イサナミさんに問いかけられたルーファさんは僕の肩に手を置いてきた。
「この子達の実力を聞きにいくためにいちいち騎士団に行くのってめんどうでしょ?」
「それは確かにめんどうだとは思ってたわよ。行ったところでカリスナさんが外の巡回に行ってたら会えないし、居たとしてもすぐに面会出来るかもわからないから確認するまでにどれだけ時間が掛かるかもわからないものね」
確かに普通はカリスナさんがどこに居るかなんてわからないし、例え騎士団の詰所に居たとしてもすぐに面会とは行かないだろう。しかし今回は僕がしっかりと根回ししといたのでカリスナさんは騎士団の詰所で書類作業しているし、確認には不自然にならない程度の早さで対応するようにお願いしているから、そんなに時間は掛からない。
とはいえそれを知らないイサナミさんが時間がかかってめんどうだと思うのはしかたないよね。
「だろ。だからこそ、私が考えるもっと簡単な方法を取るべきなんだよ」
「だからそれをさっさと教えなさいって言ってるのよ!」
半分キレているイサナミさんは机に手を叩きつけながらもったいぶるルーファさんに迫った。
「わかったわかった。教えるからそんなに迫ってくるなって」
ここまでキレられると流石に悪いと思ったルーファさんはイサナミさんを押し返しながらその簡単な方法を言った。
「この子達と私達が模擬戦すれば済む話だろ。地下の訓練場を使えば怪我なんてしないんだしね」
「なんかスゴい方向へ話が進みそうだぞ」って。
僕的には狙い通りの展開だから問題ないよ。元々誰かと戦って実力を示すことが1番手っ取り早いと思ってたし。
「でも、相手強そうだぞ」か。
ちらりと横目でルーファさんを見る。
確かにルーファさん達は強い冒険者だと思うよ。でも、強い冒険者の方がションゴン達の実力をちゃんと理解してくれるだろうし、ションゴン達にとってもいい経験になるからね。
あとは、ここ提案にイサナミさんがどういった判断をくだすかだけど、出来れば模擬戦をすることを認めてほしいね。
そう思いながらイサナミさんを見ると、前のめりの態勢から元にもどっだイサナミさんは真面目な表情で考えをまとめていた。
「私達と模擬戦をすれば騎士団に聞きにいく手間もなくなるし、模擬戦を見学すればイサナミの目でも彼らの実力を確認出来て一石二鳥でもある手っ取り早い方法だろ?」
ルーファさんのその言葉を聞いたイサナミさんは頷いた。
「確かにそれが手っ取り早いわね」
その答えに僕は内心ガッツポーズ。ルーファさんもニヤリと笑ったが、フィーナさんは驚きの表情でイサナミさんを見た。
「先輩いいのですか!?」
「いいのよ。ルーファの言う通り騎士団に聞きにいくより、ここで実力を見て判断したほうが確実でしょ。それに、ルーファ達ならこの子達の実力をしっかりと見極めてくれるだろうし、地下の訓練場なら怪我をすることもないしね」
「確かに怪我はしませんけど」
まだ納得出来ていないフィーナさん。
「大丈夫だから。なにかあったら責任は私が取るんだしね」
そう言っていまだに心配そうなフィーナさんの頭を撫でたイサナミさんは僕達のほうを見た。
「そういうわけだから、君たちには今から地下の訓練場でルーファ達と模擬戦をしてもらって、ダンジョンに入れるだけの実力があるとルーファ達が認めればダンジョンに入ることを許可します。それでいいね」
『はい』
本当に願ったり叶ったりの状況になったので内心では万々歳していた。
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ストック無くなったので更新期間が少し開きます。ご容赦ください。
その声がした方向を見ると、5人の女性がこちらへ向かって歩いてきていた。
「誰だろう」って。
僕が知るはずもないだろ。
でも、全員しっかりと装備一式つけているので冒険者なのだろう。
「ルーファ」
驚いた様子でイサナミさんが反応したので、イサナミさんが担当する冒険者の人達なのかもしれない。
イサナミさんに名前を呼ばれたルーファさんは手を振りながら僕達の隣にやってきた。
「今日は森の方に行くって言ってなかった?」
「森には行ったよ。でも、獲物が少なかったから早く帰ってきたわけさ」
ルーファさんは狩ってきた獲物を机の上に置いた。
「買い取りはあとでいいよ」
そう言いながら僕の方を見るルーファさん。
なんで見られているのかわからない僕が首を傾げると、ルーファさんはニコッと笑いかけてきてからイサナミさんを見た。
「しかし、どうやら早く帰ってきて正解だったね」
笑顔のルーファさんを苦笑ぎみに見ているイサナミさん。
「なにが正解よ」
「ハハッ。だってこんな楽しそうなことに首を突っ込めるんだから楽しいだろ」
ホントに楽しそうにルーファさんは言っているけど、イサナミさんは全く楽しくないので仏頂面になっていた。
「それより、簡単な方法ってなによ」
イサナミさんに問いかけられたルーファさんは僕の肩に手を置いてきた。
「この子達の実力を聞きにいくためにいちいち騎士団に行くのってめんどうでしょ?」
「それは確かにめんどうだとは思ってたわよ。行ったところでカリスナさんが外の巡回に行ってたら会えないし、居たとしてもすぐに面会出来るかもわからないから確認するまでにどれだけ時間が掛かるかもわからないものね」
確かに普通はカリスナさんがどこに居るかなんてわからないし、例え騎士団の詰所に居たとしてもすぐに面会とは行かないだろう。しかし今回は僕がしっかりと根回ししといたのでカリスナさんは騎士団の詰所で書類作業しているし、確認には不自然にならない程度の早さで対応するようにお願いしているから、そんなに時間は掛からない。
とはいえそれを知らないイサナミさんが時間がかかってめんどうだと思うのはしかたないよね。
「だろ。だからこそ、私が考えるもっと簡単な方法を取るべきなんだよ」
「だからそれをさっさと教えなさいって言ってるのよ!」
半分キレているイサナミさんは机に手を叩きつけながらもったいぶるルーファさんに迫った。
「わかったわかった。教えるからそんなに迫ってくるなって」
ここまでキレられると流石に悪いと思ったルーファさんはイサナミさんを押し返しながらその簡単な方法を言った。
「この子達と私達が模擬戦すれば済む話だろ。地下の訓練場を使えば怪我なんてしないんだしね」
「なんかスゴい方向へ話が進みそうだぞ」って。
僕的には狙い通りの展開だから問題ないよ。元々誰かと戦って実力を示すことが1番手っ取り早いと思ってたし。
「でも、相手強そうだぞ」か。
ちらりと横目でルーファさんを見る。
確かにルーファさん達は強い冒険者だと思うよ。でも、強い冒険者の方がションゴン達の実力をちゃんと理解してくれるだろうし、ションゴン達にとってもいい経験になるからね。
あとは、ここ提案にイサナミさんがどういった判断をくだすかだけど、出来れば模擬戦をすることを認めてほしいね。
そう思いながらイサナミさんを見ると、前のめりの態勢から元にもどっだイサナミさんは真面目な表情で考えをまとめていた。
「私達と模擬戦をすれば騎士団に聞きにいく手間もなくなるし、模擬戦を見学すればイサナミの目でも彼らの実力を確認出来て一石二鳥でもある手っ取り早い方法だろ?」
ルーファさんのその言葉を聞いたイサナミさんは頷いた。
「確かにそれが手っ取り早いわね」
その答えに僕は内心ガッツポーズ。ルーファさんもニヤリと笑ったが、フィーナさんは驚きの表情でイサナミさんを見た。
「先輩いいのですか!?」
「いいのよ。ルーファの言う通り騎士団に聞きにいくより、ここで実力を見て判断したほうが確実でしょ。それに、ルーファ達ならこの子達の実力をしっかりと見極めてくれるだろうし、地下の訓練場なら怪我をすることもないしね」
「確かに怪我はしませんけど」
まだ納得出来ていないフィーナさん。
「大丈夫だから。なにかあったら責任は私が取るんだしね」
そう言っていまだに心配そうなフィーナさんの頭を撫でたイサナミさんは僕達のほうを見た。
「そういうわけだから、君たちには今から地下の訓練場でルーファ達と模擬戦をしてもらって、ダンジョンに入れるだけの実力があるとルーファ達が認めればダンジョンに入ることを許可します。それでいいね」
『はい』
本当に願ったり叶ったりの状況になったので内心では万々歳していた。
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